歴史探偵 忘れ残りの記 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2021年2月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784166612994

作品紹介・あらすじ

歴史のよもやま話から悪ガキ時代を描く自伝的エッセイまで。

昭和史最良の語り部
半藤さんの遺した「人生の愉しみ方」



第一章 昭和史おぼえ書き
第二章 悠々閑々たる文豪たち
第三章 うるわしの春夏秋冬
第四章 愛すべき小動物諸君
第五章 下町の悪ガキの船出
第六章 わが銀座おぼろげ史

みんなの感想まとめ

歴史の深い洞察と個人的な体験が交錯するエッセイ集で、著者の独自の視点から昭和の激動期を描いています。各章では、昭和史の記憶や文豪たちとの交流、愛すべき小動物たち、そして銀座の懐かしい風景が色鮮やかに綴...

感想・レビュー・書評

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  • 追悼 「歴史探偵」半藤一利 「あの戦争」の真実を語り継いできた文春新書の11冊 | 特集 - 本の話
    https://books.bunshun.jp/articles/-/6043

    昭和史検証は“共有財産”だった…磯田道史が振り返る「半藤一利さんが日本人に遺したもの」 | 文春オンライン
    https://bunshun.jp/articles/-/43454

    文春新書『歴史探偵 忘れ残りの記』半藤一利 | 新書 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166612994

  • 昨年一月に亡くなられた著者の最後のエッセイ集
    友人に借りて読みました

    「昭和史」「ノモンハンの夏」
    「日本のいちばん長い日」
    など心にずっしりとくる著作を読ませていただいた

    エッセイは軽いタッチで「悪ガキ」を彷彿とさせる
    昔の銀座など東京の地理には疎いけれど
    楽しく読みました。

    多くの「警告」を心に留めておきたいと思います。

    ありがとうございました

    ≪ 昭和史を 語りつくして まだ足りず ≫

  • 先日逝去された著者の絶筆となったあとがきが収録されたエッセイ集。
    文芸春秋社の「新刊のお知らせ」に連載されたものや、「銀座百点」に綴ったものが6章で構成されている。
    『昭和史おぼえ書き』では、著者らしい警句も。
    「若いものがやたらにおだてられるのは、国家があらぬ方向に動き出したとき」とか。
    終戦後一夜にして、軍国主義の権化たちが民主化の旗振りとなり、その厚顔無恥を思い知らされた経験から
    「このぬけぬけとした自己欺瞞は今に続いているのではと。いや、もっとひどくなっているのではないかと」、憂慮する。
    また、横文字まじりの略語が氾濫する現状を嘆き、「せっかくの日本語の語彙が貧しくなるのは、日本の財産が貧しくなるのと同じである」と、論破する。
    『わが銀座おぼろげ史』では、著者が文芸春秋社の新入社員のころの古き良き時代の銀座の様子が綴られ、タイムスリップ出来たら、ぜひとも行ってみたくなる魅力がたっぷり。

  • 元文藝春秋の編集者によるエッセイ。中学時代は太平洋戦争の世代、まさに昭和の語り部。やはり戦争前後の体験や、ほかに個人的に興味深かったのは1950〜60年代ころの社会人の働き方。社屋も移転し、週刊誌を始めるなど変革期にあたって社長が朝早くから全員出社するようにと激励する。その時間が10:00・・普段は何時に出社してるのか、徹夜が当たり前だったのかと驚く。終戦後、鬼畜米英から民主主義へ、大人たちの掌返しが青年の目にどう映ったのかを読むと、いろいろ考えさせられる。
    銀座を台座にした話も多かったが、さすがにヤクザやザペッティなどは出てこなかった

  • 激動の昭和、平成・令和にかかる90年の生涯を振返った半藤一利氏(1930-2021) 最後のエッセイ集です。北朝鮮の水爆実験の衝撃のニュ-スに触発され、「昭和史おぼえ書き」の項では「人類は自分で制御できない魔物を造ってしまった。ヒロシマ、ナガサキ、ビキニ、そして原発事故の歴史に少しも学ぼうとしていない」と嘆いています。文藝春秋社が銀座にあった著者の青春時代の回想「わが銀座おぼろげ史」では、GHQによる日本占領時代から戦後の復興にかけての銀座の風景を、面白く読ませて戴きました。 ご冥福をお祈りします。

  • 半藤一利によるエッセイ。

    特筆すべき内容はなく。

  • もともと歴史は好きでしたが、薩長が正義の幕末史観を転換させてくれたのが、半藤氏数々の著書でした。
    特に、勝海舟を深く知れば知るほど、「半藤先生ありがとう」と心の中で深く深くお礼を申しました。

    そんな半藤氏の遺作となるこの本を読むのは、多少気の重いところもあったのですが、読み始めると目からうろこがドサドサ落ちる面白さ。
    何よりも、疑問に思ったことはすぐに調べる歴史探偵の姿には、まだまだ追い続けねばならない大きな背中がありました。

    いくつか付箋をつけた部分をば。

    滝廉太郎が作曲した、有名な『花』の歌詞。
     春のうららの墨田川
     のぼりくだりの船人が
     櫂のしずくも花と散る
     ながめを何にたとうべき

    これのもともとに『源氏物語』があるのだそうだ。
    「胡蝶」の巻、六条院の宴のところ。
    女房のひとりがうたう。
     春の日のうららにさして行く舟は
       棹のしずくも花ぞ散りける

    『花』がつくられたころ、『源氏物語』のその部分が元になっているのは常識だったのだろうか。
    時代を経るごとに、当たり前の知識が、知る人しか知らないウンチクになっていったのだろうか。

    もうひとつ。
    正座とは茶道がさかんになってからできた言葉で、それまではあぐらや立て膝が普通だったそうだ。
    ぬぬぬ、茶道め!
    狭い茶室に大勢の人が座るため、自然と合理的な座り方として考えられたのが正座なのだとしたら、もう、正座はいいではないですか。

    今度大河ドラマ見るとき、貴族の皆さまの座り方に注目してみよう。
    平安のころは正座はなかったそうだから。

    そもそも何でも中国の文化をありがたがって受け入れていた日本で、ただ二つ、宦官と椅子は導入しなかった理由はなんでなのだろう。
    宦官はいいけど、椅子はもっと早く導入してもよかったのでは?

    今のように部屋に畳を敷き詰めるようになったのは鎌倉時代から(今調べた)だそうなので、それまでの長きにわたり、上流貴族以外は板の間に直座りしていたんだよね。
    痛そうだし寒そうだ。

  • 半藤一利のエッセイ集『歴史探偵 忘れ残りの記』を読みました。
    半藤一利の作品は5年前に読んだ『新装版 太平洋戦争 日本軍艦戦記』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    歴史のよもやま話から、ことばのウンチク、さらには、悪ガキ時代、新入社員時代の思い出といった自伝的作品まで。
    歴史に遊び、悠々と時代を歩んだ半藤さんが遺したエッセイ集。
    -----------------------

    2021年(令和3年)2月に刊行された作品……2021年(令和3年)1月に亡くなった半藤一利が生前最後に出版に携わった作品のようですね、、、

    文藝春秋の営業部が毎月出していた『新刊のお知らせ』というパンフレットに掲載されたコラムや、新聞、銀座のPR誌に掲載されたエッセイ等のうち未発表のものを収録した作品です。

     ■まえがきに代えて――生涯読書のすすめ
     ■第一章 昭和史おぼえ書き
     ■第二章 悠々閑々たる文豪たち
     ■第三章 うるわしの春夏秋冬
     ■第四章 愛すべき小動物諸君
     ■第五章 下町の悪ガキの船出
     ■第六章 わが銀座おぼろげ史
     ■あとがき
     ■編集部付記
     ■初出一覧

    昭和史の第一人者が書き綴った随筆集……歴史のよもやま話から悪ガキ時代を描く自伝的エッセイまで、、、

    昭和史最良の語り部……半藤さんの遺した「人生の愉しみ方」……。

    肩の力を抜いてリラックスして読める歴史よもやまエッセイでしたね……井上ひさし直伝の文章作法の心得の条である

     むずかしいことをやさしく
     やさしいことをふかく
     ふかいことをゆかいに
     ゆかいなことをまじめに    書くこと

    という秘術を使って書かれたものらしく、小難しい歴史のことが、とても読みやすく伝わってきました。

    そんな中で印象に残ったのは、

    ・ロシアの軍港であるウラジオストックは、ウラジオ・ストックではなく、ウラジ・オストックが正しい……ウラジは支配、オストックは東方で、東方支配の拠点という意味だった、

    ・踏襲(トウシュウ⇒フシュウ)、頻繁(ヒンパン⇒ハンザツ)、未曾有(ミゾウ⇒ミゾウユウ)、低迷(テイメイ⇒テイマイ)、決然(ケツゼン⇒ケンゼン)、見地(ケンチ⇒カンカ)等々……これは、麻生太郎が首相時代に読み違えた言葉のメモ、

    ・節分の「鬼は外!福は内!」は、亭主が出雲大社に参詣に出かけた留守を守っていた女房のところに訪れてきた鬼が女房に惚れてしまい、宝物を全て女房に渡した挙句、追い出されてしまうという狂言からきているとか、

    ・徳川夢声の俳句「ソ連宣戦はたと止みたる蝉時雨」敗戦の夏を描いた泣かせる一句、

    等かなー 面白くて勉強になる一冊でした。

  • 昭和史、太平洋戦争のことが書いているとおもったら、隅田川のことや半藤さんの幼き頃(わるがき時代)戦前のこと、戦後昭和30年代の銀座のことなど江戸っ子の歯切れの良い文章で文壇のことなど多岐にわたり楽しい本でした。漢詩なども多く引用されて博識な半藤さんが色々なことを教えてくれてます。

  • 半藤先生追悼読書。

  • 半藤氏はTV番組では太平洋戦争の話題の時に生き証人のように登場されていた。貴重な戦前戦後の語り部の逝去を惜しむ声が多い。私はあまり雑誌を読まないので、こんなに軽妙でおもしろいエッセイの方だとは知らなかった。私の祖父母はよく昔の話をしてくれて、それを聞くのが楽しみだった。思えばそんな読後感。氏は昭和20年代に文春に入社され、新人時代に坂口安吾氏のところへ原稿を取りに行ったそうです。銀座のビルの上から富士山が見えたそうです。軽く楽しい物から専門的な資料まで、有るだけ全部遺稿を出版してほしい。

  • 「難しいことをやさしく やさしいことを深く 深いことを愉快に 愉快なことを真面目に 書く」井上ひさし
    「人の行く 裏に道あり 花の山」(詠み人知れず)半藤一利。編集者の含蓄あるエッセイを五年振りに再読いました。

  • ふむ

  • 先日亡くなった、半藤一利の歴史にまつわるエッセイ集。昭和史の巨人の子ども時代の話も興味深い。

  • 今年1月に91歳で亡くなった著者。文藝春秋に入社し、「週刊文春」や「文藝春秋」などの編集長を歴任し、昭和史研究の第一人者として知られていた。
    本書はそんな半藤氏が遺したエッセイ集で、歴史のよもやま話からことばのウンチク、悪ガキ時代、新入社員時代の思い出などの自伝エピソードが満載されている。
    氏が入社した頃の文藝春秋新社は銀座にあり、その辺りの話も出てくるが、入社試験の話や仮採用時、坂口安吾の自宅に原稿をもらいに行った際の安吾の奥さんとの会話が面白かった。
    ただ、東京の地名や地理がピンとこなかったり、歴史やことばのウンチクについていけなかったり、自分にはあまりのめり込める内容ではなかった。

  • 文藝春秋営業部が書店や取次会社に配っていたパンフ「新刊のお知らせ」に連載されていたエッセイと書籍に未掲載のものを合わせた氏の遺作。

    生前に企画され、氏の逝去後に出版された一冊。多岐にわたるテーマの文をまとめたもの。20年以上の連載(1回書籍化)なので時期的にも話題的にも極めて広範囲。

    江戸のご隠居さんのべらんめえ調に近い気さくな文体が良い。 [歴史探偵 忘れ残りの記 (文春新書 1299)]の感想

    文藝春秋営業部が書店や取次会社に配っていたパンフ「新刊のお知らせ」に連載されていたエッセイと書籍に未掲載のものを合わせた氏の遺作。

    生前に企画され、氏の逝去後に出版された一冊。多岐にわたるテーマの文をまとめたもの。20年以上の連載(1回書籍化)なので時期的にも話題的にも極めて広範囲。

    江戸のご隠居さんのべらんめえ調に近い気さくな文体が良い。

  • 私が言論人・文筆家のなかで最も敬愛する半藤一利先生の、最期の書籍となった。半藤先生の著作は昭和史ノンフィクションのほかに、『隅田川の向う側』『名言で読む日本史』といった、知的好奇心を刺激する随筆もまた魅力的であった。たとえ生きた体が消えても、その著作は残る。バカげた右翼どもの本は紙ゴミになっても、半藤先生の著作はずっと評価されるに違いない。

  • 80歳後半の時期に書かれたエッセイ集たけに、さすがに懐古調で、そこに味を感じるかどうか、好みが分かれそう。個人的には、著者はやはり文人というより、編集者であり歴史記者(探偵)が本領だったと思わされた。もっとも、今から90年前に生まれた人の少年時代の回想は、それ自体貴重。昭和は遠くになりにけり。

  • 小坂井 SF/ハ/20

  • 今年の1月に亡くなってしまった歴史探偵のエッセイ集。
    自分の父親と同級生の半藤さんは、とても豊富な歴史知識と、東京下町の情報をたくさん残してくれました。ありがとう。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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