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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167100339
みんなの感想まとめ
個々の奮闘と巨大体制の対立を描いた短編集は、戦後の歴史や社会を背景に緊張感あふれる物語が展開されます。直木賞を受賞した表題作を含む各短編は、ロシアやソ連をテーマにし、過去の戦争やその影響を深く掘り下げ...
感想・レビュー・書評
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ずっと探していて、何度も買っては、さらに買いました「蒼ざめた馬を見よ」に、やっと、取り掛かることができた。
直木賞を獲得した表題作と「天使の墓場」が代表するように、巨大体制に立ち向かう個の奮闘が描かれて、しかし実は体制側の手のひらの上で踊らされていた。時代が進んだ今なら、ちょっと陳腐なところもあったが、自分を昭和中期に立たせて読むと非常に面白い。
ちなみに逢坂剛の「燃える地の果てに」は「天使の墓場」を参考にしていたような感じを覚えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
直木賞の表題作を含めた短編集。
ソ連やロシアを中心とした、戦後に関連した話。
・蒼ざめた馬を見よ
衝撃的な面白さ。というか、凄さ。
新聞社に勤める鷹野は、ロシア批判の長編を日本に持ち込み出版しようとする。
100ページ弱の中に、緊張感あり、どんでん返しあり、多数の伏線回収あり、そしてさらに。
圧巻でした。
・赤い広場の女
戦争をした国々。平和になってからそれをどうとらえるか。過去は過去として忘れるか。抱えていくか。
戦後世代だからこその観点。感じ入る。
・バルカンの星の下に
パリ赴任5年を迎え、帰国前にとブルガリアのブカレストに旅行に来た商社マンが、とある日本人夫婦に出会う。
これは純文学ですね。ラストの叙情が好き。
・夜の斧
エラブカから何を持って帰ったのか。
満州でソ連軍の捕虜になった慎吾。帰国して大学助教授となり、家庭円満。そこにかかってきた電話。
緊張感あり、ヒリヒリする。
・天使の墓場
山岳部の部長を務める高校教師が、3年生と卒業登山に冬山へ。そこで飛行機の墜落を目にする。悪天候にみまわれ、残骸に避難。その飛行機とは…。
そんな展開になるの?と驚きつつ、ラストはぐっとくる。 -
佐藤優氏が、ロシアの空気感がよく描かれていると本書を絶賛していたので読んでみた。
フィクションとしては秀逸だが、これが何処まで現実であり得るのだろう。
まさかと思う一方、最近のニュースを見ていると、ロシアならあり得るのかもしれないとも思う。
これがロシアなのだろうか。自分はまだまだ世界を知らないのだと痛感する。
陰謀論を鵜呑みにしてはならないが、自分の常識を超えた世界が存在することは心に留めておく必要がある。
全体的にちょっと大人な小説。五木寛之の小説は初めて読んだが、結構好き。
「さらばモスクワ愚連隊」も読んでみなければ。 -
第56回(1967年)直木賞受賞作。戦後20年ほどの日本と東欧を舞台とした5編の短編集。
50年近く前の作品だが、先日読んだ『一度は読んでおきたい現代の名短篇』にて表題作が紹介されていたのをキッカケに手にした。
主人公の行動がとにかく熱い。時代背景もあるが、今読んでも濃い。
五木寛之の作品というと、『大河の一滴』の大河物語はまだしも『百寺巡礼』のように静かで心落ち着くイメージが強くいのだが情熱溢れる作品。そしてどれも短篇で終わらせたくないようなプロット。初期はこのような作品を書いていたとは思いもよらなかった。
ハードボイルド小説、ミステリ小説、青春小説、色んな要素をもった作品群だ。
新装版では、解説もまた熱い。まさに、噛まれた! -
今更ながらに五木寛之を読む。青春の門以来か。冷戦期の東は、今では考えられないかもしれない。と思いきやロシアや北などはまだ残ってるか。1人による強権だと、行き着く先は同じか。ある種のディストピィア小説だが、短すぎて更なる恐怖も感じる。
ヒュブリス症候群。人は少人数でしかまとまらないのか。 -
直木賞受賞作の表題作を含む初期の代表傑作選。表題作,日本の新聞記者が,ソ連の老作家が書いたまま封印したとされる体制批判の小説を入手せよとの厳命を受けて現地に向かうが,果たして首尾良く行くのか。他にも,終戦後のソ連抑留から帰国後20数年,安定した生活を確保した大学教員を襲う重い過去(「夜の斧」)など。サスペンス,イデオロギー,個人的な過去との対峙など,様々な面を見せてくれる。ストーリーテリングが上手い(ぐいぐい引き寄せられ,読みやすい)。
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戦後のソ連と日本を舞台に5つのストーリー。一つ一つを中編小説で読んでみたくなる設定。結末がどうなったかを読者の想像に委ねる仕上がりに。
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佐藤優氏が絶賛していたので読んだ。確かに面白い本だった。ロシアの文学者の苦悩がよく分かった。
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戦後20年ばかりに書かれたものであり、戦争の名残が全体的に残っている。残っているというかそれに常に囚われているという方が近いかもしれない。つまり全体に暗く重い印象が付きまとっている。
短編集はあまり好きではなかったが、本短編集はそれぞれの作品に何か共通するようなものを感じたし、多くを語らないことの効果も感じた。
多くを語らない良さを感じたのは、作家の芸によるものか読み手の心情変化によるものかは分からないが新しい感覚だった。 -
50年も前に書かれてたなんて!
今読んでも時代をいい意味で感じない文章だった。
そして、今生きている世界の見え方が変わるような。
50年後の現代もさほど変わらない、もしかしたらもっと酷くなってるかもと。 -
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巧妙な物語。1966年。ソ連は、言論統制が敷かれていた。Q新聞外信部記者の鷹野隆介は、新聞論説主幹の森村から、社を辞めてソ連に行き、アレクサンドル・ミハイロフスキイの未発表の長編小説を密かに入手することを命じられた。この命令自体がかなり危ない。それを鷹野は引き受けることに。
ユダヤ系市民の3代に渡る家族の物語は、ソ連では発表できない。これを持ち出して、西側で発表する。そして、鷹野はミハイロフスキイの家に訪問するが、ミハイロフスキイの妻に拒絶される。
困っていた。キーロフ劇場に行ってみようとして、劇場でオリガとあった。オリガは強引に席を譲れという。それで譲ったら、劇がおわってから誘われる。そのままいい関係になってしまう。
オリガはミハイロフスキイの仕事を手伝っている学生だという。とんとん拍子に、ミハイロスキーの本を手に入れた。題名は『蒼ざめた馬を見よ』だった。西側で発行することで、賞賛を浴びる。
ところが、ミハイロフスキーが逮捕されたというのだが、全く別人だった。その作品は偽物だったのだ。ソ連には自由がないということを見せつけ、言論統制されているということを見せつけるための作品だった。
鷹野は、戦争の引き上げの時に、朝鮮にいて、死者を焼く日が決められていた。「焼き日ですよ、焼き日ですよ」という声が、耳元で聞こえるのだった。
当たり前だと思い込んでいたことが、仕組まれていたことを鷹野はしる。さすが、直木賞をとっただけある。言論の自由とは何か? -
朱鷺の墓(上中下)のレビューを書きたいが見つからない。
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読みたい本リストにあげていたところなかなか店頭でみかけなかったが、ロシアがウクライナに侵攻
したことで久々に再販された模様。この作品集に描かれた内容が今のSNSの普及した時代からみると道具立ても世界の思想状況もある意味時代小説になりつつあるように感じられた。とはいえその時代を生きた世代だからこそ書くことができた人間の生き様は今も我々に迫力に満ちてせまってくる。
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《頂き物》
世界観にするする引き込まれたけど、重いな〜
時代背景が古くて、ちょっと伝わりにくい。
でも最後までちゃんと読みたくなる。 -
直木賞受賞作を含む初期の作品集。どの作品にも影があり、それが奥行きを与えているように思われます。影とは死の予感であったり辛い別れであったり、あるいは暗い過去であったり…。いろんなものを引きずって懸命に生きる人々の物語です。
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片岡義男みたいに、なんとなくアイデアは面白く読みやすいけど終わりが手抜き感。
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図書館の本
出版社/著者からの内容紹介
近来まれに見る精神宇宙のサスペンスドラマと評された表題作のほか、赤い広場の女、バルカンの星の下に、弔のバラード、天使の墓場を収録して、著者の"初心"を鮮かに示す短篇集。解説・佃実夫
初めてこの作家さんの本を読みましたが、思いのほか読みやすい文章で驚きました。
そしてここまでロシアよりのものを書く作家さんだというのも驚きました。
時代的にドイツやロシアが今よりも皮膚感的に近かったのだろうと思う。
ウクライナの女性のエピソードが痛くてしょうがない。それが戦争、何だと思う。 -
昭和40年代に書いた短編集。
早稲田露文科を出た筆者は、デビュー当時はその影響を色濃く受けてたんだろうなあ。
その後の作品とは毛色がまた違ってるのも後の経歴からか。龍谷大で学ぶっていい。自分もやりたい。
が、ロシアとか東欧の話って、どうしてこうも憂いを帯びているんだろう。常に劣等感があるのかな -
金沢などを舞台とした作品です。
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五木さんの作家としての良質の部分を感じる小説です。シンプルなストーリーの中に作者の観察眼、芸術家の良心を描いています。
それで、この良さが、この小説のドンデン返しを、良い意味で裏切っています。
この本が好きな人におすすめの本
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