第三の大国 インドの思考 激突する「一帯一路」と「インド太平洋」 (文春新書)
- 文藝春秋 (2023年3月17日発売)
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感想 : 35件
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784166614011
作品紹介・あらすじ
〝ポストGゼロ〟〝ポスト米中対立〟の「新グレートゲーム」のキープレーヤーとなるのはインド――。
すでに14億人を超え2023年中に中国を抜いて人口世界第1位に躍り出るとされ、軍事費では世界第3位、きたる2047年に建国100年を迎えるインド。「米中に次ぐ第三の大国」は、伝統的非同盟を堅持しつつ米中に対して自ら独立した〝極〟となる戦略的自立で存在感を増している。
ウクライナ侵攻をめぐる国連安保理でのロシア非難決議案採決を棄権、各国による経済制裁のさなかにもロシアから石油を爆買いするインド。普通なら風当たりが強くなりそうなものだが、実際に起きたのは独自の立場を貫くインドへの主要国トップによる〝モディ詣で〟だった。
貿易協定、サプライチェーン、エネルギー、半導体、インフラ整備、感染症対策……。米中を軸とした覇権争いはあらゆる分野で激しさを増し、南アジアからヨーロッパにかけて世界各地で「一帯一路」対「自由で開かれたインド太平洋」の二大経済圏構想が激突している。そのキープレイヤーであるインドは、中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に当初から加盟しながら、安全保障上はクアッド(日米豪印戦略対話)の枠組みにあるなど独自の論理で何を考え、どこへ向かうのか。インドが分かれば、世界が分かる!
みんなの感想まとめ
インドの国際的な役割とその戦略的自立について深く掘り下げた内容が展開されています。特に、インドが「一帯一路」と「インド太平洋」構想の交差点でどのように立ち回るか、またその背景には中国との摩擦やロシアと...
感想・レビュー・書評
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内容としてはインドと中国が半々といったところ。
世界的にプレゼンスが増すインドの過去と現在、そして建国100周年での先進国入りを目指す今後25年のビジョンが書かれている。
独立後のインドの歩みには、「債権帝国主義」中国との摩擦、ロシアとの長きにわたる関係性、アメリカとの協調などが複雑に絡み合っていることが知れた。
・一帯一路に対するインド太平洋構想
・クアッド
・中東、南アジア諸国との経済的連携
・中国・パキスタンに対抗する為のロシア関係
・米日との協調
複雑に絡み合う各国の思惑を、実利によって判断し、今後100年のグレート・ゲームを制そうとするインドを注視したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第三の大国 インドの思考 激突する「一帯一路」と「インド太平洋」
著:笠井 亮平
文春新書 1401
不思議な国、インドを紹介する書です。読んで、すっきりしました。
宿題
なぜ、インドはロシアのウクライナ侵攻に対して、棄権したのか
そして、その後、インドは、ロシアの液化天然ガスを積極的に購入しているのか
事実
インドの最大の仮想敵国は、隣国パキスタンだ。パキスタンが核武装したので、インドも核武装した
回答
インドがロシアと敵対すると、パキスタンがインドに攻め込んできたとき、ロシアの協力が得られなくなるから
キッシンジャーが対中電撃和平に及んだあと、世界のパワーバランスが崩れた
インドは、パキスタン=米国、中国=米国 にて、米国をバックとしたパキスタンに封じ込められてしまう
そのために、ソ連を巻き込んで、地政学的に、パキスタンと対峙した。
以来、インド=ロシアは、事実上の軍事同盟を締結しているのである
各国事情
インド
全方位外交:特定の国とだけ仲良くはしないという外交原則
南アジアの大国から、世界五位の超大国へ
伝統的に大陸国家だったが、近年インド洋におけるシーパワーを意識している
フレネミー:エネミー(敵国)でもあり、フレンド(友好国)でもある
インドは単純な二分論をとってはいない
太平洋=インド洋、クアッド、印米日豪の4カ国で、航行の安全保障を目指す
対中国
チベット問題、中印国境策定、いまだにちゃんとした国境策定は行われていない
敵でも味方でもある、一帯一路にインドは対抗しているが、最大の貿易国の1つでもある
対して、インドは、革新的利益、中央アジア、アフガニスタン、イランに伸びる交通路は中国とぶつかっている
対ロシア
パキスタンに対する、軍事的抑止、加えて、インドのエネルギー政策の一端を担う
対アメリカ
インドの核を容認、そのかわりに、巨大インド市場に、アメリカも参入しようとしている
インドの協力なしに、インド洋でのプレゼンスは得られない
対日本
アクト・イースト政策というアジア重視外交の1つ
日本からの2つの海という外交・経済原則に賛同している
印度北東部の経済的効果、インパール作戦の舞台
戦略的パートナーシップ
目次
まえがき
序章 ウクライナ侵攻でインドが与えた衝撃
第1章 複雑な隣人 インドと中国
第2章 増殖する「一帯一路」―中国のユーラシア戦略
第3章 「自由で開かれたインド太平洋」をめぐる日米印の合従連衡
第4章 南アジアでしのぎを削るインドと中国
第5章 海洋、ワクチン開発、そして半導体―日米豪印の対抗策
第6章 ロシアをめぐる駆け引き―接近するインド、反発する米欧、静かに動く中国
あとがき インドと中国が争う新時代の国際秩序形成
主要参考文献
ISBN:9784166614011
出版社:文藝春秋
判型:新書
ページ数:272ページ
定価:1000円(本体)
2023年03月20日第1刷発行 -
本書は、インドの国内外の事情を中心に書かれたものかと思い読み始めたが、全編のほとんどがインドと中国の鍔迫り合いについて書かれたもので、インド独自の国内外事情の記載はわずかであった。
インド国内外事情について興味があったので、本書の内容は自分の想定外であったが、世界のどの位置においても世界の中心がアメリカから中国に移りつつあることが改めて理解できた。
本書の内容については、巷でいわれていることの焼き直しで目新しい話はあまり見受けられなかった。 -
20240210-0217 本書は序章で2022年2月25日にのロシアによるウクライナ侵攻に対して国連安保理がロシア非難決議をインドが棄権したという事実について、なぜインドが棄権したのか、ということを解き明かし終章でもロシアを巡る駆け引きについて見解を述べている。「インドの~」と言いながら半分くらいは中国の一帯一路構想についての解説とそれに対する日米欧の反応、そしてインド、という感じ。とはいえインドについての基本的現状は一通りはわかると思う。文章が読みやすいのでサクサク読めた。本書を足掛かりにインドについての解説本を読むとよいかと思う。
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インドと中国の外交を主軸に書かれた本。
1000円するが内容は盛り沢山。
ただ、「だから何?」「それによってどのような未来をあなたは予想してるの?」と言いたくなるような事柄の列挙が気になる。
あと、コラム1,2,4,6は参考になった。 -
あまり低評価はつけませんが2に近い3です。
事実を並べてインドについて書かれてあるものの、著者の分析や意見が全体を通して少なすぎました。
そのせいか読み終わった後に何の印象も残らなかったです。 -
書名からの予想と異なり、独立後インドの外交史の他は、日米中に南アジア諸国といった関係国の動きの方が多い。第二章は丸々一帯一路を扱い、第三章は日本のFOIPイニシアチブにIPEF、更には英仏独のインド太平洋の関心まで。薄く広くという感じで、それだけに読みやすい。
パキスタンはともかく、他の南アジア諸国で中国の影響力が急速に強まることへのインドの警戒感を指摘。ただ、日米豪との連携はするにせよ、副題ほど「激突」との印象は本書からは受けない。IPEFへの対応を含め、是々非々の姿勢でもある。また、ウクライナ侵攻後でもインドの実利優先の姿勢を本書で説明。 -
研究者の方が書いたインドの外交について解説した本。盛りだくさんな内容だが、やや専門的。
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インド、中国、日米の現在の軍事・政治・経済・社会などの構造を中心的に解説したもの。
インドの実態はほとんど日本人は知らない。しかし、世界最大の人口と経済の急成長がプレゼンスを強めている。どの国とも強く結びつかないという外交的原則も日本ではしられていない。
字の読めない人が25%近く現在でも居るとか貧富の格差が大きいなど多数の問題も存在する。
中国、インドという巨大な国が急速に経済や軍事そして外交力を高めている。その内容を深く知らねばならない。 -
世界は米中の綱引きに目を奪われがちだが地図を広げればインド亜大陸が要衝として横たわる。海と大陸を結ぶ結節点に立つ国家の視座を描く。インド洋の制海、ヒマラヤを挟む中国との緊張、ロシアとの伝統的関係。その選択は常に地政学に根差す。
非同盟は理想ではなく生存戦略だ。多極化する世界で主導権を失わぬための計算がある。インドを読むことは力の配置図を読み替えること。第三の大国は世界秩序の重心を動かしている。 -
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世界経済を牽引する国に
人口世界一
インド太平洋構想
安倍総理のインド向けの演説
ベンガル湾アンダマンニコバル諸島、
アラビア海オマーン
チャーバハール
グワーダル
カラチ
中国との国境問題
パキスタンー中国交通網
一路一帯への対応
インパールの戦いも忘れずに -
中国の一帯一路が目指すところと思惑、対するインドの南アジアから国際社会、グローバルサウスの代弁者として存在感を増そうと画策するインドの動きと本音を解説。そこに日米やロシアとの関係やそれぞれの思惑も絡めて、インドの複雑かつ戦略的な立ち位置や行動原理が見えてくる。独立75周年からの25年をアムリト・カールとして100周年に向けたロードマップを示していること、2023年がG20議長国であったことも含めていかに重要であったかがわかった。
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新聞記者程度か
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「インドの思考」と題しているが、中国(含む一帯一路)に関する内容も多く、もっとインドのことについて理解することが出来ると思っていた。一方で、中国との関係性や日米との関わり方などの独自ポジションを築いていることを理解できた。
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桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1321099 -
今現在インドとビジネスをやっているが、一緒に良いものを作り上げようという熱意が感じられず、ひたすら良い条件を引き出そうと取引してくるインドとは、正直付き合わないほうがよいと思う。
実務で毎日ため息ばかりついているインドとのプロジェクトに関わっている身からすると、インドと仲良くするメリットを感じられない。
それもそのはず。
インドは外交上も明確に仲間を作らず、その時々に応じて最も自国にとって利益が大きいほうを選んできた。
本書の結論では、中国の台頭を抑えるためにはインドが重要な国になると予想している。
それはそうなんだろうけど、インドと仲良しになるのは別の国に任せられないかね。
ぶっちゃけ、インド人より中国人のほうが話が分かると思う。 -
インド抜きにはもはやビジネスは語れませんからね。
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インドよりも中国の記述の方が多いのでは?
ウクライナ侵攻に対するロシアに対し、非難しない態度で世界に衝撃を与えたインドへのなぜ?どうして?への答は無かった。
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一帯一路からユーラシアへのプレゼンスを企図する中国の記述も多いのは、「大国」インドにとって地政学上、切り離せない存在ゆえ。エネルギー戦略上、戦争中のロシアとの外交関係も必須で、すなわち膨大な人口を擁する国が更に発展しようとすれば、世界情勢と無縁ではいられず、互いに影響を及ぼす。古来から大文明の一端を担い、数世紀の長い被支配を経て、21世紀漸く地球上の重要プレーヤーとして戻ってきたインド。本書はその存在を俯瞰しており、必ずしも国情に特化した内容ではない点は留意。
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