殉死 (文春文庫 し-1-37)

  • 文藝春秋 (1978年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784167105372

感想・レビュー・書評

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  • 先日偶々乃木神社に寄って、乃木大将夫妻殉死の間を観たので、読んでみた。

    1967年の作品。翌1968年から『坂の上の雲』の連載がスタートするので、その草稿的な記述が多い。現に、一章に、『筆者自身の思考材料として書いた。』『筆者自身のための覚えがき』とある。

    従って、『坂の上の雲』の中で、乃木大将を愚将としてこき下ろしている記述ぶりは変わらない。(というかこちらが先。)

    が、明治帝になぜ愛されたか、児玉源太郎にも構ってもらえたか、という点については、不思議な納得感のある記述で、いろんなカリスマの在り方があるのだなと思う。

    15分後に一緒に自決しよう、と突然道連れにされた妻静子は不憫。

  • 乃木将軍が無能か、有能なのかなどということはどうでもよいと思います。将軍が後を追うほど、明治帝が彼に与えたものとはなんだったんだろうと考えさせられます。

  • 乃木将軍がまさかの萌えキャラでビックーリしました…好き!

  • 乃木神社に行ったので読みました
    軍旗喪失事件 
    山鹿素行と陽明学
    殉死前の15分
    この辺りがいいですね〜

  • 乃木希典
    どうしても
    好きになれない。
    これを読んだら
    少しは印象が
    かわるのか
    それを試すため
    文庫を手にした。

  • 小説ではないと思う、本作は。
    でも司馬遼節全開、というかこれが真骨頂なんでしょう。
    色々評価の分かれる、そして逸話多き人物なんでしょうけれども、鎌倉時代の主従関係に見立てた明治帝とそこに絡む未来の昭和帝との関わりの話、一番人間臭くて、分かる感ありです。

  •  作者が今作を「思考の契機」と位置づけているように、小説らしくない。が、新書評論とも思えない。ただ
    今作は確かに坂の上の雲の土台になったのだろう。陽明学にも注目したのは、鋭い視点だと思う。

  • この作品は、坂の上の雲より前に書かれているそうです。前半は坂の上の雲の旅順部分を再読している錯覚をしてしまうほど、似ています。
    軍人としては無能でかつ不運の人、詩人としては一流というのが司馬遼太郎の乃木希典の下した評価のようです。
    後半は奥さんの静子か共に自決するまでの心の動きが描かれています。
    坂の上の雲ファンは、読むべき作品とおもいました。

  • 難解な言い回しに読み込めず。ただ、幼い頃、なにかと友達とくちずさんだうたをおもいだした。『陸軍の、乃木さんが、合戦す、すすめ、メジロ、ロシア...』、あとは出てこない。

  • 理想、形式、美意識に傾倒。ドイツ留学で学んだことは、実務よりも制服をしっかり着る礼節や威厳など。日本の精神主義の恐ろしいところ。何より、こういう人を美しいと思うところが恐ろしい。
    西郷に似ているが、西郷は、理想主義でも合理性もある。
    実際に明治を回したのはゴリゴリの現実主義である大久保、陸軍では児玉という対比。しかし、われわれ日本人は理想主義の空っぽな前者を過剰評価してしまう。

  • 毎日芸術賞

  • 「坂の上の雲」を読んだ後、司馬先生は乃木希典のことをあまりよく思っていないように感じたのだけど、これを読むと、実は一周回って大好きなんじゃないかと思えてきた。

  • 2019.5.2(木)¥100(20%引き)+税。
    2019.5.9(木)。

  • 乃木希典という人、古武士、というだけではつかみづらい、イメージし難い人だが、客観的に見れば、著者の言うように、強烈な美意識の持ち主、その美意識に酔いしれることができる人、ということなんだろうなあ。その原点が陽明学にあり、山鹿素行にあることも、説得力がある。何しろ、大石内蔵助、大塩平八郎、河井継之助、吉田松陰、皆陽明学の徒であるとのこと。陽明学は「惻隠の情をおこせばただちに行動し、それを救済しなければならない。救済が困難であってもそれをしなければ思想は完結せず、最後には身をほろぼすことによって仁と義をなし、おのれの美を済す」激越な思想、とのこと。この思想が自分自身に向かって自己完結したのが乃木希典という人だったんだ。

  • 15/8/15読了

  •  乃木希典は旅順要塞攻略のために3度の総攻撃全てで歴史的な大敗を記する。乃木に代わり児玉源太郎が指揮をとって203高地を攻略後、旅順要塞は陥落した。wikiにて詳細を調べえると「この異説は司馬遼太郎の小説が初出で世に広まり、以降の日露戦争関連本でも載せられる程となったが司馬作品で発表される以前はその様な話は出ておらず、一次史料にそれを裏付ける記述も一切存在しない」とある。はたして、真実はどちらなのだろう。

  • “『坂の上の雲』で司馬さんが乃木希典に対してあまりに辛辣で驚きましたが、今回再認識です”「書かれたのは『殉死』が先なんです。先生が40歳のころでした」“爽快に歴史を描く司馬さんが、ああした批評をされるような人物だったんでしょうか”「先生は出兵して満州に渡られたとき、無能な上官に仕えることの辛さが身にしみたようです。ブリキのような戦車で無謀な戦いを強いられ、そんな指令を出す陸軍の上層に対する憎悪は相当強かったのでしょう」

  • 御免なさいと聞こえた気がした。

    最後の最後に、乃木がごめんなさいといったとすればそれはまた感慨深い。

  • チャラチャラしていた乃木が無能であったり息子達が戦死したりといった不遇の人生の中で、死への美徳など精神が傾斜し、ついには妻と共に自殺する話。最後の死のシーンにはなんともいえない雰囲気が流れる。

  • こき下ろすことによってすくわれる。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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