- 文藝春秋 (2021年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784166613298
作品紹介・あらすじ
国民の8割が歯周病(半分は歯肉炎)だそうだ。しかし、歯周病を甘く見たらとんでもないことになる、ということが最近、詳細にわかってきた。
歯周病菌は700種ぐらいある。実は、驚くなかれ、そのバイキン量は尻の穴と同じぐらい! 入口と出口は同じぐらい汚い。菌の巣窟なのだ!
例えば、歯周病菌を放置しておくと、心筋梗塞のリスクは2・8倍、脳卒中の罹患率は20%増え、早産のリスクは7倍に。また、糖尿病の合併症とも深くかかわり、膵がんのリスクは1.6倍になる。アルツハイマーとも密接な関係もある。さらに、脂肪が増えて太りやすくなる他、高齢者の死因にもなる誤嚥性肺炎の原因菌であることもわかってきた。
まさに、歯周病は全身に影響するあまりにも恐ろしい感染症なのである。
ついでに言えば、インフルエンザの発症も、歯周病があるとないとでは、雲泥の差が出てくる。流行中の新型コロナ感染症も悪化させることが最近わかった。
本書は、歯周病がどうやって感染するかを明らかにし、主な原因となっている菌にスポットを当てる。例えば、その中の1つである最凶のジンジバリス菌は、口中の血液をエサにして激増する。だから、歯ぐきから血が出る人はすぐに歯医者に行ったほうがいい。
結論として言えるのは、歯周病の人はそれだけで寿命を縮めているのである。
この厄介な歯周病を、いかにして克服するかを解説する。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
歯周病の重要性とその影響について深く理解できる内容が魅力の一冊です。読みやすい文体で、歯と健康の関係がわかりやすく解説されており、歯周病が全身の健康に及ぼす影響についての知識が得られます。特に、歯周病...
感想・レビュー・書評
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新書ですが難しいことは書かれておらず読みやすいです。
歯の大切さ、歯との付き合い方がわかります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■口の中に住んでいる細菌は700から1000種類ほどといわれ、その性質も様々。これらの細菌が歯の表面にくっつくことでつくられるプラーク(バイオフィルム)、これが歯周病の原因。
始まりは歯の磨き残し。歯磨きできれいに落としきれずに歯の表面に残った汚れは口の中に住む細菌。磨き残しが何度も繰り返され様々な細菌が積み重なりプラークは形成される。プラークは無数の細菌の集合体であって一種類の細菌の塊ではない。
細菌が積み重なるうちに、より悪性度の高い細菌が好む環境が作られていく。そこに集まるのが悪玉菌であり歯周病菌はその悪玉菌の一つで、歯周病菌も一種類ではなく十種類以上いるといわれている。
■悪玉菌の中には三種の王者がいる
「ポルフィロモナス・ジンジバリス」「タネレラ・フォーサイシア」「トレポネーマ・デンティコラ」という三つの歯周病菌。悪玉菌の王者といわれるこの三つをまとめて「レッドコンプレックス」という。もっとも悪性度が高い歯周病菌がジンジバリス菌。
■歯周病は細菌バランスが悪玉菌に傾くことで起きる
善玉菌、悪玉菌、日和見菌(優位な方の見方につく菌)の安定した状態のバランスは2:1:7。
細菌バランスが悪玉菌に傾くことで日和見菌が悪玉菌に加担する。これこそが歯周病が起きる本当の理由。
■歯周病菌は血液を通して全身をめぐる
既に報告されている科学的メカニズムは、
①菌血症
病名ではなくその状態を示す言葉。菌が血液中に入ること。ただそこにいるという状態を指す。歯周病菌が細胞の表面や血管の壁にくっつきやすい悪玉菌であることから、様々な病気の発症原因になっている。
⓶慢性炎症
全身の病気を引き起こすのは歯周病の炎症性物質。歯周病菌が炎症を促す物質「炎症性サイトカイン」を誘導する。歯周病は歯茎の炎症から始まる。この時歯茎の中ではこの炎症性サイトカインが作られている。歯周ポケットの炎症が悪化すると、この炎症性サイトカインは血流に乗って全身に運ばれていく。つまり歯周病になって出血が起きると全身を巡るのは歯周病菌だけではなく炎症性物質も一緒に血流に乗って運ばれているということ。
本来、炎症は身体を守るための免疫反応であるが、過剰な免疫反応は身体に害をもたらす。歯周病菌が誘導する炎症性サイトカインが全身の慢性疾患を悪化させる。心筋梗塞や糖尿病、関節リウマチなど炎症性の慢性疾患につながる。
新型コロナウイルスに感染した人が重症化するのも同じメカニズム。基礎疾患による炎症が作り出したサイトカインとコロナに感染したことで作り出されるサイトカインが嵐のような免疫反応を起こすため「サイトカインストーム」といわれる。
③腸内細菌叢の変化
腸のバリア機能が低下し様々な臓器に炎症が起きる
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だろうね。
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以前は口腔ケアや歯周病について無頓着でしたが、本書にて重要性を理解し危機感を持ちました。腸内環境にも関連するとの事ですし、今後は本書で紹介されている歯周病予防の対策に積極的に取り組んで行きます!妻が歯科衛生士ですが、衛生士の活躍の場が拡大し給与等の待遇も改善されればなお良いなぁ。
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