小さな家の思想 方丈記を建築で読み解く (文春新書)

  • 文藝春秋 (2022年6月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166612819

作品紹介・あらすじ

人生の締めくくりを過ごすなら、どんな家がいいですか? 古典が教える「自分にとって必要最小限の、居心地のいい家での暮らし」のヒント。
「ゆく河の流れは絶えずして――」で始まる、有名な古典、『方丈記」。実はここに登場する鴨長明の庵「方丈庵」は長明が自ら設計した「最期を過ごすための家」だった。そこに持ち込まれたのは音楽、和歌、そして信仰のためのわずかなモノたちと自然との語らい、親しい人たちとの交友。ミニマリズムの大先達、鴨長明に学ぶ「小さな家」という生き方。

みんなの感想まとめ

人生の締めくくりにふさわしい「小さな家」の暮らしを提案する本書は、古典『方丈記』を通じて、ミニマリズムの魅力を伝えています。鴨長明が設計した方丈庵は、自然との調和や親しい人々との関わりを重視した空間で...

感想・レビュー・書評

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  • 鴨長明やソローほど先鋭化することは難しいけれど、小さな家で暮らしたいという気持ちはよくわかる。

    家が小さいと、周囲の環境により依存することになる。

    だから、環境に敏感になる。
    旅する建築が望まれる所以だろう。

    映画「まあだだよ」にでてくる、空襲で焼け出された内田百閒が暮らすバラック小屋の話が面白かったので、見てみた。大変よかったので、本書に関心を持った人はこちらの映画もおすすめ。

  • 就活中の娘が狭小住宅に興味があるという。「方丈記」に諸々のことは書かれていると養老先生が言う。そんな事情があって本書を手に取ってみた。鴨長明がどういう人物で方丈庵がどのような建物であったかはある程度わかったのだけれど、どちらかというと後半の小さな家の具体例をもっと多くしてボリュームをふくらませてもらいたかった。そしてできれば写真をもっと添えてほしかった。家の本というのは何となく楽しい。こんな狭いところにこんなものが立つのか、そんな例をいくつも見てみたい。写真が載っていることもあって東孝光の「塔の家」に興味がわいた。5階建てが全てつながっているという。風呂もトイレも扉がないという。5階にいても誰か帰ってきたのがすぐわかるのだとか。うーん、どんな空間が出来上がっているのか、中に入ってみたい。(後にネットで中の写真も見たけれど、うーん、これでは僕はちょっと落ち着かないかなあ。)さて、方丈庵だけれども、どう見てもまずトイレがない。いわゆる台所も見当たらない。もちろん風呂もない。全く生活臭がしない。寺の境内の中とかに立てていたようだから、おそらく外にあるものを借りていたのだろう。でも、それを1軒の家というには無理がありそうな気がする。まあ、キャンピングカーでもそうだけれど、キッチンはあっても、暮らすということについては排泄の問題は欠かせないなあ。ル・コルビュジエの「小さな家」は写真がなかったのでネットで見てみた。これは小さいと言えるのだろうか。ソローの「森の家」は読んだことがないが、2年くらいの経験でどこまでのことが言えるのかなあと思ってしまう。トクヴィルについても同じように感じていた。もっとも、長く住んでその土地に溶け込んでしまっていないからこそ、見えてくるものというのはあるのかもしれない。

  • 第1章 「人と栖」の無常ー『方丈記』のあらまし/第2章 鴨長明の生涯/第3章 方丈庵に持ち込まれたモノ/第4章 方丈庵ができるまでープロトタイプと完成形/第5章 再生の地、日野山/第6章 『方丈記』のルーツ/第7章 方丈庵を継ぐものー数寄の思想/第8章 江戸期の小さな家ー芭蕉・良寛・北斎/第9章 ソローの「森の家」/第10章 現代の「小さな家」

  • 【戦乱の世、方丈庵に込められた思想とは?】一辺約3メートル、組み立て式のモバイル住宅「方丈庵」は鴨長明の集大成だった。誰もが知る古典を建築として読み解く新たな試み。

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著者プロフィール

長尾 重武(ながお・しげたけ)
1967.3 東京大学工学部建築学科卒業。
1972.3 東京大学工学部大学院博士課程満期退学。
1972.4 東京大学工学部助手。
1983.4 東北工業大学助教授。
1988.4 武蔵野美術大学助教授。
1989.4 武蔵野美術大学教授。
1999.4-2007.3 武蔵野美術大学学長、 同短期大学学長・理事・評議員。
2015.3 武蔵野美術大学教授退任、 武蔵野美術大学名誉教授。
〈主な著書〉
『磯崎新 + 篠山紀信建築行脚 (8) マニエリスムの館 パラッツオ・デル・テ』 六耀社 1980.12
『ヴィニョーラと16世紀イタリア建築』 博士号請求論文 私家版 1982.11
『ヴィニョーラ 建築の五つのオーダー』中央公論美術出版 1984.1
『ミケランジェロのローマ』 (建築巡礼5) 丸善 1988.8
『磯崎新 + 篠山紀信 建築行脚 (7) メディチ家の華サン・ロレンツォ聖堂』 六耀社 1992.2
『ローマーバロックの劇場都市』 (建築巡礼26) 丸善 1993.7
『OBスカモッツィ パラディオ図面集』 中央公論美術出版 1994.1
『パラディオへの招待』(SD選書)鹿島出版会 1994.2
『建築家レオナルド・ダ・ヴィンチールネッサンス期の理想都市像』 中公新書中央公論社 1994.9
『世界美術大全集 12 イタリアルネサンス2』
  「ミケランジェロの建築」、「サンピエトロ大聖堂の造営」小学館 1994.12
『世界美術大全集 15 マニエリスム』
   「イタリアのマニエリスム建築」小学館 1996.10
『ローマ イメージの中の永遠の都』ちくま新書 筑摩書房 1997.12
詩集 『きみといた朝』思潮社 2002.12
詩集 『小さな楽園』思潮社 2006.10
『ピラネージ牢獄論 描かれた幻想の迷宮』中央公論美術出版 2015.8
『小さな家の思想 方丈記を建築で読み解く』文春新書 文芸春秋社 2022.6
『つれづれ日記―五輪の巻―』鳥影社 2022.7
『ピラネージ―幻想の建築家』中央公論美術出版 2024.4

「2024年 『『閑吟集』を歌おう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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