- 文藝春秋 (2020年7月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784166612710
作品紹介・あらすじ
新型コロナウイルスが国境を越えて感染を拡大させる中、現代最高峰の知性6人に緊急インタビューを行い、世界と日本の行く末について問うた。
このパンデミックは人類の歴史にどんな影響を及ぼすのか?
これから我々はどんな未来に立ち向かうのか?
世界史的・文明論的な観点から、冷静かつ大胆に2020年代を予測する。
[主な内容]
・ジャレド・ダイアモンド「21世紀は中国の時代にはならない」
(カリフォルニア大学ロサンゼルス校地理学教授。著書『銃・病原菌・鉄』)
・マックス・テグマーク「AIで人類はもっとレジリエントになれる」
(マサチューセッツ工科大学教授。著書『LIFE3.0 人工知能時代に人間であるということ』)
・リンダ・グラットン「ロックダウンが日本人の新しい働き方を生んだ」
(ロンドン・ビジネススクール教授。著書『ライフシフト 100年時代の人生戦略』)
・スティーブン・ピンカー「人間の認知バイアスが感染症対策を遅らせてしまった」
(ハーバード大学心理学教授。著書『21世紀の啓蒙 理性、科学、ヒューマニズム、進歩』)
・スコット・ギャロウェイ「パンデミックでGAFAはますます強大になっていく」
(ニューヨーク大学スターン経営大学院教授。著書『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』)
・ポール・クルーグマン「経済は人工的な昏睡状態。景気回復はスウッシュ型になる」
(ノーベル経済学賞受賞者。著書『格差はつくられた 保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略』)
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
新型コロナウイルスの影響を受けた現代社会の未来を、最高峰の知性を持つ6人が語る本書は、パンデミックを新たな視点で捉えるための貴重なインタビュー集です。各専門家は、コロナ禍が私たちに与えた影響や、これか...
感想・レビュー・書評
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タイトルから、コロナによって世界がどう変わるか書いてあるのかと思いましたが、コロナだけでなく、各インタビュアーの専門分野の世界がどうなっていくのか、簡単に要点が述べられていました。
一番心に残ったのはジャレド・ダイアモンド氏が「危機を乗り越えるために最も効果的なことは、まともな政治のために投票に行くことである」と述べられていたことです。
今ほど政治家の手腕の重要性が問われる時代もそう多くないと思います。
以下、要点をまとめました。
第1章 独裁国家はパンデミックに強いのか
ジャレド・ダイアモンド(82)
『銃・病原菌・鉄』著者
●方策の第一は私たちが家にいること。
(集団免疫を獲得するべきだという考え方もある)
●21世紀が中国の世紀になることはない。
●危機を乗り越えるためにできる最も効果的なことは、まともな政治の投票に行くことである。
第2章 AIで人類はレジエントになれる
マックス・テグマーク(53)
マサチューセッツ工科大学教授
●パンデミックと戦うことは情報戦。
AGIは、完成すれば人類の歴史上もっとも影響が強いテクノロジー。
●AGIの一回のエラーが「人類の終焉」を引き起こすこともあり得るし、AGIを手に入れた独裁者が地球のすべてをコントロールするために使うことも考えられる。
第3章 ロックダウンで生まれた新しい働き方
リンダ・グラットン(65)
ロンドンビジネススワーク教授
『ワーク・シフト』『ライフ・シフト』著者
●「働き方改革」を成し遂げる絶好の機会を得た。
●「healthy aging」(健康を保ちつつ歳を重ねることの重要性)
●「年寄り」と言っていいのは80歳以上。
●日本は世界各国と比べて「健康寿命」が非常に長い。
●テクノロジーが発達した未来では、我々の仕事により、”人間らしい力”が求められている(共感力、創造力、理解力、交渉力、英語力)
第4章 認知バイアスが感染症対策を遅らせた
スティーブン・ピンカー(65)
ハーバード大学心理学教授・進化心理学
『暴力の人類史』『21世紀の啓蒙』著者
●原発やAIよりも懸念すべきは核兵器。
我々は格差よりも「アンフェアネス(機会の不公平性)」に重点を置くべき。
第5章 新型コロナで強力になったGAFA
スコット・ギャロウェイ(55)
ニューヨーク大学スターン経営大学院教授
『the four GAFA』著者
●GAFAの中で最も生き残る可能性のあるのはアマゾン。
●今回(コロナ禍での)最大の驚きは二流大学の混乱。
●GAFAは何十億人もの生活の価値を高めていますが、彼らの目的はがんの撲滅や貧困の根絶ではなくつまるところ金儲け。
第6章 景気回復はスウッシュ型になる
ポール・クルーグマン(67)
経済学者
●これから感染症対策が問題となっていくのは、地方の貧しい地域。経済を回すことを優先させることよりも、まずは感染症対策の最前線にいる医療機関と経済的シャットダウンで打撃を受けている人たちをサポートすべき。
●日本経済にとって最大の懸念材料だったのは、2019年10月の消費税引き上げ。
●パンデミックで最も大きなダメージを受けたのはアメリカ。トランプ大統領の再選によりアメリカは格差拡大。民主主義の危惧。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても読みやすく示唆に富んだ本。
特に心に残った部分は、スコット・ギャロウェイ氏が新型コロナウイルス感染症の経済への影響について、「変化の担い手」ではなく「促進剤」と述べていたこと。つまり、コロナが経済を変化させたのではなく、コロナがなくても必然的に起きていたであろう変化のスピードを速めただけ、ということである。
変化はゆっくりの方がいい。変化のスピードが速くなるのはやはり怖い。コロナに感じる底知れぬ恐怖の原因は、そういうところにもあるのかな、と思った。 -
コロナ禍という切り口で、6人の知識人が持論を展開する。
「ライフ・シフト」のリンダ・グラットン 「銃・病原菌・鉄」のジャレド・ダイアモンド 「the four GAFA」のスコット・ギャロウェイ そして経済学者のポール・クルーグマン...など。
なんともすごい面子だ。
内容については、それぞれが得意とする領域について書かれる。これからの世界情勢、AIと人工知能、働き方、GAFAの行く末、経済動向など…。たいへん知的好奇心をくすぐるラインナップ。
すべてのパートは20〜30ページほど。さらっと読めてしまう。しかし確実にエッセンスが詰まっているのは、さすがその道のエキスパートと言ったところ。
もし気になったパートがあれば、彼らの著作を読んで深堀りするのも良いかもしれない。そういう意味では、パンフレット的な1冊でもあった。
無粋な言い方だけど、非常にコスパが良い一冊。幅広い読者におすすめ。
(引用や抜粋は、書評ブログの方に書いてありますので良かったらそちらもどうぞ)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E7%9F%A5%E6%80%A76%E4%BA%BA%E3%81%8C%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%92%E5%8D%A0%E3%81%86_%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E5%BE%8C%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C_%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%AC -
ジャレド・ダイアモンドなら読まなきゃと思って購入したけど、他の人の話もかなり面白くて良かった。
コロナのニュースは日夜流れているものの、一時期よりは世界的にどうなっているかを目にする機会が減ったように思う。
中国が独裁国家であることの、ディスアドバンテージをダイアモンドは強く主張するのだが、コロナ禍にあって大胆な封じ込めが出来たのは、独裁国家であるからだという一方、隠蔽によって感染を拡げてしまったのも同じ理屈に基づくと。
文化大革命のように教育をゼロにしてしまえるような一手を打てること、想像すると恐ろしい。
AIについては、この本の中でも色々な視点で触れられているポイントだが、第2章では「生物兵器」と肩を並べたAIの脅威が語られているのが印象的だった。
メディア面では、第4章の「利用可能性バイアス」の話が面白い。
「認知心理学では、人は危険が起きる確率を、客観的な統計やデータよりも、身近なイメージや、よく聞くストーリーに基づいて判断することが知られて」いるということらしい。
また、第5章では「怒り」によって「つながり」をもたらすビジネスモデルが挙げられていて、フェイスブックやグーグルのアルゴリズムでは、いわゆる炎上した記事は、オイシイ記事であり、無用に目立ってしまうということだった。
二つとも、よく考えれば当たり前の話なのだけど、私たちのネットモラルを心配する声は多くあれど、炎上というシステムそのものを非難する声は、意外にも目にする機会が少ないように思う。
確かに、私たちの自覚によってモラルというのは変えられる。
けれど、単純に人間性に訴えるだけではない、別の角度からの切り込みが必要なのかもしれない。 -
だれか 助けてください !
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2020/08/07
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2020/08/07
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コロナはいつ収束するのか。いや終息してほしいですね。「紙背に微光あり」は極上の読書体験を約束してくれます。コロナはいつ収束するのか。いや終息してほしいですね。「紙背に微光あり」は極上の読書体験を約束してくれます。2020/08/07
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世界の知性も今回の事態はよくわかっていないということが改めて確認された。クルーグマンがアベノミクスをボロクソに言ってるのが凄かった→ https://twitter.com/lumciningnbdurw/status/1293683731400503296?s=21
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来年の今頃、再読。
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現代最高峰の知性を持つ6人への、世界と日本の行末をインタビュー。
6人共通の意見は、コロナのパンデミックをポジティブな側面で捉えるのなら皆共通の回答。
我々に深く考えるきっかけを与えてくれた、と。
さて、コロナは我々に何をもたらし、何を奪ったのか。
中でも興味深かったのは、MITで理論物理学を研究するマックス・タグマーク教授の章。
AI時代の可能性と未来視。
本当、満員電車っていらなかったよな。
Amazon強いな。
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2020年のインタビュー。
世界の有識者がコロナ後の世界を語る。
日本の問題点もかなり鋭く指摘している。
アメリカの保険制度が実現しなかったのは、終戦当時の人種差別のせいである事を初めて知った。
その後、ウクライナ侵攻も起こっているので、現時点での彼らの見解も読んでみたいものだ。 -
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日本の問題は高齢化よりも、定年退職というシステム。まだ働くことのできる人間を市場から強制退場させるのは効率的でない。
危機を乗り越えるためにできる最も効果的なことは、まともな政治のために投票に行くこと。
人間は自らの文明を、もっと強靭で柔軟なものにしなければならない。
このまま技術の進歩が続けば、それほど遠くない未来においては、AIは何かを学習するのに大量のデータを必要としなくなる。システムそのものが、自分で学習アルゴリズムを作り出す。
発達したAIは人間の危機になる可能性もある。どうすればいいか?→私たちと同じ価値観を持ち、人間を大事にするAIを安全工学的に作ってしまう。早めに戦略や倫理基準を定め、AIを利用する際に越えてはならない一線を明確にルール化する。
「どの分野のスキルを身につければ、将来役に立つのか?」→何を学ぶかはそれほど重要ではなく、人生を通して絶え間なく学び続ける姿勢が大切。強いて言うならば、「人間らしい力(共感力、想像力、理解力)」が付くもの。
ポスト・コロナの人生百歳時代にあたって、重要になる要素は、「透明性」「共同創造」「忍耐力」「平静さ」
コロナ禍で必要性が強調されたもの「サイエンス、公衆衛生、責任ある主流メディア、専門的な技能と組織、グローバルな国際協力」
人はなぜ理性や科学による進歩を正しく認識できないのか?
1 ジャーナリズム
→ジャーナリズムは、どんな日でも、この惑星で起きている最悪のことを選んで報道するから。人は危険が起こる確率を、客観的な統計やデータよりも、身近なイメージに基づいて判断するから。
ジャーナリストの責任は、世界の正確な状況を伝えること。
格差は問題だが、格差よりも「不公正」に目を向けるべき。人間は、国が能力主義社会である限りは経済的不平等を受け入れるが、能力主義社会だと感じられなくなったときには怒りを覚える。
フェイスブックやGoogleのアルゴリズムは中立であるが、「中立であるからこそ」問題が起こっている。それは、記事の内容に関わらず広告収入を収益源とするビジネスモデルなので、記事が見られているか?を基準に優先度をつける。では一番みられやすい記事は何かといえば、対立と激怒を煽る投稿だ。その投稿は多くの分断を生むものの、アルゴリズムからすれば「いい記事」である。
こうした現状に対してフェイスブックは、「我々はメディアではなくプラットフォームだ」という態度を貫くことで、社会的責任を回避している。
GAFAはパンデミックでもパワフルになる一方、全体の70-80%の企業は弱体化し、格差が拡大する。
株価は実体経済を表しているのではなく、富裕層トップ10%の経済的繁栄を反映しているから。その10%の人々が株式の80%を保有しているため。
NEXT GAFAとなる企業は、「時間を節約」してくれる企業になるだろう。
EUも日本に通ずる構造的な問題を数多く抱えている。人口増加率の低さとインフレ率の低さだ。中央銀行の金融政策に効果が見られないときは、政府が行う財政政策が二人三脚になって立ち向かう必要があるが、EUには独自の政府がないため深刻な危機。
これを解決するにはリーダー格のドイツの働きが重要だが、ドイツは財政拡大に取り組もうとする意思がない。
まとめ
コロナ後の世界 を読んで
コロナは我々の生活様式を変えたものの、社会の在り方を根本的に変化させるには至らないだろう。
ロックダウンや行動自粛で人々の生活様式は大きく変わり、仕事においては在宅勤務、オンライン会議が普及した。働き方にある程度融通が利く会社員の間では地方移住も起こっている。テクノロジーが「物理的距離」を埋めるための主要因となり、それに後押しされる形で、人々の生き方も「距離」を前提にした形にシフトしつつある。
こうした中で、大勢の人々の人生観にも変化が起こった。働き方を見つめ直し、家族と過ごす時間を優先し、いつ仕事を失うか分からぬ世の中に備えてキャリアを見直すことも起こった。
しかし、人々の生活様式を変えるには至ったものの、民主主義国家が社会主義国家に変わり、グローバル化を進める国が他国との繋がりを絶ちナショナリズムに傾倒するといった、国家基盤自体のシフトは起こりえないだろう。
何故ならば、コロナ後の社会においてはなお一層、協力関係を維持しなければならないからだ。
コロナが浮き彫りにしたのは、「社会に住む人々は、危機下では団結よりも分断の道に進むこと」である。
全世界が均等に被害を受けたにも関わらず、国のリーダーによる対応の違いが地域による医療格差を広げた。
また、ロックダウンによる経済停滞は貧困層から職を奪ったが、GAFAに代表されるトップ企業は業績を伸ばし続けており、経済格差の拡大が生じている。
しかし、コロナ後の社会を持続可能なものにしていくためには、異なる立場の人々とより一層協力していかなければならない。
何故なら、われわれは文明を、今よりも強靭で柔軟にしなければならないからだ。
自然災害、気候変動、核戦争など、コロナよりも強力で差し迫った悲劇に世界は直面している。これらはコロナと違って、初動をミスしたら挽回することができない。危機管理の面から言えば、失敗から学ぶことのできないこれらの事象に対しては、受ける被害とその規模を「世界的スケール」で予測し、対策に織り込まなくてはならない。
それは一国でできるものではなく、民主主義、社会主義各国が協調し取り組まなければならない課題であるのだ。 -
冒頭「現在、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)地理学教授を務めるジャレド・ダイヤモンド氏(82)の名を一躍、世界に知らしめたのは、ピューリッツァー賞を受賞した著書『銃・病原菌・鉄』(草思社)だった。」
末尾「正直なところ、私にはまったく自信がありません。」
国家、AI、認知バイアス、GAFAなどなど。各分野の専門家が語る。いまだ全然終息しないコロナ。急速に社会の在り方が変わっているけど、日々の感染者数を伝えるだけのニュースを見ていても知ることができない、大きな社会の変化を垣間見ることができた。
「各自自分の専門分野のことをしゃべっているだけで、コロナのことを語っていない」という人もいるかもしれないけど、コロナウイルスのことを知りたいなら医者や生物学者の本を読むのが良い。 -
ノーベル経済賞受賞者、「銃、病原菌、鉄」
「ライフシフト100年人生の戦略」、「GAFA」
「暴力の人類史」、「LIFE3.0」
などの著者、権威6人にアフターコロナを訊いて
みたが、皆さん自分の著書の説明や
ご意見だけで全然参考にならず予想できない出来事には
世界の知性を持っても無力なんだなあと
困惑してしまった。 -
それぞれ一家言ある方々の充実のラインナップ。一応コロナ本なんだけど、コロナを真正面から扱うと思うと肩透かしに合う。あくまでも自分の自論が語られた本。特にクルーグマン。
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示唆に富む内容、読むべき。全体に日本のトップの課題が浮き彫りに。
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コロナ禍真っ只中の2020年に出版された本。経済学や心理学などにおける世界的な権威6人が、コロナ後の世界を予想し日本の読者向けに語っている。
2023年の今となっては予想がはずれたものもあるが、日本の事情に詳しいジャレド・ダイアモンド氏とポール・クルーグマン氏の考察については、今でも正鵠を射ており日本が抱えている問題を驚くほど的確に指摘していると思う。
”人口の半分を占め、教育レベルが高くて健康な女性が働ける環境を作れていないことが、日本の問題なのです。”(P.33)
”自国を防衛するための、よりよい方法はフィンランドのロシアに対する姿勢に学ぶべきです。良好な関係を保つために真剣に取り組み、中国と韓国が日本を信用し、怖がらないように、絶えず話し合うことです。難しいことですが、日本自身でしか解決できない問題です。”(P.37~38)
”危機を乗り越えるためにあなたができる最も効果的なことはまともな政治のために投票に行くことなのです。”(P.47)
”なぜ増税したのか、まったく理解できません。ただ単に、消費税率を上げるだけでは、税収の増加にはつながらないからです。景気が十分に回復していないときは、消費税の税収自体は上がったとしても、そのぶん景気の冷え込みで法人税や所得税などが下がり、全体の税収はかえって落ち込んでしまうのです。
さらに安倍首相は消費増税に伴って、キャッシュレス決済によるポイント還元制度を導入しました。(中略)キャッシュレス決済を普及させるためだけに、なぜポイント還元という実質的な減税措置までとらなければならないのか。全く不可解な制度です。安倍首相の政策には一貫性がみられません。”(P.180) -
「コロナ後の世界」というタイトルですが、あとがきによれば、本書はもともと2019年から進められていたインタビュー企画に、今回のコロナ禍を組み合わせて内容を深めたようです。まず中身以前に、この6人をよく選んだなという意味で強いユニークさを感じました。たとえていうなら、服のセレクションショップで、「思いもよらないセレクションで面白いなあ」と感じる感覚でしょうか(これは選んだ服自体が良い/悪い、を超越した感覚です)。「銃・病原菌・鉄」などの著者であるジャレド・ダイヤモンドを先鋒に(なんて贅沢な!)、次鋒は人工知能の研究者で「LIFE3.0」などの著者であるマックス・テグマーク、そして人生100年時代のリンダ・グラットンが続き、「暴力の人類史」「21世紀の啓蒙」の著者であるスティーブン・ピンカー、そしてビジネス界から「GAFA」の著者、スコット・ギャロウェイが続き、最後にノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマンとくるわけです。このラインナップはかなりユニークで面白いと感じました。
肝心の中身についてですが、おそらく読者の関心事によってもどのパートが面白いかは違ってくると思います。私はテグマークの「AIで人類はレジリエントになれる」と、スコット・ギャロウェイの「新型コロナで強力になったGAFA」を興味深く読みましたが、ほかのパートはまあこんなものだろうという程度でした。全編にわたってあっという間に読めます。 -
コロナ後の世界について、様々な海外の有識者が書いた一冊。
オムニバス形式なので内容はバラバラだが、どれも分かりやすく説得力があった。 -
田舎書店応援購入本第二弾。コロナが流行った序盤に出た本で予想がかなり古い感がある。スティーブン・ピンカーの話が一番興味が引かれた。自分は柄谷行人の世界の見方は理にかなっていて、大局を捉えていると思うのでそれを元に考えているけれど、世界は着実に良い方に向かっているという見方を切って捨てるほどの確信はない。自分は何の専門家でもなく、何も知らないから。
ただ、このままの体制で環境問題と格差の両方を解決できるのか、戦争を根絶できるのかという疑問がある。自分はぬくぬくと暮らしている側だが、日々安定した暮らしが出来ない人たちがいる中で、なぜ豪奢な生活が許されるのか、なぜそれが許される体制なのか、それは国民国家という障壁、資本主義経済という仕組みに原因があるのではないかと思わざるを得ない。でも、それを急激に変えることはきっと出来ない。
特に根拠はないが、漠然と国家というものを最低でも200〜300年くらいかけて何か別の戦争が起きえない体制に変えることができないか、非力ながら自分にその準備ための行動ができないかと思っているけれども、それだと気候変動の問題には全く間に合わないな。
たぶん自分にできる最も実効的で安全な試みは地道なプラットフォームづくりだと思うので、それを進めていきたい。自分の認識にも行動にもすべて何の確信も持っていないから、どうするのかは知らないけれど。
著者プロフィール
ポール・クルーグマンの作品
