- 文藝春秋 (2025年2月20日発売)
本棚登録 : 375人
感想 : 33件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166614837
作品紹介・あらすじ
東大史料編纂所に所属する本郷さんはふだん一般の学生への講義はありません。そのなかで2022年、東大駒場の教養課程(1,2年生)で、理系も含め、日本史専攻でない学生に「変革期にあらわれる日本のルール」をテーマに講義をしました。歴史はなぜ、いかにして動くのか? 東大での講義の内容をもとに、より分かりやすく、脱線もよりたっぷりと、新たに語り下ろしたものです。
みんなの感想まとめ
歴史の動きや背景を深く理解するための一冊であり、特に日本の変革期に焦点を当てています。著者は、歴史的事象を単なる出来事の羅列ではなく、因果関係や異なる視点からの考察を通じて解説しています。具体的には、...
感想・レビュー・書評
-
オーディブルで聴きましたが、とても良かったです。小説と違って、途中でストーリーや登場人物が分からなくなることがないので、オーディブルで問題ありません。そしてこの著書は日本史で議論が分かれているホットな問題についてなぜそう考えるのかを丁寧に説明してくれています。たとえば信長は天下を取ることを目指してやけれど、震源や謙信は目指していなかったことを、居城を移転してないことで明らかだと、そして単に畿内だけを目指していたのではないことは、朝倉を攻めたこちでもわかるというふうにとてもわかりやすく論理的に説明してくれてます。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書の様に、最近よく本屋で「東大生に〇〇」という題名の本やホップで紹介されているのをよく見かける。
東大にコンプレックスがある訳ではないが、あまり好きな紹介のされ方ではないので、本書もいかがなものかと思って読み始めた。
私の心配は杞憂であった。鎌倉時代から幕末までを駆け足で語っているので、もう少し突っ込んで欲しいところとかあった(政治システムだけではなく普通の人々の生活の様子や思考等)。ただし、この新書の分量では無理な注文だろう。
今思うと、ほぼ50年近く前になるが、高校の日本史の先生は、その授業の中で繰り返し歴史は暗記ではないという事を強烈に主張していた。もしかしたら、その頃に最先端の思考訓練をしていたのかもしれない。故に、本郷先生の様々な主張や史実の捉え方には素直にうなづけるものがあった。
思ったより歯応えのある本なので、本書から拡がりさらに読んでみたい分野の本も出てくる。私の場合は第4回講義の宗教の章かな。世界の中の日本人を考える上で日本人の在り方の基本としてよく考えなければいけない所だと思う。
中々実りの多い充実した読書時間を過ごせた。 -
鎌倉幕府の成立から江戸幕府末期までを扱った一冊。単なる歴史の出来事を羅列したような本ではなく、因果や流れ、一般的な見方とは別の角度の考察などで、非常に面白く改めて歴史を学べた。
特に秀吉の独特の価値観(武辺者よりも能理系を重用した、家に対する拘りがないなど)や目的を見極めて戦争する家康の価値観、浄土真宗は一神教に近いなどの考察には唸らされた。 -
読みやすくて勉強になる。信長像とか、足元に学説と比べてどうか気になるところ。
-
audible 。これまで日本史の定説とされていたものの中にも研究の成果として変更されたものがある。学問とはそういうものだろう。いわゆる「歴史修正主義」によるものでなく、誠実な研究の成果である。
著者は本のCMでよく見かける研究者だがこれまで読んだことがなかった。中世史が専門とのことだが、とてもよくわかる話でさすがと唸らされた。
歴史も、暗記するのでなく考える学問であるとの考えも納得できる。 -
歴史も一つの壮大な物語。
何より筆者の語り口が、非常に面白かった。
鎌倉時代〜江戸時代末期まで。
京都を権力の中心として栄えてきた時代から、土地の“安堵”を求めて、幕府が誕生する。
安堵を与える権力者の移り変わりと、各地で所領争いが起きる中、強い力を持つ者は自身が治める地というビジョンを離れ、天下統一というビジョンに進んでいく。
信長と秀吉と家康の、コンセプトの違い。
家を重んじた平和な世は、停滞と、海外からの脅威(そしてグローバル戦国時代)を生み出し、世界を視座とした舞台が展開されることになる。
こうやって見てみると、人はある意味で“進歩”している。
文明と文化が、生活のステージを変えていく様は、ちょっと怖くもある。 -
鎌倉時代から、現代まで、統治者の名前や出来事の年号を教えるのでなく、社会のしくみの何が変わっていったのかを、著者なりの視点でわかりやすくまとめてくれている。
今の学生さんは、こんな講義を受けられる、それに比べると自分の学生時代は…と思い起こしながら読んでいるうち、最後の「あとがき」が身にしみた。自分は著者よりも、もう少し上の世代だが、高校から駒場時代の過ごし方が、全く同じような境遇であった。自分には、ほとんど師と呼べる存在もなかったので、今もなお「野狐禅」かもしれない。 -
大変に愉しく読了した。「教える」ということで、大学の講義の雰囲気で8つの篇を纏めている。順次読み進めると素早く読了に至ってしまう。
専門的な研究に携わる著者が、その知見を基礎にしながら、広く一般向けに話しを纏めて綴るというのは、凄く新書らしいと思う。
著者が東京大学に勤めているので「東大生に教える」となっているが、これは偶々であって、他大学に在れば「X大生」に替っていただけであろう。内容は寧ろ「誰にでも興味深く学ぶことが出来る日本史」というようなことなのだと思う。鎌倉時代以降の事柄が扱われ、8つの篇=講義が一冊に収められているのだ。
著者は大学の研究所で活動をしていて、御自身の御研究の半ば一環で、研究者を志す方が大半を占める大学院生の指導を行っているのだそうだ。そういう様子なので、日頃は学部の学生、研究者以外の様々な進路に向かって行くであろう新入生のような人達に講義をする機会は無いそうだ。
ところが、教養課程に学ぶ新入生に向けて講義を行うという機会が生じた。そこで著者は、大学新入生達が付き合って来た「受験の日本史」とは一味違う話しをしようと準備した。そういう講義の内容を読物として整理したのが本書である。
本書の8篇、8回の講義で扱われるのは所謂「武家政権の時代」である。契機となる出来事が幾つも在って、鎌倉幕府が成立して動き始める。本書では年号や用語を覚えるような方向に話しは展開しない。或る出来事や成立した体制の以前と、何が如何変わり、何故そういうようになったのかという推論を重ねる。著者は「歴史」というのは、史料を精読して積上げて行くモノに加えて、何らかの理由で欠けてしまった部分や、何かの思惑で敢えて綴られていない可能性も在る部分を「推理」しながら繋いで行く面が在るとしている。そしてその「推理」を巡って「諸説在る」というようなことになって論争のような感じにもなるのである。
本書では、鎌倉に武士、殊に御家人達の幕府が登場し、それまでの時代と何が変わったのかという辺りの話しから入る。やがて源頼朝が他界した後、後継者となった息子達が排されて、鎌倉幕府は維持されるが、それが何故だったのかというようなこと、承久の乱による揺らぎとその後の体制の強化という話し、更に元寇での変化とそれに対応しようとした勢力が排されて揺り戻しが在ったという事等が論じられている。こういうように「考えながら移り変わる時代を観る」ということが「歴史を学ぶ」ということなのだと示しているのが本書の内容だ。
鎌倉時代の後も、室町幕府は本拠地を何故京都にしたのか、どのように展開したか、更に織田信長の「革命的」な要素、戦国大名達と“権威”というモノの関係、豊臣秀吉の際立った特徴、彼らに対する徳川家康、そして江戸幕府の展開や江戸時代から明治時代への変遷、加えて宗教を巡る動きというようなことが本書の各篇では取上げられている。何れも「考えながら移り変わる時代を観る」という流儀で語られている。ここで余り諄く語るべきでもない。是非、本書を読んでみるべきだと思う。
本書は「歴史を学んでみる」というのは「こういうようなこと!」と教えてくれるような気がする。そして「現在に連なる様々なモノ」が時間を掛けて形成されたような所謂「武家政権の時代」の「肝要な要素」が或る程度網羅されてもいると思う。広く御薦めしたい一冊だ。 -
お馴染み本郷和人先生が
東京大学教養学部の学生さん達におこなった
連続講義の内容をもとに語り起こしたライブ授業。
ものすごく本当に面白かった!
こんなに面白い授業があるのだったら
東大に行ったのに!
と思ったFラン卒の私。
武家時代って体の強い人が有利みたいだけど
やっぱり頭が良いことが一番だなあと改めて思いました。
パックス・トクガワーナ
戦乱の世が終わったことによって
将来を見通すことができるようになったとき
江戸の人々は勉強を始めました。
歴史を学んで考えること
役に立つと思うので
学生の皆さんに頑張ってほしいなと思います。
私はもう即効なにかに役立つことはないけど
こういう本でいろいろ知るのはとても楽しいから
これからも続けていきたい。 -
-
第一回講義 鎌倉幕府の誕生/第二回講義 頼朝の死から元寇まで/第三回講義 室町幕府、西か東か/第四回講義 日本人と宗教/第五回講義 信長の革新性/第六回講義 秀吉の天下統一/第七回講義 家康が求めたもの/最終講義 江戸から近代へ
-
おもしろい内容です。
暗記より意味が分かります。 -
<目次>
第1章 鎌倉幕府の誕生
第2章 頼朝の死から元寇まで
第3章 室町幕府、西か東か
第4章 日本人と宗教
第5章 信長の革新性
第6章 秀吉の天下統一
第7章 家康が求めたもの
第8章 江戸から近代へ
<内容>
本郷さんが保守的な考えなのがよくわかる。最近の日本史学会の新説を悉く否定している。ただ大づかみな部分では首肯できるところもあり、経済と政治のリンクなど授業に取り入れたい部分も多々あった。 -
書きぶりがわかりやすくて入門的に読むのもありだし、中高生が理解を深めるために読んでも良さそう。各時代で政権が樹立するきっかけや構造を論じていて、歴史全体をどう理解していくか、骨組みを学べた。
-
背ラベル:210-ホ
-
著者の歴史を暗記科目にしないという、熱意を感じる一冊だった。
暗記で必死に覚えて、試験で上手くいかないとそりゃ歴史が嫌いになる。本書は歴史用語を多用せず、講義形式で読み進められた。
淡々と史実を述べるではなく、何故そうなったのか、何故AとBはこのように違うのかなど、理由や本質を突きつつ、この後の歴史がどのように変化したのかを説明しており、歴史を考える面白さを体験できる。 -
北条早雲ってさ、そんなに説明変わってんの?他にも東国は日本を2倍にしたのかなど、本郷先生の日本史に対する熱意がすごい。教科書が書き換えられるということは単なる暗記科目ではないのだ。
著者プロフィール
本郷和人の作品
