- 文藝春秋 (2024年4月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166614523
作品紹介・あらすじ
【数々のメディアで活躍中! 中国経済の第一人者による決定版】
中国の不動産バブル崩壊が幕を開けた。
それは貨幣的な現象に留まらず、金融、行政、政治システムへと飛び火し、やがては共産党統治体制をひっくり返す要因にもなり得る――。
バブル形成から崩壊まで、複雑怪奇な構造をどこよりも分かりやすく読み解く。
【不動産から見える中国社会の歪み】
●主要大都市の不動産価格が大きく下落
●開発途上の不動産プロジェクトが次々とゴーストタウンに
●中国政府が不動産開発を熱心に進めた理由
●共産党幹部とデベロッパーが熱中したマネーゲーム
●別荘にプライベートジェット……賄賂を使って贅沢三昧
●地方政府が財政危機に陥れば、年金難民が発生する
●海外へと脱出する中国人が急増
●賃貸市場を敬遠し、マイホームを重視
●「見栄を張る」ことをやめられない中国人
●統制か自由化か、岐路に立つ習近平政権
【目次】
はじめに 不動産バブル崩壊の幕開け
第1章 中国の不動産で何が起きているのか
第2章 土地の公有制と戸籍管理制度
第3章 地方政府と都市再開発
第4章 「失われた30年」への道
第5章 絶望する若者たち
第6章 貯蓄・消費・投資の特殊性
第7章 マネーゲームと金融危機
第8章 イデオロギーの呪縛
第9章 コロナ禍が遺したもの
第10章 習近平政権の正念場
終章 チャイナ・リスクに備えよ
みんなの感想まとめ
不動産バブルの崩壊を通じて、中国社会の制度的歪みやイデオロギーの影響を深く掘り下げた作品です。著者は、バブルの原因としてシャドーバンクや融資平台の存在を指摘し、これらが中国経済に与えるリスクを明確に示...
感想・レビュー・書評
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中国不動産バブル
著:柯隆
文春新書 1452
本書は、中華人民共和国の建国にさかのぼって、中国不動産バブルを論じる書である
中国の不動産バブルの形成と崩壊は、中国社会に内在する制度的な歪みによるものである
2021年中国大手不動産デベロッパである、恒大集団が、負債総額48兆円、13兆円の債務超過にて、米連邦破産法15条の適用にて破綻した
中国14億人の人口を有して、土地資源が不足しており、不動産神話が破綻することは全体ないと信じられていた。
崩壊のきっかけは2つ
①習首席の「家は住むためのものであり、投機の対象ではない」という発言
②コロナ禍
1978 改革・開放政策 計画経済の破綻により、鄧小平は、段階的に経済の自由化を進める路線を選んだ
土地とは、国が所有するものであり、不動産開発を進めるためには、定期借地権という概念を持ち込んだ
中国経済、高度成長のピークは、2008年北京オンピック、2010の上海万博のころと思われている
2001 WTO加盟を機に、外資が中国に進出
2023.09 中国国家統計局副局長の賀鏗の発言、中国不動産市場は、供給過剰の問題が深刻でいま売りに出されている住宅は14億人が入居してもなお余るという失言からであった
バブルが崩壊して、多くの個人がローンの返済が難しくなっても、家を売って損きりすることすらできない。
地方政府が定めた価格以下では販売もできず、差し押さえられて競売にだされてしまうのだ
鄧小平の白猫だろうが、黒猫だろうが、ねずみをとる猫はよい猫だというたとえで、中国は、経済成長を実現できれば、社会主義だろうが、資本主義だろうがかまわないという方向転換をおこなった。
それは、毛沢東がめざした、苦しみに耐えて質素な生活をするという路線から決別であった
不動産バブルのもとになったのは、土地の定期借地権の価格を地方政府が決めていいという所から始まった。
疲弊していた地方政府の財政を補填すべき土地の価格政策は、腐敗と土地の高騰につながっていく
地方政府、デベロッパ、シャドーバンクが、土地の価格と吊り上げ、やがてバブルとなっていく
住宅を販売するには、
①高い土地代に利益を上乗せして、さらに高い価格で販売する
②上物である建物を手抜き工事をして販売をする しかなかった
中国では、賃貸は普及しておらず、法整備も進んでいないことから、不動産を所有するという習慣が根付いている。
若者が結婚のために、住宅を買うことは難しくなっていく、親から頭金を借りることができるものはともかく、住宅を買えないものは、結婚すらできなくなっていく
コロナでは、強制的に施設に隔離したり、強制的に移住させられたりした。労働市場を提供していた中小企業の倒産が進み、さらなる失業がすすんだ。また、防護服をきた役人たちが24時間監視するなど中国社会は大きな混乱に見舞われた
この結果、中国の訪日旅行者は、他の国の旅行者数が回復したにもかわらず、回復していない
また、コロナ以後は、海外へ移住しようとする中国人が多く、知識層などが海外へ流出している状況である
選挙による選択や、政策の自助努力がはたらかない。それは、共産党一党独占の政治体制の中でだれも上層部の意見に進言することはないからだ。だから、若者は絶望し、アイデンティティが失われていく。
<中国最高指導者>
毛沢東 1945~1976
華国鋒 1976~1978
鄧小平 1978~1989
江沢民 1989~2002
胡錦濤 2002~2012
習近平 2012~
目次
はじめに 不動産バブル崩壊の幕開き
第1章 中国の不動産で何が起きているのか
第2章 土地の公有制と戸籍管理制度
第3章 地方政府と都市再開発
第4章 「失われた30年」への道
第5章 絶望する若者たち
第6章 貯蓄・消費・投資の特殊性
第7章 マネーゲームと金融危機
第8章 イデオロギーの呪縛
第9章 コロナ禍が遺したもの
第10章 習近平政権の正念場
終章 チャイナ・リスクに備えよ
あとがき
主要参考文献
ISBN:9784166614523
出版社:文藝春秋
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:1000円(本体)
2024年04月20日第1刷発行詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不動産バブルが中心だがイデオロギー、コロナ禍、投資一般、腐敗、格差、人材の海外流出など幅広い。バブル崩壊を中心に専ら中国の多方面でのリスクを強調。著者の主張を否定はしないが、現在の中国はリスク一辺倒か、より複雑なのではないかとの疑問は持った。
中国の不動産バブルと崩壊は「中国社会に内在する制度的歪みによるもの」「不完全な市場経済によってもたらされたマネーゲームが発端」「共産党一党独裁の社会主義体制と市場経済の不釣り合いが引き起こしたもの」とあるが、体制が異なる日本でも起きていたのはどう考えればよいのか。
他方、土地使用権払い下げがあるためバブル崩壊は地方政府にも影響、との点は確かに日本とは異なる。また、民主主義でも完全な市場経済でもないからこそ政府介入によるバブル崩壊の統制は可能ではないかと漠然と思っていたが、著者はそれが故に救済プライオリティが不透明、多くの利益集団がいて複雑、と述べている。 -
中国では土地はすべて国のもの。
中国の不動産業は、建設業のほか、建材や家具を含めてGDPの3割を占めると言われている。
バブルの原因はシャドーバンクと融資平台のせい。
シャドーバンク=金融機関のバランスシートに計上されないオフバランス取引。
融資平台=地方政府設立の投資会社 -
ふむ
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【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/573400 -
不動産バブルを軸に、中国社会に内在する制度的歪みを明らかにすると共に中国のイデオロギーまで踏み込んだ大胆な提言が示された。
定期借地権を利用した経済発展路線に中国人が持つ特性と慣習が生んだバブルの破綻タイミングと同期したコロナ禍に至る歴史を、中国人の目線で解説されており、中国(人)を正しく理解することもできた。 -
地方政府の借金が爆弾
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著者の中国の見識は深いと思う
民族 特有の性質をよく見抜いており 伝えるのも上手である
中国という国の事情にもよるが全体が国有地である そのため 私有はない 国から借りているということになる
使用権が設定されており それは 建ててから減っていくようになり 中途で不動産購入した人は転売された期間も引いて 使用権が与えられる また 支払いについて完成した日から契約が発生するのではなく 建築中から支払いが生じるようだ
コロナ前には 資産家が複数購入 転売して儲けることもできたが コロナ以降はバブルがはじけた状態となっている
毛沢東が今の中国をダメにしたきっかけを作っている 文化大革命は 歴史 資産を破壊したが 先頃の都市の発展も過去の文化遺産を全て破壊して都市を作っている
若い世代の子供たちは海外へ移り住む 中国からは 技術が 頭脳も 流出 -
著者は「中国は不動産バブルが崩壊し、デフレに突入している段階だと断言できる」という。しかし、それに「中国が民主主義の市場経済だという前提に立てば」と条件を付けている。ということは崩壊していないと言いたいのか。不明だ。
データがあまりに少ない。中国の統計データなど信用できないということであろうが、この著者なら推測値ぐらい示して欲しいもの。
中国が固定資産税をいまだに導入していないというのは重要。さもありなん、ということか。 -
本書を読んだ時点では、中国は不動産不況に陥ったようにマスコミ報道から感じられるが、崩壊しているとまでは感じられない。
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はじめに 不動産バブル崩壊の幕開け
第1章 中国の不動産で何が起きているのか
第2章 土地の公有制と戸籍管理制度
第3章 地方政府と都市再開発
第4章 「失われた30年」への道
第5章 絶望する若者たち
第6章 貯蓄・消費・投資の特殊性
第7章 マネーゲームと金融危機
第8章 イデオロギーの呪縛
第9章 コロナ禍が遺したもの
第10章 習近平政権の正念場
終章 チャイナ・リスクに備えよ -
中国反スパイ法、何でもありの法律、法とは言えない。おお~怖い!
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【?転換点?に立たされた中国経済】中国の不動産バブルの正体とは? バブル崩壊はすでに始まっているのか? 複雑怪奇で不可解な構造を分かりやすく読み解く。
著者プロフィール
柯隆の作品
