この国のかたち (1) (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (1993年9月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167105600

作品紹介・あらすじ

終戦の放送をきいたあと、なんとおろかな国にうまれたことかとおもった。
(むかしは、そうではなかったのではないか)
とおもったりした。むかしというのは、鎌倉のころやあら、室町、戦国のころのことである。
やがて、ごくあたらしい江戸期や明治時代のことなども考えた。いくら考えても、昭和の軍人たちのように、国家そのものを賭けものにして賭場にほうりこむようなことをやったひとびとがいたようにはおもえなかった。(あとがきより)

長年の間、日本の歴史からテーマを掘り起こし、香り高く豊かな作品群を書き続けてきた著者が、この国の成り立ちについて、独自の史観と明快な論理で解きあかした注目の評論。月刊文藝春秋の巻頭エッセイ。1986~1987

目次

この国のかたち
朱子学の作用
”雑貨屋”の帝国主義
”統帥権”の無限性
正成と諭吉
機密の中の”国家”
明治の平等主義
日本の”近代”
尊皇攘夷
浄瑠璃記
信長と独裁
高貴な”虚”
孫文と日本
江戸期の多様さ
若衆と械闘
藩の変化
土佐の場合
豊臣期の一情景
谷の国
六朝の余波
日本と仏教
日本の君主
若衆制
苗字と姓
あとがき

みんなの感想まとめ

日本という国の成り立ちを深く掘り下げ、歴史をさまざまな視点から考察する作品である。著者は、自身の終戦時の絶望感を背景に、鎌倉や室町、江戸、明治といった歴史的な時代を振り返りながら、日本の本質を探求する...

感想・レビュー・書評

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  • 司馬遼太郎氏の文藝春秋に連載していた随筆集。

    あとがきに氏のこの本への思いが語られている。絶望感で終戦を迎えた20代のご自身への「手紙」として書いたこの随筆は、文化や人、風習、東アジアなど様々な視点でこの国のかたちなるものを書かいている。

    いろいろ騒がしい世の中になり、司馬氏がご存命なら今の状況をどう思うだろうか、とぼんやり夢想しながら読みました。

  • (息子へ)
    なんだかんだいっても、一番好きな作家は誰?と、聞かれたら、お父さんは、「司馬遼太郎」と答えるだろう。

    司馬先生の歴史小説を相当数(60冊)程度、読み終えた。本書「この国のかたち」は、小説ではなく、司馬先生の歴史観をつづったものだ。

    小説を読んだ上で、先生の歴史観に触れると、おもしろみが倍増した。小説が先なのか、史実が先なのか、分からなくなった。ということは、ど真剣に史実に基づく小説を生み出しているということだろう。

    司馬史観と呼ばれるほど、司馬先生の歴史観は、世に影響を与えている。もっとも、その全てが正しいとはいえないが、その洞察力、考えは他と一線を画していることは間違いない。まさに、「学校では教えてくれない日本史」だ。

    お父さんは学生の頃、日本史の授業が大好きだった。しかし、司馬先生に出会って、学生の頃以上に日本史というものに興味を持った。

    司馬先生の残した小説も論説文も、まだまだ読み終えていないものがたくさんある。

    人生の楽しみは尽きることがない。。。ということだ。
    君にも、人生の楽しみを与えてくれる作家に出会って欲しい。

    (お父さんの本の買い方)
    守山市立図書館
    (読め、もしくは、読むな)
    読め!
    (君が・・・歳のころに)
    ある程度、小説を読んだあとに。

  • 「日本とはどういう国なのか」と司馬さんが、23歳の自分自身に手紙を書くようなエッセイ。

    それにはわけが、、、
    召集されて軍隊を経験した23歳の司馬さんは、戦争に負け終戦の放送をきいたあと「なんとおろかな国に生れたことか」と思ったのだそう。

    「昔はそうではなかったのではないか」鎌倉・室町期や江戸・明治期のころのことをである。
    それを小説に書いてきたのでもあった。

    そして、昭和の軍人たちが国家そのものを賭けにしたようなことは、昔にはなかったと確信する。

    「それではいったいこの国は、どうであったのか」と歴史を紐解きながら「この国のかたち」を探る。

    まるで司馬さんの頭の中の引き出しが開かれていくような感じで、話はあちこちに飛びますが、司馬節にあやされて、歴史に詳しくなったような気になること請け合いです。

  • はたと、この偉大な歴史小説家が日本という国をどのように思っていたのかが知りたくなり、本書を読み始めた。脈絡もなく続く著者の思いに納得したりそうでなかったり。ただ昭和初期のあの戦争の時代に対する考察は僕の思いと一致した。

  • 司馬遼太郎氏生誕100年でもあり、約20年振りに読み返してみました。
    《この国のかたち》とても素敵な言葉です。いろいろな歴史的背景を踏まえ、政治、経済、社会、文化、生活等々今を生きる私たちに様々なテーマを投げかけ、考えさせられるとてもおもしろい本です。特に、亜細亜への考え方、太平洋戦争に至るプロセス、神や宗教感に対する考えは…。人も20年経つとものの見方がちょっとは深まるのでしょうかね‥‥

    • ウシさん
      司馬遼太郎の偉人評価がたまらなく面白いですね。
      児玉源太郎
      大山巌
      高田屋嘉平

      テゲの精神も
      司馬遼太郎の偉人評価がたまらなく面白いですね。
      児玉源太郎
      大山巌
      高田屋嘉平

      テゲの精神も
      2023/04/03
  • 日本の近代や歴史についての理解を深めるのに良いと思います。
    日本について一つでも多くを知る事は、生きていく上で、必要と感じます。

  • 十数年ぶりの再読にも関わらず、いくつかの章は印象に残っている。江戸時代の各藩の多様性が明治維新を産んだというあたりは再読して良かった。
    土佐の藩風の倜儻不羈(てきとうふき)は博覧強記の司馬先生ならではの言葉ではないかなぁ

  • 司馬遼太郎の書きたいことがつらつらと書いてあり、いつものわかりやすい説明もないのでちょいと難しかった。

  • やっぱり、司馬遼太郎の文体が好きだ。
    電車通勤の時間に、読書の体力が残っている時にだけ読むから、まだ3巻目しか読めていないけど。日本の国の歴史に対する深い洞察、きっと著者の読書量は半端ないんだろう。
    陸軍士官として戦争を経験したがゆえに感じたこと。当時の雰囲気。それらを後世に残してくれたことを感謝。

  • 著者はが雑誌「文藝春秋」にの巻頭に連載したエッセーをまとめたもの。1986~1987。あとがきは1990年1月。著者が小説を書き続けたその動機について、なぜ昭和の軍人たちは国を賭して愚かな戦争に突き進んだのか、終戦の日に感じた疑問を自分自身で解き明かしたかった、と書いている。小説は、二十三歳の自分への手紙を書き送るようにして書いた、と。
    このエッセーからは、著者の日本民族への深い洞察と愛情が感じられる。

  • 図書館で珍しく手にとった本。実家にあったので、早速読んでみた。もっと歴史を勉強しないといけないと思いつつも腰が重い私は、テーマごとに各時代の話にスリップできるので面白く一冊読めた。まだ続きがあるので、実家に帰るごとに読んでいかないと。。。。

  • まず、司馬遼太郎はやはり面白い。どこか客観的でありながら、ズバリと主観的意見を主張する。この本は全6巻でまさに「この国のかたち」を論じている。第1巻は大正期から戦前までの時期、なぜ日本人が無謀な戦争に走ったかについてページを割いている。司馬は「鬼胎」いう造語を使って突然変異としか思えぬような取り扱いをしているが、読み進めるとその原点が次第に明らかになる。その他、江戸文化や武士の振る舞いなど、日本人論として必読。

  • とても難しい

  • 初めて昭和時代に書かれた本を読んだ。
    あまり作家に詳しくない自分でも、司馬遼太郎という名前を聞いたことがあったため、有名な人なのだろう、教養として読んでおこうと思った。

    内容は日本史に関して、司馬遼太郎の独自の視点で考察が描かれていた。文章も古くて読みにくいということはなかった。予備知識の問題で内容が理解できない箇所は所々あったが、全体的に面白く読むことができた。

    特に、戦争に関する描写がリアルで、実際に満州での戦争を経験した人が見聞きしたことが書かれており、戦争の悲惨さが理解できた。
    司馬遼太郎自身も、日露戦争から太平洋戦争の期間は、日本史の中でも美しくない、醜い期間だと言っており、戦時中の日本の政府がいかに機能していなかったかが描かれていた。

  • 全般的には、初出が雑誌の連載なのと、文体が脱線気味(道を見失いがち)で読みにくいところもあったが、いくつかの点で、日・中・越を比較して理解するのにも繋がる等、面白かった。

    ①儒教のこと。王土王民制(土地も人民も行程一人の所有、という思想←儒教由来らしい)。日本は隋唐に倣いつつも、宦官と科挙は取り入れず、そして面的なところ(血族的)も取り入れず。[p.14-16]
    ※儒教は地域を公とせず、血族を神聖化する。
    ※この点、ベトナムは日本よりもよほど中国みたいだ、とも言えるかもな。

    ②日本は民間や民衆さえも「公」の意識を強く持ちがち(日本には資本主義の主体も民も「公」)だが、中国で公の意識はせいぜい科挙出身の官僚の一部で、私の強烈な連帯はあっても公はない。
    ゆえに日本人は常に(公意識を背負って)緊張し、中国人はむしろリラックスしている。[p.159,172,181]

    ③藩政期の多様性(常に教育)、一方で、戦後は平面的統一性・単純性、ゆえに閉塞感。
    小藩の精度高い教育こそ内部的豊かさをうむ(薩摩は「学問」を軽んじ独創性を重視していたのに対し、佐賀では暗記ばかり)。
    江戸期は日本の中で国際社会(ヨーロッパの中に多くの国があるような)、とも表現できる。[p.164,169]

    ④秀吉には計数と土木の才。信玄の農業土木(信長の楽市楽座にも匹敵する)。[p.129,225]

  • いくら大河ドラマを見ても、歴史小説を読んでも、尊皇攘夷思想が理解できず明治維新が分からない。
    そんな自分にとって、学生時代に日本史ではなく世界史を選ぶのは自然な選択だったけれど、もし学生時代にこの本に出会っていたならば…、日本史を選択する可能性もあったかもしれない。現役の学生さんにおすすめしたい。
    「この国のかたち」とはずいぶんと大きなタイトルだけれども、その名に違わず、教科書のような忖度なくして、この国のかたち(他に言い表わすことばがない)が書かれたスゴイ本。

  • 1990年に上梓されたエッセイ本。しかし、充分に読み応えがあります。どの章も重みがあり今を生きる私たちの標になります。
    歴史的知識だけではその時代を理解できません。誰がいつどこでどうしたのか。何故そうなったのか…史実の背景を読み解く必要がありますが、これを読み教科書的のみで浅かった知識が広がり深まりました。
    歴史小説を何冊も書いてきた司馬さんですが、それも明治時代まで。
    あの昭和初期から敗戦に至るまでの日本史に猛烈に怒っています。
    …ながい日本史の中でも特に非連続の時代、ーあんな時代は日本ではないーと理不尽なことを灰皿でも叩きつけるようにして叫びたい衝動が私にはある。…日本史のいかなる時代とも違う、“異胎の時代”とも表現しています。
    日本陸軍、参謀本部の暴走の正体を説いています。
    自分たちの名田を守るために武装して起こった武士の時代。鎌倉時代の坂東武者に代表されるような一所(名田)に命を懸ける潔さ、名誉を尊ぶ気質など日本史を貫くもの。日本人の底流にあるものに目を向けています。

  • 読了 20231029

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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