- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167101084
作品紹介・あらすじ
一国の国家予算を超える盗みを働き、地球上に足跡の及ばざるところは皆無。明智小五郎やジェームズ・ボンドさえも翻弄する正体不明の大怪盗、ジバコ。彼の超人的かつ「1万ドルを盗むのに10万ドルをかける」少々フシギな活躍を描いた、北杜夫のユーモア小説における代表作。
感想・レビュー・書評
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これぞユーモア小説と思わせてくれる一冊です。50年近くも前の作品なのに、今読んでもやはりおもしろい。ときおり昔の言葉づかいが出てきますが、作品内に表現されている人々の精神性は現代に通ずるものがありました。
読み終わるとやさしい気持ちになれるような小説です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界って言うほどのものではないんだろうけど、その醸し出す空気にどうしても馴染めなかった、、、
当方にとっては"滑りっ放し"って感じの童話(?)集、昔風に言えば品の良い東京風ユーモアはイマイチなんですよね。かと言って大阪風コテコテなのも勘弁してほしいんですが。 -
氏ならではのユーモアと、自らの旅行での体験と思われる異国情緒あふれる描写で織りなす、怪盗の活躍を描く短編集。
所々でそのユーモアにほくそ笑んでしまいます。
ジバコは謎の人物であり、キャラクターがつかめないことから感情移入がしにくいですね。そんなキャラ設定だから仕方ないけど。
ともあれ楽しめました。他の本もぼちぼち読んでいきます。 -
なにも難しいこと考えないでひたすら読んでて楽しくて痛快な本だった!
こういう本を読むのも個人的に大好きである -
童話と言っていいのかわからないけれども、北杜夫の子供向けデタラメ小説の代表格。読んだのは中学以来かなあ。鮮やかな手際、ユーモラスなエピソード、ケチな一面など、北杜夫氏の中にある面白くて派手な(ソーウツのソー的な)人格そのままというところであろう。
内容は1本の続きの話だと記憶していたのだけど、実際は中編がいくつかとなっており、いい感じで休みをいれられるため、本当に軽く読めてしまう。そのせいもあるが、大人には「なんじゃこれ?」で終わってしまうかもしれない。内容も始終一貫してデタラメだ。
そのデタラメであるが、これがちょっとした豆知識が散りばめられていて、船医をやっていたマンボウ氏ならではのもの。その辺も小~高校生の知りたい欲求をくすぐるのだろう。したがって、中学生くらいに一度は読んでおいてもいい本である。
ただし、その知識もデタラメでないという保証はないのだけれども。 -
突拍子もないユーモア。なかなか良かった。
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先日読んだ「シャーロック・ホームズに再び愛を込めて」で出会った怪盗ジバコに再び出会えてうれしい。面白かった。昔ながらの義賊、怪盗ジバコ。少し中だるみしてしまったが、ルパンと、最後の1本がお気に入りだ。
解説に遠藤周作で豪華!
2013.06.25 -
飄々としていて、荒唐無稽なドタバタすらも、不思議とスタイリッシュ。
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そうそう、こんな本もあった。
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『クレージーの怪盗ジバコ』といふ映画は、30本に及ぶ東宝クレージー映画の中で、唯一原作のある作品であります。ジバコに扮した(?)植木等さんの、例のウヒャヒャといふ高笑ひ。翻弄されるハナ肇・谷啓。
すでにクレージー映画としては峠を越ゑたといはれる時期の作品で、小林信彦さんなどは酷評してゐます。
無責任=植木のイメエヂを追うとさういふことになるのでせうが、むしろ「ハナ肇とクレージーキャッツ」といふグループのアンサンブルを愉しむべきでありませう。原作小説とはかなり印象が違ひます。
北杜夫氏の『怪盗ジバコ』は、元来1967(昭和42)年に発表されたユウモワ小説なのですが、2年前に文春文庫で復刊されたのであります。
ジバコは希代の怪盗であり、本名年齢素顔全く分からず、変装の名人でもあります。盗みはするが、あこぎな仕打ちはせずに、むしろユウモワを感じさせる余裕の盗みをするのでした。
明智小五郎くんと対決し、ジェームズ・ボンドを赤子の手をひねるようにあしらふ。超人であります。
上質な娯楽小説となつてゐますが、気になるのは、復刊された現代の読者の目にはどう映るのか、といふことであります。
遠藤周作氏のいふやうに、いつの頃からかユウモワは軽んぜられてゐるやうです。お笑ひと称するものは人気があるやうですが。
何かと強い刺激に慣らされた現代人には「ユウモワ」を解することが出来るか...?
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