男性中心企業の終焉 (文春新書)

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  • 文藝春秋 (2022年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784166613830

作品紹介・あらすじ

政府は2003年から、政治家や企業の経営層・管理職など
指導的立場における女性の比率を30%にする
「202030(にーまるにーまるさんまる)」という目標を掲げていたが、
2020年になってもその目標は一向に達成されず、あっさりと達成時期は
「2020年代のできるだけ早い時期に」と延期された。

ジェンダーギャップが解消するどころか、
日本企業に根強く残るのはなぜか?
なぜ他国と比較して日本の女性登用はこれほどに進まないのか。
グローバル企業を目指す中で、業界の中での生き残りをかけて、
そしてコロナ禍でのリモートワーク普及の追い風を受けて――
本気で変わり始めた日本型企業。


メルカリ、NTTコミュニケーションズ、富士通、丸紅、キリン、城崎温泉の豊岡市――。
「失われたジェンダー30年」を取り戻そうとする
奮闘と変化の過程を、自身の取材を交え、豊富な取材で描き出す。

みんなの感想まとめ

ジェンダー平等と企業の変革をテーマにした本書は、現代のビジネス環境における女性の役割について深く掘り下げています。著者は、多様なデータや自身の取材を通じて、日本企業が抱えるジェンダーギャップの現実を描...

感想・レビュー・書評

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  • 組織にいい人材を集めキープするためにも、多様な感性をもって変化の激しい時代を乗りきるためにも、間違いなく必要な女性活躍。

    本書から、女性活躍を阻む課題が3つ読み取れた。

    まずはマミートラップ現象(「特に男性同様の働き方を求められる総合職女性は、短時間勤務制度を利用しなければ出産後も際限なく仕事や残業が降ってくる。だから、半ば「自衛」のために復職後に女性社員はこの時短勤務を選択する。すると今度は職場で期待されない存在となり、重要なプロジェクト、大きな仕事から外され、結果として昇進が望めなくなっていく」現象)。この現象をなくすためには、出産・子育てを終えた女性が活躍できる魅力あるポストを提示したり柔軟な働き方を可能にすることに加え、産休・育休中の女性が仕事へのモチベーションを切らさないようケアすることも大切だな。

    長時間勤務をよしとする上司の古い考え方も変えていく必要がある。特に,働く女性のパートナー男性の職場の上司の意識改革が重要だ。

    そして根本的には、家事や子育てに関する男性側の意識改革が必要。まあ、これは個人個人の思想信条の問題だし、世代間でかなり違うだろうから、第三者があまり深く立ち入らない方がよさそうだ。

    さて、著者は本書の中で、吉野家やその元常務、総務省官僚の山田氏の「飲み会は断らない」発言などを厳しく糾弾しているが、こうした部分には読んでいて違和感を感じた。自分を絶対的な正義とし、個人の見解を徹底糾弾する著者の姿勢は、行きすぎたポリティカル・コレクトネスと同じなんじゃないだろうか。

  • ビジネスと人権の講義の中の講師の本。
    ジェンダー平等が、VUCAの中でのマネジメントスタイル、組織スタイルの更新との関係の中で語られる。わかりやすく、勉強になりそうなので、読んでみようと思う。

    アンコンシャス バイアス
    無限定性の業務の改善
    同質性リスクの課題への対応

    等、深掘りしたい

  • 多様なデータと著者の経歴が合わせて書かれているので非常に信頼感のある文章。女性活躍のためにどうしたらよいかという答えがない問いに真っ向から向き合っている。参考になったし、今後も拾い読みして自分のキャリア構築に活かしていこうと思う 。

  • 336.4ハ
    1990年に新卒入社した私は、出産で退社したけれど、子育てしながら正社員で働くことの大変さ、男性仕様の労働時間など納得できないことばかりだった。
    人生100年で細く長く仕事を続けていけたら良いのに、と思った。

  • わたしの勤める会社ではまだまだダイバーシティは口だけであり、数値目標は言い訳しながら先延ばし。
    そんな中でわたし自身は少数派の女性管理職として、肩身の狭い思いをしながら勤めている。どんなに頑張っても、男性達と同じようには働けない中で、どうやって自分のモチベーションを保てばよいのかと悩んでいたが、本書の中に、そのヒントがいくつかあったように思う。

    残念ながら、おそらく、わたし自身はこれからも超マイノリティであり、すぐには居心地はよくなることはなさそうだと悟った。
    それでも、女性管理職のひとつのケースとして私の存在や働き方を認識してもらうことが、わたしの存在意義であり、5年後、10年後の後輩たちのためになればいいなと、ひと筋の希望が見えた。

    購入して、時々読み返して自分を鼓舞したい。

    と同時に、わたしの存在は残念ながらいまの会社では「トークン」になってしまうことを自覚したので、わたしの頑張りが、罪深い前例にならないように、重々注意しなくちゃいけないなー。

  • 男女平等ね、企業だけで解決できるもんじゃないだろ笑

  • 浜田さんはジャーナリストとして信頼しているので、女性の生き方働き方に関するテーマで日本を鼓舞し続けて欲しい。D&I・DE&Iや少子化が取り上げられるようになっている(解決に向かっているとはいい難いが話題にはなっている)いま、読むにふさわしい本だと思う。
    男性中心企業は終焉すべき時期を迎えている、若い人たちは既に違う価値観を持っているが、「企業の意思決定層が50代以上の男性のみ」で彼らのリタイアを待っていては何十年かかるかわからない。問題は深刻化している。
    浜田さんはジェネレーションギャップにも注目する。昭和な男性はもとより、女性も雇用均等法前後の世代は「男性と互角に残業もいとわずバリバリ働く」が正義だったため、今の若い人のロールモデルにはなれない。自分も昭和の世代で、活躍するビジネスウーマンが独身だったり、有名大学を出た女性が主婦や事務員だったりするのを見ている、自分もその中にいる。
    クオータ制や女性管理職の割合を決めることに私は賛成。女性の中にも「いや私はバイトでいいんだけど」「管理職に興味ないし」という人もいるだろう。男女ともに好きに働けば良いが、エクイティの実現、女性が半数ではない世界には歪みがあるということに無自覚でいてはいけない。
    日本が変わるためにはより多くの人が気づき、変革しようとしなくてはならない。

  • 2022年10月に刊行された本書には、最近のジェンダーにまつわる事件の何があかんかったのかを掘り下げていて、タイムリーな一冊だなと思った。ジェンダーにまつわる本をすでに読んだことある人にとっては、特段新しい発見があるわけではないが、浜田さんが自身の半生を振り返りながら、自身のジェンダー観をアップデートさせていった軌跡を男性中心の企業文化と照らし合わせて垣間見えたのは意義があったと感じた。

  • 「ジェンダー平等」というとき、目指すべき理想が経済的な成功と読めてしまう点が気になった。

    理系女子を増やして女性も「稼げる」ようにすること、女性管理職を増やすこと、大企業で男性と遜色なく働く女性を増やすこと、を著者は「成功」と捉えているふしが垣間見られるが、女性は本当にそこを目指すべきなのだろうか?男性たちによって作られた「成功」の定義を内面化させて、そのレースで戦っていくべきなのだろうか?
    マミートラックという言葉があるが、これは産後に仕事で「重要」なポジションを任せてもらえないことを指す言葉だ。たしかに仕事を生活の中心に据えるとこれは由々しき事態だが、「マミートラック」に乗った女性は家庭ではメインのトラックを走っているのではないか。

    男性的価値観での「成功」を鵜呑みにせず、自分にとっての「成功」はなにか、女性も男性も、しっかり見つめることが大事なのではないかと思う。

  • こちら(↓)で書評を書きました。

    https://www.rinen-mg.co.jp/web-rinentokeiei/entry-5383.html

    日本企業におけるジェンダー平等推進は、なぜ遅々として進まないのか?
    その背景を、『AERA』や「Business Insider Japan」の編集長も務めたベテランジャーナリストが、綿密な取材・調査で浮き彫りにした一冊である。

    登場事例の大半は大企業であり、ジェンダー平等推進のトップランナー/優等生たちである。

    それでもなお、そこには“遅々として進まないだけの理由”があることがわかる。周回遅れの企業はもっと悲惨な状況なのだろう。

    ジェンダー平等推進をはじめとした「D&I」(ダイバーシティ&インクルージョン)推進がなぜ重要で急務であるのかも、多角的に論じられている。

    著者自身の体験も、随所で語られている。
    『AERA』副編集長時代に朝日新聞社で初めて《管理職としての出産》をしたり、同誌初の女性編集長になったりした著者の歩みそのものが、本書のテーマと重なるものなのである。

    そうした自分語りは当事者目線に結びつき、プラスに働いている。

  • テーマはいい。作者の考え方に同意しかねる部分アリ。

  • ポリタスTVで本が紹介されているのをきっかけに本を購入、読了。

    ジェンダー平等を達成しないと企業も生き残れない時代の一方で、日本はまだまだジェンダー平等意識が驚くほど変わらない国。

    本の事例も女性社員も多く入社する(管理職は少ない)大企業が多い印象。今後は、中小企業の社員や非正規雇用労働者にもさらに焦点を当てながら賃金や待遇の格差是正に取り組んでいかないといけないが、悪い方にはすぐに転がり落ちるが、良いと思われる方向には、本当に驚くほど変化が遅い国ですな。それがジェンダーギャップ指数に現れ続けている。

  • 男女共同参画と言われて久しいが、実際には男女差を感じる。成功事例が広まり、多くの企業が追随するといいなと思う。

  • ここ最近のダイバーシティについて、主に女性活躍の観点から問題提起をしている本。男女雇用機会均等法の時代から、男女の意識がどのように変わってきたかが中心。それほど目新しい発見はなかったものの、いろいろと考えるところはあった。■ただ、不満が2点。1点目は企業がダイバーシティを推進しなければならない理由がわからなかったこと。経営者が「ダイバーシティが大事だって気付いた」とか、人手不足や顧客層の拡大など経営的な目的で推進しているうちは駄目だとかの話があったけど、本当に大事なのは何?(人権とか?)というのがわからなかった(自明すぎて論じるまでもないということ?)。■2点目は、現実的に女性の参画が難しいような業務について、どのように解決したかの具体例がないこと。「○○のような仕事では無理だと思われていた。でも経営者がダイバーシティについて何度も説くことで女性比率が増えた」みたいな話があちこちに見られ、「結局、朝日新聞社という大手様は経営者としか話をしないんだな」と思えてならなかった。■大きな流れや課題を知るにはいいけど、解決に向けての道筋が見えなかったのが残念。

  • 背ラベル:336.4-ハ

  • 女性が働くための制度がどのように整えられてきたかの歴史を実体験と共に振り返る内容になっていた。男女雇用均等法の第1世代の彼女たちがもがきながら働いてきたこと、そしてその懸命な努力が後に続く世代への重圧になったこと。他国では男性の家庭進出が先だったが日本では女性の社会進出が先んじたため、女性には仕事も家庭もと詰め込まれ仕事のやりがいは剥奪される形態が出来上がってしまったことなど、こうやって体系的に整理してあるとかなり分かりやすかった。

  • 比較的若い世代の自分からすると、普通のことを普通に書いている本。

  • D&Iの観点から多くの取材を重ね、かつ自身の経験も踏まえた報告書。問題発言をした政治家の森某や元吉野家常務に関する記述には全く忖度がない鋭い切れ味。通常取材(インタビューなど)の書籍化に見られる「広く浅い」だけでなく、「論理的」さらに「深み」も兼ね備えている秀逸な作品である。一流のジャーナリストの作品である。就活中の女子大生にお勧めしたい一書。

  • 筆者自身の体験、視点からマミートラック問題、男性社員の育休問題について書かれた本。
    女性活躍に成功している企業の成功の理由が明記されていて、勉強になった。
    自社の経営層、管理職、全社員に読んで欲しい一冊だと感じた。
    とても良い刺激を受けた。自分自身が変化したと思う影響力を持った本です。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。1989年に朝日新聞社に入社。2014年からAERA編集長。2017年世界12カ国で展開するアメリカの経済オンラインメディアBusiness Insiderの日本版を統括編集長として立ち上げる。2020年からフリーランスのジャーナリストに。2022年8月に一般社団法人デジタル・ジャーナリスト育成機構を設立、代表を務める。「羽鳥慎一モーニングショー」「サンデーモーニング」のコメンテーターを務めるほか、ダイバーシティや働き方などについての講演多数。著書に『働く女子と罪悪感』(集英社)、『男性中心企業の終焉』(文春新書)。

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