坂の上の雲 (七) (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (1978年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167105341

感想・レビュー・書評

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  • 日露戦争真っ只中。戦争というものを通じて人間にとっては能力よりも性格/人格が大切なのかもしれないと考えさせられる。圧倒的な戦力を持ちながら後一歩で退いてしまうクロパトキン。机上では秀才とされたクロパトキンも戦場では論理よりも感情で作戦を決めてしまう。一方、圧倒的に戦力不足の中奮戦する日本軍をまとめ上げる大山、兒玉。兒玉は作戦能力の高さも描かれるが、やはり決めた作戦をぶらさず、兵をまとめ上げ実行し切るには、能力だけで無く、人格的統帥力がいる。現代風に言えばIQとEQとも言えるかもしれないが、1単語では表現し切れない人間的奥深さを感じられる作品。

  • 真之も凡人に過ぎないという、本作冒頭の断りがここで明白になってきた。
    ただ本巻の白眉は新聞に対する評価。確かこの作家、新聞社勤めの経験ありだったとような気がしますが、かなり強烈。よほど腹に据えかねているんでしょう。
    加えてその指摘が今もって通用しそうなところ、そもそもマスコミとはそういうものということやもしれませぬが。

  • 戦争の勝敗ってその大将が名将か愚将かで決まっちゃうものなのだろうか…ロシアの拙攻ばかりが目立つ。
    宮古島の逸話が最高。志士。敵艦見ゆ。
    あれだけで星四つ。

  • 奉天(ほうてん)、なんで日本が勝ったんだか誰にも分からないまま勝利( ´ ▽ ` )ノ。
    クロパトキン、バカだね( ´ ▽ ` )ノ。
    日露戦争って、全編こんな感じだ( ´ ▽ ` )ノ。
    軍人上部のバカさ比べ( ´ ▽ ` )ノ。

    バルチック艦隊の無意味な放浪はようよう終結、海戦がはじまるよ( ´ ▽ ` )ノ。
    腐って崩落寸前の帝政ロシア、国際社会に認められようと必死の日本、中国利権を虎視眈々と狙う仏独米、当時の世界情勢が面白い( ´ ▽ ` )ノ。
    諜報国家のイギリス、保安官気質の米、大国病の露、今と殆ど変わらないね( ´ ▽ ` )ノ。中国が目覚めていないだけだ( ´ ▽ ` )ノ。
    日本の新聞がウヨってく過程も興味深い( ´ ▽ ` )ノ。
    大衆迎合&場当たり的、いまで言うと、ワイドショーやネットに近い存在だったんだね( ´ ▽ ` )ノ。


    それにしても、書き込みがどんどんくどくなっていくなあ……(´ェ`)ン-…。
    大事なことは繰り返す、というのはわかるんだけど……(´ェ`)ン-…。
    たとえば末尾の方の、艦隊を発見した琉球漁民の話なんか、あんなに書き込む必要があったのか?……戦局に大した影響を与えたわけでもないし……(´ェ`)ン-…。

    とにもかくにも、残1冊( ´ ▽ ` )ノ。

    2016/07/25

  • 戦費のほとんどを、公債というかたちで外国から借りてきてまかなっているこの日本の戦争のやりかたのばかばかしさについて、(中略)「この国家に金や兵が備わり、その独立が十分に出来ていたら、戦争などをするには及びません。そんなものがないから、気が狂ったようにこんな戦争をしているのです」

    戦場へひきだされてゆく水兵たちにとって自分の提督に期待するのは優しさでも愛嬌でもなく、ただひとつ有能であるということだった。

  • (2014.01.27読了)(2007.11.01購入)
    奉天の手前でにらみ合っている日本軍とロシア軍。日本軍もロシア軍も攻撃に出ようと計画しています。ロシア軍が先に仕掛けるはずが、あれこれ迷っているうちに日本軍が先に仕掛けることになりました。東から攻め、西から攻め、ロシア軍が右往左往しているうちに、正面からも攻める。数においてロシア軍が勝っているので、日本軍もかなりの損害を受けます。ロシア軍の司令官が、思い切りよく攻めていれば、日本は総崩れになったかもしれませんが、弱気な司令官だったおかげで、かろうじて、勝つことができました。
    追撃できれば、大勝出来たかもしれませんが、弾薬が尽きてしまいました。
    ここらで、和平交渉に持ち込みたいところだったのですが、外交担当が、自分の判断で、バルチック艦隊と戦って勝つ自信がないので、その前に和平にこぎつけたい、と仲介者に喋ったために、それがロシア側にも伝わり、和平交渉に入ることはできなかった。
    バルチック艦隊は、インド洋を航海し、ベトナムあたりで、増援部隊を待っている。
    増援部隊と合流後、ウラジオストックへ向かう。
    日本海軍は、バルチック艦隊が、日本海側を通るか、太平洋側を通るか判断しかねている。
    バルチック艦隊が、10ノットで動いていれば、もう現れるはずと思われる日が過ぎても、バルチック艦隊は現れない。

    【目次】
    会戦
    退却
    東へ
    艦影
    宮古島
    関連地図

    ●前進の意志(43頁)
    前進の意志をすてないというのは、日本軍のときには悲惨といっていいほどの特徴であり、しかしながら日露戦争を通じての陸戦のすべてをささえてきたのは、火力でも兵力でもなく、ただこの一点だけであったともいえる。
    ●生水は危険(60頁)
    満州の雪や生水は危険で、うかつにこれをのどに入れればアミーバ赤痢にかかる。
    ●マツヤマ(96頁)
    この当時の日本政府は日本が未開国ではないことを世界に知ってもらいたいという外交上の理由もあって、戦時捕虜のとりあつかいについては国際法上の優等生であった。ロシア捕虜をとびきり優しくとりあつかったというよりむしろ優遇した。
    その収容所は各地にあったが、松山が最も有名であり、戦線にいるロシア兵にもよく知られていて、(後略)
    ●奉天会戦(163頁)
    この会戦における日本軍の死傷は大きく、五万人以上にのぼった。
    ロシア軍の損害は、その退却時において最もはなはだしかった。捕虜三万人余をふくめて損害は十六、七万人にのぼり、日本軍の三倍強を算した。
    ●土地掠奪(185頁)
    朝鮮がロシアのものになるということは、ひいては対馬が、幕末以来しばしばロシアが狙いつづけてきたようにやがて露領になるということであり、さらには、博多湾か長崎港がロシアの租借地になることであった。
    「ロシアの建国精神は土地掠奪である」
    ●差別(198頁)
    戦敗国が戦勝国に償金を支払い、ときには領土を割くというのはヨーロッパにおける慣例なのである。その慣例を、アジアの国家である日本に対してだけは適用させまいということであり、(後略)

    ☆関連図書(既読)
    「坂の上の雲(一)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.01.25
    「坂の上の雲(二)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.01.25
    「坂の上の雲(三)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.02.25
    「坂の上の雲(四)」司馬遼太郎著、文春文庫、1999.01.10
    「坂の上の雲(五)」司馬遼太郎著、文春文庫、1999.02.10
    「坂の上の雲(六)」司馬遼太郎著、文春文庫、1978.03.25
    「条約改正」井上清著、岩波新書、1955.05.20
    「日清戦争-東アジア近代史の転換点-」藤村道生著、岩波新書、1973.12.20
    「日清・日露戦争」原田敬一著、岩波新書、2007.02.20
    「爆笑問題の戦争論-日本史原論-」爆笑問題著、幻冬舎、2006.07.31
    「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子著、朝日出版社、2009.07.30
    (2014年1月27日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    各地の会戦できわどい勝利を得はしたものの、日本の戦闘能力は目にみえて衰えていった。補充すべき兵は底をついている。そのとぼしい兵力をかき集めて、ロシア軍が腰をすえる奉天を包囲撃滅しようと、日本軍は捨て身の大攻勢に転じた。だが、果然、逆襲されて日本軍は処々で寸断され、時には敗走するという苦況に陥った。

  • 戦闘描写が続くので読むのに正直時間がかかりました。
    日露戦争後の賠償金の話だったり(勝つのが日本だとしても賠償金は日本がロシアに払うという話や租借地の話)、日本軍に従軍していたイギリス人観戦武官が敵側のロシア人の死体を見て憐憫の情を抱いたり、当時は人種差別真っ只中で、そんな中戦ってきた軍人や欧米を飛び回ってた外交官は本当に尊敬に値する。

  • 各地の会戦できわどい勝利を得はしたものの、日本の戦闘能力は目にみえて衰えていった。補充すべき兵は底をついている。そのとぼしい兵力をかき集めて、ロシア軍が腰をすえる奉天を包囲撃滅しようと、日本軍は捨て身の大攻勢に転じた。だが、果然、逆襲されて日本軍は処々で寸断され、時には敗走するという苦況に陥った。

  • 2009年度【請求記号】913.6||S【資料ID】91990629【配架場所】工大君に薦める

  • 1986.1.22

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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