農業フロンティア 越境するネクストファーマーズ (文春新書 1336)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166613366

作品紹介・あらすじ

ネパール人仏画師、民俗学者、ロボットエンジニア、フランスから来た天才醸造家……国境、仕事の領域や農業界の常識など、いろんなボーダーを越えていく10人の物語です。
この本が、農業に携わる人たちのヒントや刺激になってほしい!

登場するネクストファーマーズを紹介!

静岡発:産地を循環する「やさいバス」で農産物の新しい物流を作り、本当の意味の地産地消と地域経済の活性化に挑むエムスクエアラボの加藤百合子さん。

茨城発:特殊な製法を導入して、素人集団で高機能トマトを量産。圧倒的なマーケティングと営業力で直販し、1億円の売り上げを目指すドロップファームの三浦綾佳さん。

沖縄発:薬剤と無縁の養鶏法を考案。地域の野菜農家にたい肥をシェアし、その野菜を買い取って卸売りも手掛けるみやぎ農園。その耕畜連携の循環型農業をブータンに輸出。

宮崎発:ソ連の火星探査計画から生まれた、家畜の排せつ物を食べ、飼料にも肥料にもなるスーパーイエバエ。これを使って食糧危機に立ち向かうムスカの串間充崇さん。

埼玉発:大学を中退して、食用バラ農家に就いたローズラボの田中綾華さん。バラを使った食品や化粧品を次々と開発し、就農から3年目にして売り上げが1億円を突破した。

富山発:ネパールで仏画師をしていたダルマ・ラマさん。日本人女性との結婚を機に来日し、縁あって富山の小松菜農家を継承。日本と母国をつなぐビジネスも始め、売り上げは継承前の2倍に。

茨城発:民俗学者として大学で教鞭をとる野口憲一さん。実家の野口農園で作るレンコンに自信を持ち、1本5000円で発売。今では国内外に顧客を持ち、売り上げは1億円を超える。

カンボジア発:内戦直後、国際協力で現地に渡った倉田浩伸さん。かつて世界一と評された胡椒が内戦で絶滅寸前と知り、自ら畑を買い取って復活に尽力。お土産として活路を見出す。

京都発:年間1500人の外国人旅行者が参加する茶園ツーリズムを生み出した京都おぶぶ茶苑の松本靖治さん。茶畑オーナー制度などユニークなアイデアで、茶業界に新風を吹き込む。

新潟発:フランスで天才と称されたナチュラルワインの醸造家・ジャンマルク・ブリニョさん。佐渡島に移住し、これまでにない発想で新たなワイン造りに挑む。

『農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦』(4刷)に続く、新たな挑戦者たちの物語です。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    わくわくするような農業界のチャレンジャー達のエピソード。私も今年から実家の耕作放棄地で菜園を始めたので、とても興味深く読んだ。

    口に入れるものだからこそ安全なものを作りたい、地球環境にも優しい仕組みで作物を作りたい、高齢化が進む日本の農業を元気にしたい、など農業1年生の私にも理想はある。

    登場する人達のようなパワフルさは私にはないけれど、理想や想いは共感するところが多かった。まだまだやり方次第で農業は面白くなる。

    前作の「農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦」も是非読んでみたい。

  • 今、農業に若い才能が集まっている。この本に登場する人たちのエピソードはとにかくびっくりすることばかりで、確固たる目標を持って頑張っている。一番印象に残ったのは、カンボジア胡椒を復活させた男、倉田さんが窮地に陥り逃げ出しそうになった時の友人の励ましの言葉「カンボジアバカからカンボジアを取ったらただのバカ。どうせバカになるならカンボジアに残って大バカになれ。」

  •  『伊集院光とらじおと』で紹介されいて、この本は続編にあたる本なのだけど、1作目を買ったのにどこかに見当たらなくしている。そっちから読みたかったが、こちらから読んで特に不都合は感じず、楽しかった。

     かつての『サンデープロジェクト』の後半の特集であるような、こんな新しい取り組みをして大成功しています、みたいな読んでいてすごく元気が出る。しかも何か農作物を作ってみたくなる。

     特に佐渡のフランス人のエピソードは今年の4月に佐渡に行ったところだったので、もしかしたら近くを通り過ぎていたかもしれない。彼が言う日本の土壌は強いというのは本当で、うちの裏の空き地がとんでもなく雑草だらけで、草取りが大変だった。あんな調子で育つ農作物があったら育ててみたい。

     しかし冷静になると、登場人物は超絶に優秀な人物ばかりで、何をやったとしても大成功しそうだ。特にうらやましいのは、バラを作っている女性で、あんな営業力があったらいいと強く思う。あんなふうに自費本を売りさばきたい。

  • やる気が出る。力強く生きている人たちの話

  • 面白い。
    挑戦したくなる気持ちにさせてくれる本である

  • 良かった。
    どの実践もなかなか興味深い。

    チート級の人もいるけど、とはいえそれでさえも、自らのアイデアや考えを持って動くということが心地よい。
    その農業クラスタ版というインタビュー記録。

    農業から入っても良し、実践として面白い人を探すのも良し。というわけで、色々学びになった。

  • 境界を超えて農業に挑戦している人達の生き様を紹介

    楽な道程はなく、それでも前に進んできた方々

    エムスクエアラボ 加藤 流通
    ドロップファーム 三浦 トマト
    みやぎ農園 宮城 養鶏
    野口農園 野口 蓮根
    京都おぶぶ茶園 松本 お茶
    クラタペッパー 倉田 胡椒
    ムスカ 串田 ハエ
    ローブラボ 田中 バラ
    葉っぴーfarm ダルマ 小松菜
    ワイン ジャンマルク ワイン

  • サイコーに面白かった!どれを読んでも、登場する方々の考え方や行動にワクワクして、興奮して、感動しました。皆さん辛いことや苦しいことが想像できないほどたくさんあったと思いますが、それらを乗り越えた気力と体力が素晴らしい。前に進む勇気をもらいました。

  • 生き生きしているな。楽しそうだ。

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著者プロフィール

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店を経てフリーライターに。某誌企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。ドイツW杯での日本代表密着取材を経て、バルセロナに移住。フットボリスタ誌やNumber誌などで幅広く活動中。

「2009年 『サッカー馬鹿 海を渡る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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