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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784166614851
作品紹介・あらすじ
紀元前2~4世紀の古代インド、マウリヤ王朝の宰相カウティリヤが著わしたとされる『実利論(アルタシャーストラ)』。マックス・ウェーバーが『職業としての政治』のなかで「カウティリヤの『実利論』に比べれば、マキャヴェリの『君主論』などたわいのないものである」と評した、冷徹なリアリズムにもとづく国家統治の要諦を論じた幻の書だ。
その白眉は「マンダラ外交」と呼ばれる外交論。自国に直接境界を接する隣国は基本的に「敵対者」、隣国の隣国は友邦になり得る国、そのまた隣国は敵対者となり得る……という具合に円環状に広がって行く外交戦略論だ。
単に「敵の敵は味方」と言うに止まらず、自国と敵対的な隣国の双方に接する「中間国」、また自国にも隣国にも接しない「中立国」を活用することの重要性とさまざまなケースでの対応策を提示。採るべき政策として、和平、戦争、静止、進軍、依投(他に寄る辺を求めること)、二重政策(和平と戦争を臨機応変に採用すること)という「六計」を、状況に応じて繰り出していくとする。
これは現代においても当てはまる。「伝統的な非同盟」「実利優先」で是々非々のスタンスを堅持しながら、パキスタンや中国は「敵対者」と位置づけ、中国を警戒する日米とは関係改善を推進。パキスタンの隣国アフガニスタンをタリバン復活までは支援し、何より第三次印パ戦争で東パキスタンをバングラデシュとして独立させたのは「敵対者」パキスタンの力を削ぐ戦略的に大きな意味を持った。多国間でもASEANを「中間国」として位置づけてインド太平洋構想に取り込みつつ、〝グローバルサウスの盟主〟として「中立国」の湾岸・アフリカ・南太平洋諸国の利益を代弁して存在感を高めている。
その他、日本がまだ弥生時代の頃に、驚くほど緻密な官僚制を敷き、インテリジェンスなかでもスパイの効用をさまざまに論じている『実利論』を、
筆者が兵法の古典『孫子』との比較や、ガンディー、ネルー、チャンドラ・ボース、あるいは現モディ政権のジャイシャンカル外相らの政治・外交を紐解きながら、現代インドの行動原理と併せ解説する。
【目次】
序 章 マックス・ウェーバーとキッシンジャーを唸らせた『実利論』
第1章 古代インドと『実利論』の誕生
第2章 国家統治で追求すべきは「実利(アルタ)」
第3章 マンダラ外交の真髄
第4章 インテリジェンス・ウォーを勝ち抜くために
第5章 カウティリヤの兵法——『孫子』との比較から
第6章 『実利論』から見る近現代インドの外交と政治
終 章 『実利論』から日本は何を学べるか
みんなの感想まとめ
国家統治や外交戦略における実利を重視した思考が、古代インドの知恵として具体的に描かれています。著者は、内政や外交、軍事におけるスパイの重要性を詳細に論じ、特に「マンダラ外交」と呼ばれる隣国との関係性を...
感想・レビュー・書評
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古代インドマウリヤ朝宰相の書で、内政、外交・軍事、両者に共通するスパイの重要性を説く。
中身はかなり詳細かつ現実的で、特に外交では隣国(敵国)、敵にも味方にもなり得る中間国、域外の中立国、弱者の緩衝国のカテゴリーに分け、和平や戦争など6つの策を説明。また敵が強大な場合は、全面降伏ではなく和平か外交か謀略かで対抗すべきとする。
デリーの外交街にその名がつけられているとおり、現代では主に外交の文脈で認識されているようだ。ネルーの理想主義外交は例外だが、現代インドにも本戦略の示唆はあるとする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この手の古典は、原典よりも先に解説書を読むのが吉。
実利論は徹底した合理主義であり、感情に流されやすい日本人とは違っている。
ちなみに、「君主論」は「マキアヴェッリ語録(新潮文庫)」で読むのがおススメです。 -
インド知識が古代にも近代にもそこまで及ばないという限りでは、かつてのインドに「孫氏」的な指南書があったという程度の理解に落ち着くが、神話・宗教的な世界観のなかで培われた知恵が近代アジアの歩みにも影響を及ぼしうるというスケールの話としては興味深い。
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【古代インド最強の戦略書!】古代インドから伝わる国家統治の書、『実利論』。徹底したリアリズムが支配する最強の戦略書を現代インドの行動原理と併せ解説する。
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