- 文藝春秋 (2024年2月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166614448
作品紹介・あらすじ
櫻井よしこ氏絶賛!
「国益の前に立ちはだかる勢力と果敢に闘った、あっぱれな外交官の血風録」
かつて毛沢東は「政権は銃口から生まれる」との名言を残した。
中国共産党は「力」の信奉者であり、「民主」「平和」といった理念は通じない。
とりわけ習近平政権では、外交にかかわる党幹部が公式の席で日本を含む西側陣営を罵倒、攻撃することが常態化している。ときには軍事力をちらつかせて他国をおおっぴらに恫喝することさえある。
それに対して、日本政府は何ら手を打てずにいた。いわゆる「チャイナスクール」と呼ばれる親中派外交官らは、逆に中国におもねるような行動をしていたほどだ。
だが、2023年までオーストラリア大使を務めた山上信吾氏は、中国からの恫喝に敢然と立ち向かった。
オーストラリアといえば、もともと親中派政権が続き、中国との経済的結びつきも強かった。ところが2020年に新型コロナ発生源の調査をオーストラリア政府が求めたところ、中国側の態度は一変。ワインや牛肉、石炭などあらゆる豪州産品に制裁関税をかけ、中国市場から締め出したのだ。一方で、中国はオーストラリア国内で活発な情報工作活動を展開。オーストラリア政府を屈服させて、中国に隷属させようという作戦を繰り広げていた。
そうした中、山上大使は日米豪を結束させ、中国に対抗する安全保障枠組み(クアッド・日米豪印戦略対話)のために奔走する。
山上大使の活動は、中国から見ればまさに目の上のタンコブ。中国は山上大使にありとあらゆる攻撃を仕掛ける。発言の揚げ足取りや人格攻撃、いわゆる「歴史カード」を持ち出した牽制、さらには親中派ジャーナリストを使ってのネガティブキャンペーン……。
従来の日本の外交官なら、びびって萎縮してしまったかもしれない。
だが、山上大使は売られたケンカには「倍返し」で応じる。反撃の方針は、「冷静かつ客観的な視点からの反論で、オーストラリアの一般国民を味方につける」「相手(中国)と同じレベルの土俵には乗らない」。
どんな嫌がらせをされても屈しない剛毅な姿勢は次第に評価され、オーストラリア政府内に共感が広がっていく。
最後に、「国際社会で通用する人間であるために、どんな心がけをしておくべきか?」をわかりやすく提示してくれる。
政府だけでなく、民間レベルでも中国による圧力や恫喝にたじろいでしまう日本人が多い中、中国に負けないためのお手本ともいえる作品である。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
外交官に求められる資質や役割について深く考察し、中国の「戦狼外交」に対抗するための具体的な方策を示しています。著者はオーストラリア大使としての経験を通じて、事なかれ主義に陥らず、積極的に日本の立場を主...
感想・レビュー・書評
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台湾有事を巡る高市発言以降、中国が執拗な宣伝戦を繰り広げているので参考に読んでみた。中国が対外宣伝でどのように動き、日本としての対抗手段を知るケーススタディとして参考になる。シドニー駐在経験者に聞いたが、著者はたしかに破天荒な行動派外交官としてオーストラリアでは有名だったらしい。行動しない外務省幹部を名指しで批判するあたりも官僚の本らしくない。
改めて中国は習近平の長期政権下で、自国のソフトパワーを毀損することを続けているように感じる。全体主義の宿痾なのかもしれないが、優秀な人材が多いだけに不思議というかもったいない。アジア、世界のためにもならない。もちろん日本は何もしなければ国力が低下して悠長なことは言えないので、米中間の戦略は明確にする必要がある。落ち着いたら、元中国大使の垂秀夫さんの本も読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者山上信吾氏の2020年12月から2年4ヶ月間の駐豪大使としての奮闘の記録。
事なかれ主義に陥ることなく、特に中国の脅威に日豪で連携して対応すべく、現地マスコミ、政界に積極的に露出、交流し、我が国の主張を浸透させ、地位を高めた功績を自負をもって語る。
親中派、媚中派は我が国に限らず、豪州にも他国にも存在するし、本国外務省の腰の据わらなさは甚だしい。
著者が繰り返し、思考停止、怯惰を指摘する所以だ。
規律の弛緩と錬度の低下、国家を背負う官僚としての意識の低下、狭隘な視野なども指摘されているが、他省庁を含む官僚全体に当てはまらないだろうか。
中国の浸透力、影響力は侮れないが、昨今の戦狼外交に見られるように決して外交上手ではない。
外務省若手の士気向上には待遇改善も大切だが、外交官としてのやり甲斐の方が遥かにもっと深く大切だと著者は説く。
本邦外交当局の使命感、士気の向上を期待したい。 -
外交官の真の仕事はなんぞや。
外交官に求められる資質はなんぞや。
その答えが新書一冊に詰まっている。
そして、中国の「戦狼外交」への処方箋も
答えが分かってるんだから、実践しろよ、外務省!!
山上信吾の作品
