この国のかたち 一 (文春文庫 し 1-60)

著者 :
  • 文藝春秋
3.64
  • (84)
  • (167)
  • (220)
  • (16)
  • (2)
本棚登録 : 1818
感想 : 134
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105600

作品紹介・あらすじ

日本は世界の他の国々とくらべて特殊な国であるとはおもわないが、多少、言葉を多くして説明の要る国だとおもっている。長年の間、日本の歴史からテーマを掘り起し、香り高く稔り豊かな作品群を書き続けてきた著者が、この国の成り立ちについて研澄まされた知性と深く緻密な考察をもとに、明快な論理で解きあかす白眉の日本人論。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「日本とはどういう国なのか」と司馬さんが、23歳の自分自身に手紙を書くようなエッセイ。

    それにはわけが、、、
    召集されて軍隊を経験した23歳の司馬さんは、戦争に負け終戦の放送をきいたあと「なんとおろかな国に生れたことか」と思ったのだそう。

    「昔はそうではなかったのではないか」鎌倉・室町期や江戸・明治期のころのことをである。
    それを小説に書いてきたのでもあった。

    そして、昭和の軍人たちが国家そのものを賭けにしたようなことは、昔にはなかったと確信する。

    「それではいったいこの国は、どうであったのか」と歴史を紐解きながら「この国のかたち」を探る。

    まるで司馬さんの頭の中の引き出しが開かれていくような感じで、話はあちこちに飛びますが、司馬節にあやされて、歴史に詳しくなったような気になること請け合いです。

  • はたと、この偉大な歴史小説家が日本という国をどのように思っていたのかが知りたくなり、本書を読み始めた。脈絡もなく続く著者の思いに納得したりそうでなかったり。ただ昭和初期のあの戦争の時代に対する考察は僕の思いと一致した。

  • 司馬遼太郎氏生誕100年でもあり、約20年振りに読み返してみました。
    《この国のかたち》とても素敵な言葉です。いろいろな歴史的背景を踏まえ、政治、経済、社会、文化、生活等々今を生きる私たちに様々なテーマを投げかけ、考えさせられるとてもおもしろい本です。特に、亜細亜への考え方、太平洋戦争に至るプロセス、神や宗教感に対する考えは…。人も20年経つとものの見方がちょっとは深まるのでしょうかね‥‥

    • ウシさん
      司馬遼太郎の偉人評価がたまらなく面白いですね。
      児玉源太郎
      大山巌
      高田屋嘉平

      テゲの精神も
      司馬遼太郎の偉人評価がたまらなく面白いですね。
      児玉源太郎
      大山巌
      高田屋嘉平

      テゲの精神も
      2023/04/03
  • 日本の近代や歴史についての理解を深めるのに良いと思います。
    日本について一つでも多くを知る事は、生きていく上で、必要と感じます。

  • 十数年ぶりの再読にも関わらず、いくつかの章は印象に残っている。江戸時代の各藩の多様性が明治維新を産んだというあたりは再読して良かった。
    土佐の藩風の倜儻不羈(てきとうふき)は博覧強記の司馬先生ならではの言葉ではないかなぁ

  • 司馬遼太郎の書きたいことがつらつらと書いてあり、いつものわかりやすい説明もないのでちょいと難しかった。

  • やっぱり、司馬遼太郎の文体が好きだ。
    電車通勤の時間に、読書の体力が残っている時にだけ読むから、まだ3巻目しか読めていないけど。日本の国の歴史に対する深い洞察、きっと著者の読書量は半端ないんだろう。
    陸軍士官として戦争を経験したがゆえに感じたこと。当時の雰囲気。それらを後世に残してくれたことを感謝。

  • 著者はが雑誌「文藝春秋」にの巻頭に連載したエッセーをまとめたもの。1986~1987。あとがきは1990年1月。著者が小説を書き続けたその動機について、なぜ昭和の軍人たちは国を賭して愚かな戦争に突き進んだのか、終戦の日に感じた疑問を自分自身で解き明かしたかった、と書いている。小説は、二十三歳の自分への手紙を書き送るようにして書いた、と。
    このエッセーからは、著者の日本民族への深い洞察と愛情が感じられる。

  • 図書館で珍しく手にとった本。実家にあったので、早速読んでみた。もっと歴史を勉強しないといけないと思いつつも腰が重い私は、テーマごとに各時代の話にスリップできるので面白く一冊読めた。まだ続きがあるので、実家に帰るごとに読んでいかないと。。。。

  • まず、司馬遼太郎はやはり面白い。どこか客観的でありながら、ズバリと主観的意見を主張する。この本は全6巻でまさに「この国のかたち」を論じている。第1巻は大正期から戦前までの時期、なぜ日本人が無謀な戦争に走ったかについてページを割いている。司馬は「鬼胎」いう造語を使って突然変異としか思えぬような取り扱いをしているが、読み進めるとその原点が次第に明らかになる。その他、江戸文化や武士の振る舞いなど、日本人論として必読。

全134件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×