翔ぶが如く 4 (文春文庫 し 1-42)

著者 :
  • 文藝春秋
3.51
  • (5)
  • (12)
  • (20)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 193
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105426

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ☆4つ
    この物語の主人公は薩摩西郷隆盛のはづである。
    ところが実に沢山のその他人物についての詳しい述懐が登場する。
    いちいちここで例を挙げているとキリがないので、逆説的に一点だけ書いておく。
    唯一人坂本龍馬についての記述がほとんど無い。おそらく作者代表作『竜馬が行く』からの影響であろう。

    更に特徴的なのは、すべての歴史的事象と物語が「人」を詳らかに描くことに寄って成り立っており、そしてあろうことかそこには司馬遼太郎のその人に対する嗜好がことごとくはいり込んでいる。
    従って読めば知識は身に付くがそれはあくまで司馬遼の嗜好的思考wで考えた内容だというい事を心得ておく必要がある。
    まあ、もちろん何も読まない体と比べると雲泥の差ではあるのだが。

  • ★評価は再読完了後に。
    西郷って人はそんなに魅力的やったんかいのぅ。政治家ではとても思えんだけに、やっぱり古き良き時代が許す人材だったのかな。
    しかし相変わらずこき下ろし方が尋常でない。後藤、板垣、大隈あたり、ほぼ全否定ですよ。正直これら人物に評価を下すほどの知識も持ち合わせてませんが、血気盛んな若い頃に読んでいたとしたら、そりゃぁ司馬信者になるやもしれません。それ位激烈です。若い皆さんは用心して読んでください。

  • 『翔ぶが如く』4巻を読了。
    あっちこっちの本を読み散らかしていたため、長らく読んでいた。後半は加速したが。

    「佐賀の乱」で江藤新平の斬首。
    「征韓論」の決裂で西郷隆盛は帰郷。
    「征台論」が起こり西郷従道の出兵。
    明治初期の日本は国家としての体を成していなかった。西郷隆盛は帰郷して動く気配がない。にも関わらず、その巨人の影が「佐賀の乱」を引き起こし、鬱屈した薩摩藩士のガス抜きのための征台論がお越り、実際に出兵するところまで行く。弟の西郷従道によって。
    ドラスティックに国が変わっていった。その初期はこんなにも日本が揺れていた。
    しかし、強烈な一人のリーダーの意思で動いていた訳ではない。かといって合議制で動いていた訳でもない。
    強いて言えば、大久保利通が中心であった。
    その大久保が43歳であったことに驚く。

  • 西郷に続いて官を辞した、もとの司法卿・江藤新平が、明治七年、突如佐賀で叛旗をひるがえした。この乱に素早く対処した大久保は首謀者の江藤を梟首に処すという実に苛酷な措置で決着をつける。これは、政府に背をむけて、隠然たる勢力を養い、独立国の様相を呈し始めている薩摩への、警告、あるいは挑戦であったであろうか。

  • 読んだきっかけ:司馬遼太郎は全部読みたい

    かかった時間:9/15-9/26(12日くらい)

    内容:明治維新から西南戦争の話(たぶん)。4巻は、佐賀の乱から、台湾侵攻まで。とはいえ、大部分はこの時代の薩摩を中心とした思想的な話です。
    台湾侵攻事件は知りませんでした。戦後、和睦交渉途中で次巻へ続く。
    ちょっと動きが少なく、退屈でした。

  • (1990.03.24読了)(1990.01.11購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    西郷に続いて官を辞した、もとの司法卿・江藤新平が、明治七年、突如佐賀で叛旗をひるがえした。この乱に素早く対処した大久保は首謀者の江藤を梟首に処すという実に苛酷な措置で決着をつける。これは、政府に背をむけて、隠然たる勢力を養い、独立国の様相を呈し始めている薩摩への、警告、あるいは挑戦であったであろうか。

    ☆関連図書(既読)
    「翔ぶが如く(一)」司馬遼太郎著、文春文庫、1980.01.25
    「翔ぶが如く(二)」司馬遼太郎著、文春文庫、1980.01.25
    「翔ぶが如く(三)」司馬遼太郎著、文春文庫、1980.02.25

  • 20/10/30

  • 90年24刷本

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×