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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784166614318
作品紹介・あらすじ
【2024年2月3日 朝日新聞書評欄掲載で話題沸騰!】
「ホモ・サピエンスの誕生からコロナ以後の文明観の変化まで、人類700万年の教養史を俯瞰した書」
「とにかくわかりやすく、人間を動かす心理がどのように学問に結実していくかを図らずも示してくれる」
(評者・保阪正康氏)
本書では、ヒトという種が現在のチンパンジーやボノボなどと共通の祖先から枝分かれした約700万年前から現在に至るまでの歩みを辿りながら、私たち人類が一体この地球に何を残してきたのか、何を考え、何を信じ、何をしてきたのかを振り返る。
壮大な旅を手助けしてくれるのは、古今東西の〝知の巨人〟たちだ。国内からは内藤湖南、津田左右吉にはじまり、梅棹忠夫、中村元、丸山真男、松田壽男、見田宗介、柄谷行人、山極寿一、斎藤幸平。海外からはJ・S・ミル、マルクス・エンゲルスにはじまり、カミュ、エリアーデ、チョムスキー、ジュリアン・ジェインズ、W・J・オング、ユヴァル・ノア・ハラリ……。
彼らの著作のエッセンスに触れつつ、人類が生み出してきた〝知の全体像〟を俯瞰する。
短期大学で16年にわたり教養の講義を続けてきた筆者による「教養入門書」。
●目次
序章 知の巨人たちの求めたもの
~立花隆、司馬遼太郎、井筒俊彦、松本清張らの知的遺産~
第一章 人類の進化と心のルーツ
第二章 神話・宗教・文明の誕生
第三章 精神の革命――枢軸時代・哲学の発生
第四章 人類史の構造をとらえる試み
第五章 東アジア世界から見た日本の文化
第六章 東洋哲学の可能性――「無」と「空」と親鸞
第七章 現代史との対話――明治維新と戦後日本
第八章 人類史と二十一世紀の危機
第九章 人間性の回復へ――文学・芸術の役割
みんなの感想まとめ
人類の進化と文化の歴史を辿りながら、教養の重要性を考察する一冊です。著者は、古今東西の知の巨人たちの思想を通じて、私たちが何を考え、どのように生きてきたのかを明らかにします。特に、教養が人間性や社会に...
感想・レビュー・書評
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知の探求とは何か?それは何の役に立つのか?
それを読者に考えてもらおうと、材料を提供してくれる書なのかと思いながら読み進めた。
知の欲求に囚われたような巨人がいる。
身近な人として、立花隆、司馬遼太郎、井筒俊彦、松本清張が紹介されているが、古くはBC500年、あるいはBC800年からBC200年頃、中国、インド、ペルシア、パレスチナ、ギリシアにおいて、時を同じくして偉大な思想家による現代にも通じる思想が生まれた。これを枢軸時代と名付けている。
人類の進化を動物と比較しながら、いかにヒトとは特別な存在なのかを表し、そのヒトは宗教・哲学・芸術、そして科学を生み出してきたと話しを進める。
しかしだ、文明の発展は地球を破壊し、勝ち組と言われている新自由主義は、人間性や公平性に挑戦していると展開し、暗い気持ちにさせられる。
ただ我々は、教養を身につけることで矛盾を解決できる、と述べていると理解した。
J.Sミルは、教養を学ぶことによって、「期待を決して裏切ることのない利害を超越した報酬」が得られる、と言う。その「報酬」の中身とは、我々が人生を生きていく中で、心惹かれ、もっと知りたいと思うことが、より深く、よりバラエティー豊かなものとなることだと言う。
そしてそれは、人生を十倍も価値あるものにし、しかも生涯を終えるまで持ち続けることのできる価値である。
単に個人的な関心事は年を経るに従ってその価値は減少していくが、この価値は減少することがないばかりか、増大してやまないもだ、とも言う。
今世紀の教養として
一人ひとりの人生にとって、家族や友人たちなど現実の存在が生きがいになってくれることは言うまでもない。そうした個人の一回かぎりの体験や思い出を普遍化し、時や空間を超えて離れた人々とも共通の思い出として表現化されたものが文学であり、歴史であり、芸術であり、宗教なのだろう。これを味わうことによって個人の体験やその思いが多くの人にも共有され、追体験される。これは人間にそれだけのイマジネーションがあるからだ。私たち一人ひとりの人生にとって、そうしたものはどうしても必要なものなのだ。
とある。共感できた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大きくは歴史の観点で過去の偉人や知識人らの思考をさらっと辿る本。それぞれ名が知れた著名人ではあるものの、どういう社会的文脈の中で何に影響を受けてどんな言葉を残したかが知れるため、今後読んでみたい本の目星をつけるのにとてもよかった。
J.Sミルの“the deeper and more varied interest you will feel in life” は真理をついた言葉だなと感じた。 -
古代日本史の研究者による、短期大学における一般教養授業の講義をまとめたもの。
ほどよくわかりやすく、最初の一冊としていいと思う。
教養を前面に押し出したものではないが、本書に興味を抱いた方に、よりとっつきやすい書籍として『冒険の書』などが合うかもしれない。 -
サピエンス全史をさらに読みやすくしたような内容。
他の方も言及されている通り読書についての入り口としては最適と思います。 -
人は古来から自らに問いを投げかけてきた。「私とは何か」「世界はいかにあるべきか」。これらの問いは哲学者だけでなく詩人や宗教家、科学者たちによっても考えられてきた。東西の知恵、古代から現代までの思考が交差し私たちが今抱く疑問がすでに歴史の中で問われてきたことを教えてくれる。問いを重ねることで私たちもまたその連なりの一部となる。過去の思索に触れることで私たちの内なる問いもより深まる。問い続ける姿こそが人間らしさの証なのだろう。
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著者は日本古代史が専門。人類の進化、神話・宗教・文明の誕生、精神革命、人類史の構造、現代史といったテーマを概観している。
司馬遼太郎は太平洋戦争中に兵役につき、なぜ日本がこのような戦争を起こしてしまったのか、国民の生命を軽視する陸軍がどうして生まれたのかという疑問に答えるために、終生学び続けた。
神話は、この世界がいかにして生まれたのか、我々人間がこの世界でいかに生きて行くべきかを教えてくれるもの。神話の役割は哲学が引き継ぎ、文学、絵画、彫刻、音楽など、あらゆる芸術作品のイメージの源泉になっていった(野田又夫「哲学の三つの伝統」)。
柄谷行人の交換様式論
交換様式A:贈与とお返しの互酬の関係。人々が定住するようになって始まった。権力や富の集中を抑止する働きがある。封建制の君主と騎士の間の主従関係も含まれる。
交換様式B:国家による支配と保護。国民は国家に税を払い、国家は国民に安全を保障する。
交換様式C:商品交換。相互の合意に基づく。交換様式Bと同じ時期に始まった。
交換様式D:交換様式Aが、生産物の共有という平等主義と個人の自由独立性という概念を持って、高次元で回帰したもの。キリスト教や仏教や諸子百家といった普遍宗教。社会主義。将来の世界共和国。
日本は亜周辺という性格を保ち続けたことによって、交換様式Bは強くならず、鎌倉時代には、互酬的な武家の主従関係が成立した(交換様式A)。中央集権的な信長・秀吉の政権は、西洋の絶対王政に近かった(交換様式B)。江戸時代は、16世紀に開かれた世界市場(交換様式C)の浸透を抑えようと努めたが、それができず、明治維新後の急速な産業資本主義的発展に繋がった。
インドのヨーガ、大乗仏教の止観、禅仏教の座禅、老荘思想の坐忘、宋代儒教の静坐、イスラムの唱名(ジクル)は、いずれも目を閉じ、集中して心を静め、無心になるという点でおよそ共通する。意識の深層領域に潜む特異な認知能力を解放し、そこに自己の真相を探ろうとすることにところに特徴がある(井筒俊彦「意味の深みへ」)
1980年代に導入された富裕層への低税率政策を検討したところ、国民の半数を占める労働者階級の所得の伸びはほぼ0%だったのに対し、富裕層の所得は大幅に増えており、トリクルダウンの効果がほとんどなかったことが実証された(ガブリエル・ズックマン「不安に克つ思考 賢人たちの処方箋」)
宇沢弘文が提示した社会的共通資本の考えをもとに、これをいわば更新したものが、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート、斎藤浩平らの掲げるコモンズの概念。水や電力、住居、医療、教育といったものを公共財として自分たちで民主主義的に管理することを目指す。 -
人類史というか、古今東西の知の巨人達の思考を通して、人類の歴史をざっくりとまとめた感じの一冊。
内容の良し悪しではなくて、ちょっとタイトルと中身が噛み合ってない様な気がした。 -
2024/5/12
イントロが面白そうだったので読んでみると、長い前振り…本論はまだかなと思ってるうちに近代に。
「教養としての」人類史だっけ?とタイトルを見直したくらいに人類全体の通史という感じ。
ところどころ濃密な部分が著者が伝えたい部分なのかもしれないけれど、新書一冊では仕方がないかなという急ぎ足。
自分自身の事や相手だけ、モノだけでない「共同注意」の重要性にはなるほどという印象。
人類は決して順調に歩んできたわけではないことも明治維新から現代までの日本の事例と共に記されているが、世界全体では中世の希薄感が印象に強く残る。
教養の一つとして宗教も挙げられているが、著者が最後の部分で少し問題提起しているように、宗教は様々な負の部分を含めて現代まで引き継がれているともいえる。
もちろん歴史の中での宗教の位置付けは無視できないけれど、自然科学で事実によって誤りが否定・修正されてきたような作業が、宗教では必ずしもきちんと行われていないことも再認識しないと。
最後ではグローバリゼーションの名の下での経済による悪影響にも懸念が示されているが、経済発展のためという名目で人々の分断と共に貧富差が拡大、一部に富が集中していく現実に、中世で人々を救うという建前のもとで聖職者が特権を握り腐敗していった様が重なる。
宗教による中世の停滞や閉塞感が、経済の暴走によって再来しないことを願う。 -
女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000068870
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/803355 -
タイトルから「教養」について語っている本かと思ったが、「人類史」の方を語っている分量の方が多かった。教養としての人類史というところ。歴史についてこのぐらいのことは知っておけよ、という意味での教養か。
特に新しい知見を得たりはしなかったし、厳密な意味で正しいかというと微妙な書き方の部分も多かったが、歴史を大掴みにするにはちょうど良く、大学の一般教養で教える内容としては十分なのではないかと思った。 -
短大の教養科目の書籍化で、専門バカにならぬように横断的な知を身に着けることを目的とする内容。その重要性については同意するが、ざっと読んだところでは、女性天皇と女系天皇を混同していたり、心身二元論の説明が間違っているように思えた。専門家がチェックしたらもっと間違いがあるのかもしれない。この辺が「知的ゼネラリスト」の弱点ではあるのだろうが。
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教養としての哲学史、人類史です。
面白い。 -
読みやすかった。
次にどんな話題の本を読みたいかを考えるのにもってこいでした -
自分をメタに、つまり今在る周囲からではなく、世界から人間の1人として見つめると、自分の"病み"もどうでもよくなるし、客観的なものになり、なすべきことが見えてくる(気がします
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人類誕生から現代までを空から眺めるように書いている。
面白かった。
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