ゴジラvs.自衛隊 アニメの「戦争論」 (文春新書)

  • 文藝春秋 (2025年1月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784166614806

作品紹介・あらすじ

「『機動警察パトレイバー』首都防空通信は実際に自衛官の目にどう映ったのか」
「『新世紀エヴァンゲリオン』の世界ではソ連は崩壊していない」
「『風の谷ナウシカ』のバカガラスはナチスドイツで開発されたギガントと同様の運用がなされている」
「『宇宙戦艦ヤマト』の多層式航宙母艦の運用構想は、日本海軍の三段式時代の空母「赤城」と同じなのか」
「『シン・ゴジラ』で使用が検討される核兵器は、名前が違う?」……。
アニメや特撮を、軍事や各ジャンルの専門家が本気で語る。
“虚構”と“現実”、戦争の本質は変わらない――。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

アニメや特撮を通じて軍事を考察する本書は、フィクションと現実の交差点に立ち、戦争の本質について深い洞察を提供します。多彩な作品が取り上げられ、特に「エヴァンゲリオン」や「ゴジラ」などの人気作から、軍事...

感想・レビュー・書評

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  •  アニメや特撮を入口に軍事を論じる本かと思いきや、むしろアニメや特撮に登場する軍事を語る本。好きな人にはたまらないだろう。
     とはいえ、本書に登場する作品が全て分かる人もそういないのではないか。エヴァ、ガンダム、宮崎駿、ゴジラあたりが多いが、ゴジラでも初代から-1.0まで。更には愛國戰隊大日本まで出てくる。
     自分が少し考えこんだのが、フィクション作品の時代による変化の有無の指摘。ゴジラ-1.0みたいな旧軍人を美化するような話は昭和時代は難しかったか、一方でアニメンタリー決断などはあった。現在の戦争映画は男が特攻に行く恋愛ものだったり戦争を言葉で語ったりだが、昔は戦争経験者が社会に多くいて言葉で語ってはいなかった。

  • 小なりとはいえ、一章割いて、「佐藤大輔」について語っていただいている。このありがたさ。新刊をもう手に入れられない身にとっては(高橋氏もご同業だが)ありがたみがあふれている。
    アニオタが軍事政策の中枢にいる。そんな日本だからこそ、守る価値があるのではないか。そのように思える一冊なのである。
    高橋杉雄さん、佐藤大輔で一冊書いていただけませんか?

  • 知見、教養が豊富な方々によるアニメ談義。対談者の優れた記憶力や豊富な回想を、オリンピック選手の自由演技を見る気分で、楽しみました。
    アニメや映画などから戦争を語られることへの抵抗感に理解を示している俯瞰した視点にも好感。

  • タイトルや帯、特装版の表紙から想像する内容とは少し異なると感じる方がいるかも。
    本書の内容は、はじめに、に集約されていますので、そういうものだと思って読むものです。
    アニメを居間のテレビで観て、プラモデル作りにいそしんだ世代には激しく刺さると思いますが、本書に出てくるアニメを今、全部観たとしても、当時の空気感や世相ありきで話されていることに共感できるのだろうか、とは思います。知識≠実体験。
    いずれにしても大量の注釈を、ほぼ注釈無しで読める自分に少し驚いた。

    書籍の販売という商業的な観点でのタイトルや帯なんだと思いますが、もう少し本書の内容に沿った、「あの」小泉氏や高橋氏のオタク談義であることを前面に出したり、むしろ社会学的なタイトルでも良かったのではないか、想像していた内容と違うという書評で本書の評価が下がるのはもったいない。

  • 軍事評論家 小泉悠氏を中心に高橋杉雄氏、太田啓之氏、マライ・メントライン氏らのアニメや特撮の中の軍事に関する対談をまとめた著作。帯には「機動警察パトレイバー」「新世紀エヴァンゲリオン」「風の谷ナウシカ」「宇宙戦艦ヤマト」「シン・ゴジラ」が挙がっていますが、実際には脱線に脱線を繰り返し果てしない旅に。対談内容はもっと凄かったのかなと想像。編集さんは脚注が多くて大変だったと思います。とにかくパネリストの知識量の多さに舌を巻きます。読後は、「よくわかんないけど、なんかわかった!」って感じになります。

  • 変なタイトル!
    戦争おたく?戦闘機おたく?戦車おたく?兵器おたく?映画おたく?アニメおたく?である
    ロシアの軍事・安全保障の専門家、小泉悠氏を中心に、戦争について?語る語る。

    ?ばかりで恐縮だが、
    題材の多くは映画やらアニメやら。

    ゴジラマイナス1とシンゴジラの違い??
    エヴァンゲリオンも時代時代それぞれの映画の描き方、特にアスカ!
    ナウシカや風立ちぬを中心に宮崎駿。紅の豚も出たかな。

    ・・・私も触れている世界であるだけに、状況はある程度理解できるが、
    戦闘機の車輪の出方なんてところに目が行くなんて、、、

    極めるってのはすごいことだ。
    わからんところは斜め読み、知ってる世界は思い出しながら。
    楽しみました


    はじめに 小泉悠

    第一章

    アニメの戦争と兵器

    小泉悠(東京大学准教授) 

    高橋杉雄(防衛研究所防衛政策研究室長) 

    太田啓之(朝日新聞記者)

    『宇宙戦艦ヤマト』の多層式空母と空母「赤城」/ザクしか出すつもりがなかった『ガンダム』のリアリティ/冷戦期のソ連の設計局は仲が悪いだけ/『パトレイバー2』のGCIとの通信シーンのリアル/トルメキアのバカガラスはMe-321ギガント/「イングラム」ナンバープレートとペイントの日常との地続き感/軍が民間人を守る話の魅力/「バカメと言ってやれ!」はバストーニュの「Nuts!」がモデル/『新世紀エヴァンゲリオン』のソ連の存在感/『エヴァ』と終末論/『この世界の片隅に』の片渕須直と宮崎駿/『王立宇宙軍』を子どもに観せたら奥さんに怒られた

    第二章

    ゴジラvs.自衛隊

    小泉悠 高橋杉雄 太田啓之

    零戦の脚だけで大興奮/16インチ砲ならゴジラに勝てるのか!?/ゴジラを生き物としてリアルに描くと怖くなくなっていく/ゴジラは水圧で死ぬようなタマじゃない/ゴジラ対戦艦「大和」/震電の脱出装置にオタクはみんな気づいていた!?/「高雄」型重巡4隻で巡洋艦戦隊を組んでゴジラに勝つ/ファンタジーに向かう段取りが「リアル」を生む/無人在来線爆弾とソ連原潜の戦略的共通点/アメリカはどんな悪役にしてもOK?/ゴジラは榴弾砲でアウトレンジして倒すべし

    第三章

    日独『エヴァンゲリオン』オタク対決

    小泉悠 マライ・メントライン(職業はドイツ人)

    『エヴァ』は両親に見られたらマズい!?/ロシア人は「早くエヴァに乗れや!」と銃を突きつける/「脳内ドイツ」を生ドイツ人に肯定してもらう/じつはドイツ語をしゃべれなかったアスカ/ゼンガーの宇宙爆撃機のガンギマっている感じ/ソ連萌えと人類補完計画/『新劇場版』でアスカがドイツ語をしゃべってくれない!?/ショルツ首相の黒い眼帯は中二病/アスカのドイツ語はかなり変

    第四章

    宮崎駿のメカ偏愛

    小泉悠 高橋杉雄 太田啓之 ゲスト 大森記詩(彫刻家)

    宮崎駿は黄海海戦を映像化したかった/「ガンシップ」の燃料は水!?/「車輪が付いた飛行機出さねぇぞ」みたいな謎のこだわり/機体は汚れているほうがかっこいい/「鳥」は宮崎駿の飛行機の原点/宮崎作品とタバコとロシア人の倫理観/80年前のナチスドイツの超技術/アメリカ人には「連続モノアニメ」という概念がなかった/「トゥールハンマー」「グランドキャノン」「ソーラ・レイ」……巨砲兵器の戦場/宇宙ではチョークポイントがないと戦争が発生しない

    第五章

    『エヴァンゲリオン』の戦争論

    小泉悠 高橋杉雄 太田啓之 マライ・メントライン ゲスト 神島大輔(マライの夫)

    宮崎駿の『雑想ノート』でデートの約束/『エヴァ』が嫌いで大好き/日本の国歌『残酷な天使のテーゼ』/パパと一緒に「松」型駆逐艦を作ろう/小泉さんはアスカがお好き/『エヴァ』の兵器の使い方は特撮/『ゴジラ−1.0』と『シン・ゴジラ』のフェチの差/アスカがリアルヨーロッパ人だったら?/ドイツ人は効率重視で人類補完計画に賛同する!?

    第六章

    佐藤大輔とドローンの戦争

    小泉悠 高橋杉雄

    佐藤大輔『遙かなる星』は完結している!?/“冷戦”に持っていた憧憬/佐藤大輔とアメリカとバブル日本/『クレヨンしんちゃん』の自衛隊考証がすごい/二足歩行ロボットは格闘戦で使うべし/『ガンダム』世界の階級はテキトー!?/今のXのトレンドが、まるで90年代アニメみたい/自衛隊が反乱する可能性/ ChatGPT の哲学的ゾンビ問題/プーチンの補佐官が書いた小説で見えた未来

    おわりに 小泉悠

  • 選書番号:856

  • 東京大学准教授の小泉悠、防衛政策研究所の高橋杉雄、朝日新聞の太田啓之、ドイツ人のエヴァファン マライ・メントラインらによるアニメテクノロジー論。機動警察パトレイバー、エヴァンゲリオン、宮崎駿アニメ(特に飛行機が出てくる紅の豚、ナウシカ、風とともに去りぬ)、ゴジラが何をオマージュして作られたのか、現実のテクノロジー的には何が可能か、座談会5回分を書き起こした本であるが、本当のオタクはここまで深いのか、読んでいてある意味爽快感がある。

  • いい歳した大人がワチャワチャとアニメや特撮について楽しく語るのを見て(読んで)楽しむ本。いわゆる職業オタクでなく社会的に知的とみなされる職業に就いている人たちが対談しているところに令和的な新しさを感じる。マライさん登場会が文化的な違いにも言及され、単なる戦争論にとどまらず面白かった。

  • 小坂井 S778/コ/24

  • 778-K
    閲覧新書

  • 【軍事の専門家が熱く語るアニメ・特撮の戦争】『パトレイバー』の防空描写、『エヴァ』のソ連の存在感、『ヤマト』の多層航母―“虚構”のなかに、戦争の本質が見えてくる。

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著者プロフィール

小泉 悠(こいずみ・ゆう):1982年千葉県生まれ。東京大学先端科学技術研究センター(国際安全保障構想分野)准教授。早稲田大学社会科学部、同大学院政治学研究科修了。政治学修士。民間企業勤務、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO RAN)客員研究員、公益財団法人未来工学研究所客員研究員を経て、現職。専門はロシアの軍事・安全保障。著書に『「帝国」ロシアの地政学──「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版、2019年、サントリー学芸賞受賞)、『現代ロシアの軍事戦略』(ちくま新書、2021年)、『ロシア点描』(PHP 研究所、2022年)、『ウクライナ戦争』(ちくま新書、2022年)、『オホーツク核要塞』(朝日新書、2024年)他多数。


「2026年 『現代戦争論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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