歴史探偵 開戦から終戦まで (文春新書)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166613441

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  • 半藤一利のエッセイをまとめたもの。

    太平洋戦争のについての話は最初だけで、それ以降は普通のエッセイだった。

  • 太平洋戦争中の日米両海軍の軍人のリーダ-シップを分析▷ミッドウェイ海戦で大敗を喫した空母機動部隊の司令長官・南雲忠一(1887-1944)中将を引合いに出し、山本五十六(1884-1943)連合艦隊司令長官が「南雲君ではどうも頼りないから小沢治三郎(1886-1966)中将の方がいい、彼に任せたい」と進言するも、年功序列に固執する海軍省人事局に一蹴された・・・「戦時なのに平時同様の人事をやっている。これじゃ勝てません」と筆者▷GHQが柔道、剣道、忠臣蔵まで禁止するなか、相撲をあっさり許可したのは何故か...?

  • 20~30年前の事柄が書かれているので内容的にはさすがに古いが、それでも「半藤節」面白さはある。
    昭和天皇が「ドイツに冷たく、ソビエトにはそうでもない」という点については、もっと検証されるべきテーマであるように思える。

  • 軽いエッセイで、テーマは多岐に富んでいて、読みやすい。
    その分、いつもの鋭い歴史的な切り込みは少ないが、そんな中にも半藤氏ならではの視点は潜んでいる。
    ベルリンの大通りにある「金色のプレート」、いわゆる「躓きの石」に関しての記述などがそれだ。ナチス時代に連れ去られて帰って来なかったユダヤ人の名前を彫ったプレートだが、そんなドイツ人にとっての負の遺産を、なぜ、作っているのか、という考察がある。
    『歴史的事実とは捨てきれるものではない。われらの行為はわれらを追う、という言葉がある。未来永劫、ドイツ人がやったことはドイツ人にくっついてくる。しかし、日々<努力して>思いだし語り継いでいかないと、掌からそれはこぼれてしまうと、ドイツ人はわかっているのであろう。金色のプレートはそのことを語っていると、勝手にわたくしはそう思った。』
    同感だ。人は忘れてしまう生き物だ。だから、常に思い出すよう、忘れてしまうことへの抵抗を試みている、その象徴であるのだと思う。
    その後が、また半藤氏らしい。
    『東西分断のつらい、長い間の体験があったればこそ、彼らはそのことを知った、なんていったら、ドイツ人に叱られるであろうか。』
    逆に言うと、そういった体験がなく、努力もしないから、今の日本があるのだろう。

    もう一つ。最近のウクライナ侵攻を機に、ロシア(ソ連)の第二次世界大戦の頃からの歴史を振り返ったりする中で、わかってきたことについて、気になるデータが載っていた。各国の戦死者数の比較だ。
    『ソ連:2000万人、志那:1000万人、ポーランド:602万8000人、ドイツ:600万人、日本:260万人、ユーゴ:170万6000人、フランス:65万3000人、アメリカ:40万7000人』
    日本において、国土は燃やし尽くされ、国内外で大量の戦死者が出たと思っていたが、こうして比較してみると、ソ連のほうが10倍の戦死者を出していることになる(そのほとんどがドイツ戦とのこと)。人口の違いはあるが、まさしく桁が違う。
    今、ロシアが戦争を仕掛けているが、果たして、どれくらいの犠牲が出るのか。
    この戦死者数から、何を学ぶのかが問われているように思えてならない。

  • なんといっても第1章の提督たちのリーダーシップが面白い。
    リーダーがやるべき8つのこと。
    今でも使えます。

  • 【日米開戦から八十年。提督たちの戦い】日米両軍の提督のリーダーシップからベルリン、ポツダムなど「ドイツ」の戦跡をめぐった随筆まで。「歴史探偵」シリーズの第三弾。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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