おろしや国酔夢譚 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167104016

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わった
    みなもと太郎「風雲児たち」に大黒屋光太夫の話しがあってから、ずっと読みたかった一冊。異国の地に一人でいるってことがどういうことか。留学中の身には少しばかり彼の境遇が近く感じられる。本当は全然違うんだけどね。

  • 18世紀終わりの鎖国時代、
    なんと伊勢湾を出航した和漁船の船員十数名が、8ヶ月も海上を漂流し、ロシア領のカムチャッカ半島にたどり着いたのちの実話をもとにした小説です。当時ロシアは、鎖国中の日本となんとか貿易したいと狙っていた背景もあり、漂流した日本人はなんとロシアで日本語通訳を育てるの学校教師になるべく説得されます。
    彼らが無事日本国にまで帰るまでのお話し。
    すごーい。遠すぎて日本地図を見直してしまいました。
    平民あがりの一先頭「大黒屋光太夫」。
    その優れた人格と人柄によってこそ、彼らは生きて日本に帰れたんだなと思います。
    おもしろかった。一気読みです。

  • 江戸時代に漂流してロシアを巡って日本に帰国、のちに幽閉されてしまった大黒屋光太夫の話。テーマも興味深いし、作家も井上靖氏だが・・内容が小説を書きたかったのか、記録的意味合いを込めた形にしたかったのか中途半端でイマイチ楽しめなかった。なんか残念。

  • 時は江戸、大黒屋光太夫の漂流記。
    彼はおろしや国(ロシア)で何を見たのか?
    戦後の旧ソ連抑留者を思い起こさずにはいられません。

  • まずは江戸時代に黒屋光太夫以前にも漂流してロシアで生を送った日本人が何人かいて,ロシアもいつか来る日の日本との交渉のために日本語学校を作っていたというのはおどろきだった.そしてほとんどの漂流日本人がロシアで生をまっとうしているところ,女王エカチェリーナ二世にまで直訴して帰国するまでの10年間の大黒屋光太夫の不屈な態度はすごかった.また大黒屋光太夫一行でロシアに残留するメンバとの別れは感動をさそった.そして何より,あれだけ帰国したかった日本に帰って逆に感じるようになるロシアへの故郷的な思いがとても切なかった.

  • こんなドラマが、約200年前のリアルだなんて。関連書籍も貪るように読んだ。たまらん。

  • 蒼き狼とか敦煌も良いですけど、井上氏の作品ではコレが一番すきかな。

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著者プロフィール

井上 靖 (1907~1991)
北海道旭川生まれ。京都帝国大学を卒業後、大阪毎日新聞社に入社。1949(昭和24)年、小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。1951年に退社して以降、「天平の甍」で芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」で日本文学大賞(1969年)、「孔子」で野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章。現代小説、歴史小説、随筆、紀行、詩集など、創作は多岐に及び、次々と名作を産み出す。1971(昭和46)年から、約1年間にわたり、朝日新聞紙面上で連載された『星と祭』の舞台となった滋賀県湖北地域には、連載終了後も度々訪れ、仏像を守る人たちと交流を深めた。長浜市立高月図書館には「井上靖記念室」が設けられ、今も多くの人が訪れている。

「2019年 『星と祭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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