遠い海 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1982年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (204ページ) / ISBN・EAN: 9784167104245

みんなの感想まとめ

心の触れ合いをテーマにしたこの作品は、亡き美女を中心に展開する男女の複雑な関係を描いています。重苦しい雰囲気を持ちながらも、温かみのある表現が印象的で、読者は優しい気持ちで物語を進めることができます。...

感想・レビュー・書評

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  • 1人の亡き美女を取り巻く、4人の男女の心の触れ合い。

    重苦しい場面や雰囲気も、温かみある一流の表現で優しい気持ちで読み進められる。明治の文豪のなせる技か。

    昭和37年のNHKラジオ小説だったらしい。願わくばリアルタイムで味わいたかった!心がほぐれました。

  • 確か10年ほど前、自分が恋愛でドタバタしていて事が落ち着いた時に、何の巡りかこの本に出会った。リズミカルに静かに堂々と穏やかな、なんという感じかなぁ。。。とてもすがすがしい、恋や愛について。。名作だよ。

  • 「不審な女の登場によって翳る妻の心理─男女のめぐりあいの数奇な運命のなかで互いにたぐりよせた愛

    の絆とは何であったのか。それは二人の青春のドラマを再確認する道程なのだろうか」


    ――井上靖ばかりを読んでいます。とりあえず、制覇したいと思います。この人の本は。だっていいんで

    すもん!人生の肥やしになるような作品ばかり。 さて、「遠い海」です。この人はホントに心情描写が

    うまいと思います。男女の関係にしたって、親や子の気持ちにしたって。そんで絶対心の魅力的な人物が

    でてきますね。男性の。こんな性格の人になれたら、こんな風に生きられたら。そう思ってばかりいま

    す。 この小説はなんか不倫ものぽい感じです。妻は、夫の背後に見え隠れする不審な女性の影に気付

    く。そんなはずはない、と夫を信じようとするが・・。 うーん。正直夫婦の話ってまだよくわかんない

    んですけど、それでも良質だなって思いました。「人は誰でも心に、遠い海のように澄んだ部分を持って

    いる」そうなんだよね。深く考えすぎると腑に落ちないけど、最初この文章読んだ時、あ、そうだなって

    妙に納得した。今も印象に残っていて、自分の心の遠い海はどんなのだろうと時々ふっと思い出したよう

    に考えます――

  • 「あんな娘、嫌い」とゆう波子がかわいらしい。遠い海を持たないけれど、素直。4角関係の恋愛劇。すごくテンポが良くて楽しめた。

  • 初やすっさん。
    読みやすくて、会話のテンポがいい。
    「なんかよかった!」っていつもの僕なら言うでしょう。なので今回も言います。

    なんかよかった!

  • それぞれが気付く、己の気持ちに「遠い海」と名付けて、それ以上ははっきりと述べられていないのに、読んでる方は理解できる。それがすごく面白い。

  • 「人間というものは、みんな遠くに見える海のようなものをもっていますよ・・・・・・そこだけが青く澄んでいます」
    遠い海とは、人が持つ「遠くにあって、憧れるもの。透明で清らかなもの」。美しいですね。
    表紙絵の「遠い海」の絵もイメージにぴったりで素敵。
    今年の大河(井上靖原作!)の『風林火山』を見ていますが、甲斐の山国で育った武田信玄は心の中で海に憧れ、信濃から北陸へ出ようとしたと描かれています(この作品に限らず)。もしそうなら、信玄の「遠い海」はまさに遠い海、ですね。

    「井上の作品には、もともと中心にひとつの静かな絵画的イメージを抱いているものが多く、それが作品の主題及び気分を代表的に語っている。つまりは象徴的な心象風景ということである」(解説より)

    円藤という人は、とても純粋な人ですね〜。井上靖というより、村上春樹の小説に出てきそうな「純文学な人」。

  • ドロドロしすぎてなく、かといって幸せボケの話じゃない。いいバランスがとれている。

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著者プロフィール

井上 靖 (1907~1991)
北海道旭川生まれ。京都帝国大学を卒業後、大阪毎日新聞社に入社。1949(昭和24)年、小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。1951年に退社して以降、「天平の甍」で芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」で日本文学大賞(1969年)、「孔子」で野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章。現代小説、歴史小説、随筆、紀行、詩集など、創作は多岐に及び、次々と名作を産み出す。1971(昭和46)年から、約1年間にわたり、朝日新聞紙面上で連載された『星と祭』の舞台となった滋賀県湖北地域には、連載終了後も度々訪れ、仏像を守る人たちと交流を深めた。長浜市立高月図書館には「井上靖記念室」が設けられ、今も多くの人が訪れている。

「2019年 『星と祭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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