「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都 (文春新書)

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  • 文藝春秋
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166612574

作品紹介・あらすじ

平安京と京都は違う。「不思議に思われるかもしれないが、次のようにいえば納得して頂けると思う。京都で訪れた観光地の数々を思い出して頂きたい。神社仏閣なら、清水寺・金閣寺・銀閣寺・上賀茂神社・下鴨神社・知恩院・三十三間堂・北野天満宮・平等院鳳凰堂、風情のある繁華街なら、祇園、先斗町、鴨川の河川敷、嵐山なども観光名所だろう」「京都は、平安京の外に広がる、新しい開発地を含めた都市だ。それが今や主客転倒して、平安京の外の方が〈我々こそ伝統的な「都」です〉という顔をしている」「平安京らしさといえば、誰もが歴史の授業で習った“碁盤の目”の土地区画(同じ大きさの正方形の集まり)だが、思い出して頂きたい。右に挙げた観光地を歩いた時、道路や土地の区画がちっとも“碁盤の目”状でなかったことを。“京都らしい”観光地は、全く平安京らしくないのだ」――はじめにより抜粋平安京が「京都」に転生するために武士の力が必要だった!?「京都」を舞台に行われた権力闘争と土地開発の歴史を気鋭の歴史学者が、大胆に描く。主な内容・川を拠点にした強盗集団に狙われ続けた平安京・平安京には寺を作ってはいけないルールがあった・廷臣の家を次々よ移り住む天皇・貴族も庶民も楽しんだ「晒し首」パレード・鳥羽離宮造営の衝撃・勝手に戦争をして顰蹙を買った源氏・武装した宗教団体が南北から都に迫る・都のど真ん中で起こった殺し合い「保元の乱と平治の乱」・京都駅周辺を開発したのは平家だった・平清盛の出世が「京都」に新しい街を造らせた 他各地域の歴史地図を多数収録。

感想・レビュー・書評

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  • 東夷(アズマエビス)の末裔には京都は遠い存在である。平安京=京都ではない!と帯にあっても、今一つピンと来なかったが、院政から平家政権にかけての土地開発、寺院造営の歴史を、政治史を交えて、ダイナミックに論じていく筆致に引き込まれてしまった。

  • <目次>
    はじめに  平安京が「京都」に転生する時
    第1章   武士に依存する平安京と朝廷の治安~「獄門」と凱旋パレード
    第2章   「京都」誕生と「天下」の謎~秩序の平安京+君臨の鳥羽+極楽往生の白河
    第3章   武士代表となる平氏~京都と院政に融合した新種の実像と虚像
    第4章   京都と天皇を呪う嗷訴、守る武士~院政が生んだ反逆者と守護者
    第5章   破局する京都と保元・平治の乱~武士が都を蹂躙する「武者の世」
    第6章   六波羅と法住寺殿の大規模開発~後白河院・平家の二人三脚と京都拡充
    第7章   平家の新都市域「八条」の開発~京都が最初の完成を迎える時
    第8章   ”殿下の乗合”事件~京都の生活を支配する武士の論理
    おわりに  平家が完成させ平家が破滅させた都

    <内容>
    一般書ということで論理は若干荒いか?「京都」の話というよりも、「武士」の院政期発展史。源氏から平氏へと武士の中心が変わっていく過程と白河・鳥羽の院政のカラクリ。平安時代後期の歴史ととらえてもよい。

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著者プロフィール

桃崎有一郎(ももさき・ゆういちろう) 
1978年、東京都生まれ。2001年、慶應義塾大学文学部卒業。2007年、慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(史学)。現在、高千穂大学商学部教授。専門は、古代・中世の礼制と法制・政治の関係史。著書に『中世京都の空間構造と礼節体系』(思文閣出版)、『平安京はいらなかった』(吉川弘文館)、『武士の起源を解きあかす』(ちくま新書)、『室町の覇者 足利義満』(ちくま新書)、『京都を壊した天皇、護った武士』(NHK新書)、『室町政権の首府構想と京都』(文理閣、共編著)、『日本法史から何がみえるか』(有斐閣、共著)、『幻想の京都モデル』(高志書院、共著)などがある。

「2020年 『礼とは何か 日本の文化と歴史の鍵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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