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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784166613465
作品紹介・あらすじ
史上最長政権の内部で何が起きていたのか?
安倍、菅、岸田、甘利、石破など政権キーパーソン54人への徹底インタビューが明かす内幕!
アベノミクス、選挙での圧勝、戦後70年談話、さまざまなスキャンダル、憲法改正をめぐる騒動、TPP……。7年8カ月という例をみない長期政権の評価は、いまも定まっていない。この間、日本の政治をとりまく見方は「反安倍」か、さもなくば「親安倍」かに二分された。
では、この第2次安倍政権は、結局、何をやろうとし、何を残したのか? 『新型コロナ対応民間臨時調査会』『福島原発事故10年検証委員会』など、話題を集めるレポートを次々発表しているアジア・パシフィック・イニシアティブが、政権当事者に対する徹底インタビューを軸として、その政権の内幕に迫る。
【執筆者】
[アベノミクス]上川 龍之進 大阪大学大学院 法学研究科 教授
『日本銀行と政治―金融政策決定の軌跡』中公新書 (2014)
[選挙・世論対策] 境家 史郎 東京大学 法学政治学研究科 教授
『憲法と世論』筑摩書房(2017)
[官邸主導]中北 浩爾
『自民党 ―「一強」の実像―』中公新書(2017年)
[外交・安全保障] 神保 謙 慶應義塾大
学総合政策学部教授
『民主党政権失敗の検証:日本政治は何を活かすか』中公新書 (共著、2013)
[TPP・通商]寺田 貴 同志社大学 法学部 教授
『東アジアとアジア太平洋』東京大学出版会 (2013)
[歴史問題] 熊谷 奈緒子 青山学院大学地球共生学部教授
『慰安婦問題』ちくま新書 (2014 )
[与党統制]竹中 治堅 (たけなか はるかた) 政策研究大学院大学 教授
『コロナ危機政治―安倍政権 V.S 知事』中公新書(2020)
[女性政策]辻 由希 東海大学 政治経済学部 政治学科 教授
『家族主義福祉レジームの再編とジェンダー政治』ミネルヴァ書房( 2012)
[憲法改正]マッケルウェイン・ケネス・盛 東京大学 社会科学研究所 教授
『政党政治の混迷と政権交代』東京大学出版会 (共著、2009)
みんなの感想まとめ
この書籍は、第二次安倍政権の長期政権がどのように形成され、運営されてきたのかを徹底的に分析しています。著者たちは、安倍首相をはじめとする政権中枢のキーパーソンへのインタビューを通じて、政治的リアリズム...
感想・レビュー・書評
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第二次安倍政権は、民主党政権の後、2012年の12月から始まり、安倍首相の体調不良による辞任表明を経て、2020年の9月までの、約7年8カ月続いた、憲政史上、最長の政権であった。本書は、安倍政権が、なぜ、そのような長期政権となったのかを中心に、学者陣が検証したものであり、読み応えのあるもの。
第二次安倍政権は、内閣改造・選挙の時期を基準に6期に分けられるというのが、筆者らの主張である。その内、前半の3期は安倍カラーの強い政策を実行できた時期であるが、後半の3期は、森友問題などの政権スキャンダルが発覚し、「一強」であることに変わりはないが、前半ほどには、安倍カラーを打ち出せなかった、と分析している。
私が本書を手に取った理由は、第二次安倍政権の「労働政策・雇用政策」について整理したいため。第二次安倍政権発足後、「行き過ぎた雇用保障を見直す」等の、規制緩和的・新自由主義的な労働政策・雇用政策を打ち出し、それを、政策会議で議論していた安倍政権であったが、政権後半になって、実際に打ち出された政策は、「一億総活躍社会」「働き方改革」等の、人手不足対策・WLB対策などの、ひどくニュートラルなものであった理由がそのあたりにあることが、よく理解できた。逆に言えば、安倍首相のバランス感覚・リアリストぶりが、長期政権を生んだのだな、と納得もした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
安倍政権がなぜあれだけの長期政権となったのか、その統治の方法を、ある意味客観的に分析した本。
「民主党政権を『悪夢』と呼んでいたことには実は計算した狙いがあった」など、それ後付なのでは? と勘ぐりたくなる記述もあるものの、基本的には、安倍政権のメカニズムを冷静に観察しているように思う。そもそも執筆陣が大学教授なので、何の根拠もなくヨタを飛ばすどこぞの作家やら、自称文芸評論家とは趣が違う。
ただ、本の趣旨からして当然だが、インタビュー相手が政権中枢にいた政治家や官僚がほとんどなので、どうしても自画自賛的な話が多いし、これもまた当然だが、ジャーナリスティックな視線は皆無。安倍政権は官邸の意志を現実の政治に反映するためには、非常によくできた仕組みだったんだなと思う反面、その仕組みを維持するために犠牲になったものも少なくないはずで、それを「政治のリアリズム」として納得できるかどうか。
安倍嫌いの、(研究者ではない、という意味で)一般的な読者にとっては、安倍政権礼賛本だろうし、安倍政権を支持していた人にとっては、「左右どちらに偏ることもなく中立的な立場の本」ということになりそうな感じ。
編者であるアジア・パシフィック・イニシアティブ理事長の船橋洋一(ちなみに、この人は元朝日新聞の人)が「はじめに」でこう書いている。
「……野党が統治のあり方を組織学習することは、日本の政党民主主義にとって切実な宿題となっている」
政治のリアリズムという観点からすれば、まさに野党の人、読んでちょー、という本かな。 -
安倍政権がなぜ長期政権になったのか、その中でどのような政治パフォーマンスをしたのかということを客観的に分析した本。
総じて言えば、安倍政権は安倍首相が右派的なイデオロギーを持ちながらも、政治的リアリズムに立って政治を行い、結果として日本政治にさまざまな功績・課題を残したということ。
いくつか印象深い点を挙げる。
・安倍首相の右派的イデオロギーを実現させるような政策は控えられた。
→靖国参拝など、外交問題に代表されるように、実は安倍政権において右派イデオロギー的な政策は抑えられた。それは、政治的リアリズムによるもの。(そのような政策を実施することで、政治が前に進まなくなる)また、逆に安倍首相の支持層からの批判も、いわゆる野党のお株を奪うような政策でも、安倍首相だからどこかでストッパーをかけるという納得感から、批判が抑えられ、現実的な政策を実施することができた。
・官僚を組み込んだ、チームとしての政権。
→第一次安倍政権では官僚よりも政治家を重視し、民主党政権では官僚を排除した。一方第二次安倍政権では官僚もチームに含め、TPP締結に代表されるように機動的に政策実現に動いた。首相という代表だけがフォーカスされがちだが、実際には政権は普通の企業と同じように、チームとして動く。そうした観点から見ると、安倍政権は、チームマネジメントとしては非常に良い結果を残していると言える。
・イデオロギー的な対立の深い争点及び、詳細な制度設計の積み残し
→政治的リアリズムに立って政権を運営したのは評価されるが、女系天皇や選択的夫婦別姓、憲法問題などは積み残されている。これらは、国民投票等の議論にすると、護憲派改憲派に分かれる等で冷静な議論が出来なくなる。他党との擦り合わせが必要である。また、社会保障政策などの詳細な制度設計もこれからであろう。
こうした点を踏まえると、野党も政権運営において、政権を担えるレベルの教訓を学ぶべきだろう。それでなければ、常に自民党一強が続く。
あと、外交問題で述べられていたが、ロシアとの交渉は、ロシア側の譲歩が出ず、不調に終わっている。考えてみると今のロシア問題も、ここに端緒があったのかもしれない。 -
【今も影響を残す史上最長政権の功罪】今も日本の政治に多大な影響力を及ぼしている「安倍政治」。キーパーソン50人以上への徹底ヒアリングで明らかになった政権の内幕。
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微妙な内容だなあ。
阿部政権は案外、冷静に評価しづらい。おそらく、理念と現実の両方を薦めた政治だったから。
なんだかんだ稀有だよね。
いろんな項目についてそれぞれの論者が語っているんだが、どの一つとっても安倍さんが自分でやってるのだ。これは案外衝撃。人かよ。
政策を推し進めるのは、選挙け勝ち続けることが絶対と認識していて、実際そうしてきた。だから、妥協もあった。
本当に、惜しむべきなのだ。
本としては、各項目の最後にまとめがあって、わかりやすい。
各論者も、そんなに偏ってないかな。
だが、モリカケとかオウンゴールとか言ってるのは違うと思うんだけど。日のないところに水煙立ててて、それに乗っかって、国益ロスしたんだよね。
反省してないんですか。 -
当事者インタビューなどを基に第2次以降の安倍政権の政策と統治を検証する。
安倍政権に賛否はあれど(個人的にも、国会軽視の姿勢などはかなり否定的)、その安定した官邸主導や柔軟な現実主義的政権運営は評価せざるを得ない。特に、TPP等のFTA推進は大きな成果だったと再認識した。
評判の悪い(個人的にもどうかとは思う)「悪夢のような民主党政権」という度重なる発言も、世論対策としての戦略的意図に基づくものだったとのことで、安倍総理のマキャベリズム的側面を感じた。
ただ、国会軽視の姿勢や「やってる感政治」の観点など、もっと負の側面の検証もあってしかるべきと思った。 -
7年8か月の長期政権となった第二次安倍政権について、アベノミクス、選挙対策、官邸主導、安保政策、通商政策、歴史問題、与党統制、女性政策、憲法問題の9つのテーマで分析。個人的に一番詳しい(はずの)アベノミクスを読むとかなり標準的な内容・評価になっているので、それぞれのテーマについて精通している人には当たり前の内容が書いてあると思われる。だが、幅広い横断的なテーマを1冊で、相応の質のものが読めるのが本書の持ち味なのだろう。
テーマが幅広いので安倍政権の取り組みとして初めて知るものもあって興味深かった。特に外交・通商関係で成果が多かったというのもあまり認識しておらず勉強になった。
長期政権の要因は幾つもあるが、安倍チームとしてコアメンバーが安倍氏を支えて官僚を上手く使いこなしたこと、時には信念を封じてでもリアリズムに徹したことが大きな点。
一方で、本書は新型コロナウイルス感染症への対応についてはほとんど言及がなく、直接的には本人の健康問題だったとは言え何故政権が終焉したかについても論じて欲しかった。 -
東2法経図・6F開架:312.1A/A27k//K
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第二次安倍政権時の各政策を、賛否とは別に冷静に検証する。当事者からのヒアリングも豊富だ。副題の「保守とリアリズム」、保守でありながらもリアリズムに基づく柔軟な対応は、特に歴史問題と女性政策で顕著だ。
序論では長期安定政権となった最も重要な理由として、政府・与党を含む求心力の強いチームと、安倍首相の政治的リアリズムの2点を挙げる。この2点は、個別政策の章でも繰り返し出てくる。
ほか、党でも政府でも人事権を使った点も見逃せない。官僚人事では、内閣人事局設置に加え、政権の長期化により強力な官邸主導が可能になった点も指摘。
選挙、世論対策では、若年層の支持の高さや、野党投票者ですら政権担当能力は自民党の方に認める点などを指摘。
実現できなかった政策である憲法改正もその過程を検証。政治文脈上では2012年憲法改正草案の「負の遺産」、公明党の躊躇、安倍政権の政治スキャンダルの3点を、より構造的な要因としては自民党議員や大半の有権者にとり優先度が高くないこと等を挙げている。 -
7年8月安倍政権の総括を期待したが、本書は「日記」
「日々の歩み」をみると、様々なテーマに取り組んだように見えるが、もう少し巨視的な歴史的評価にズームして良かったと思う。
日々のSNSと支持率を意識した長期政権が政治遺産を何も残せなかったというのは言い過ぎだろうか?
そもそも安倍政権には「歴史的Mission」の自覚・認識は無かったと思う。支持率と選挙がすべて。
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