本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167105662
作品紹介・あらすじ
「四十年かけて、ここまで歩いてきたようなものだから、草臥れた」。ホータンに着いた日、二人はこんこんと眠った――。文化大革命の末期、1975年春、井上靖を団長とする司馬遼太郎、水上勉、庄野潤三、小田切進、福田宏年ら作家代表団が訪中した。帰国後、二人が語り合り尽くした西域への想い、それが結集した本書は、平山郁夫をして「今後も、西域を語る書として、最も感動的な名著として伝えられるとして信じている」と言わしめている。
目次
西域の山と河と砂漠 井上靖
新疆ウイグル自治区を訪ねて 司馬遼太郎
西域への夢 井上靖・司馬遼太郎
胡蝶の美または文化の移動性
西域から来た仏たち
ステップルートは金の道
中国と朝鮮と日本の塔
はるかな西域への憧れ
西域をゆく 井上靖・司馬遼太郎
河西回廊をゆく
天山山脈をこえて
ウルムチの第一夜
ウルムチの博物館で
イリと西域の川
ホータンの印象
トルファンへ行く道
西域の遺跡に立って
オアシスの都
ウィグルの民族性
西域を語る 井上靖・藤枝晃・樋口隆康・司馬遼太郎
大谷探検隊の経緯
西域出土品の行く方
大谷光瑞という人
中央アジア探検の成果
于闐の都跡について
崑崙の玉と漢族
西域の漢城と回城
中央アジアの民族
日本人にとっての西域
シルクロードの商人
西域のイスラム化
砂に埋もれた遺跡
敦煌への旅 井上靖・司馬遼太郎
敦煌へ行く道
沙漠のなかの田園都市
莫高窟を観る
豊富な研究テーマ
生きた歴史の宝庫
あとがき 井上靖/司馬遼太郎
解説 平山郁夫
註
みんなの感想まとめ
歴史と文化の交差点である西域を訪れた著名な作家たちの貴重な体験が描かれています。1970年代の新疆ウイグル自治区を舞台に、井上靖と司馬遼太郎がそれぞれの旅行記を交えながら対談を展開し、さらに専門家たち...
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
歴史小説の大家である井上靖、司馬遼太郎両氏による、1977年に行った新疆ウイグル自治区への旅行を中心に新疆、敦煌などいわゆるシルクロードについて語る対談集。
最初は両氏によるそれぞれの新疆旅行についての紀行文。
その後は2人の対談があったり、プラスで藤枝晃氏、樋口隆康氏も加わった4人の鼎談も収録されている。
とにかく両氏ともに知識量や洞察力がすごくて、40年以上たった今でも関心する事柄が多いのだが、それに専門家2人も加わった鼎談は読み応えがあった。
大谷探検隊の話とか、こちらからすると歴史上の人という感じだけれど、とにかく全員知ってるの?というくらい詳しいのは感動するし、その辺りの事情などもここで読めるのは豪華だと思ったし、敦煌を旅した時の莫高窟の案内役が常書鴻氏とあってすげーと思ったり…
とにかく、今では考えられないくらい旅程も大変だし、
大人数(案内として当局の人がつく)で気軽じゃないし
みたいなのを含めて、ロマンだなぁと思う。
街道をゆくの時もそうだが、ネットもなく本もそんなに持っていけない、
写真もフィルム式と限られた条件且つ
二度といけないかもしれないという状況の中で
的確に物を見て案内の人に質問をしたり、
教えてもらったことをきちんと覚えているとか
そういう部分もすごいなぁと思うし。
この頃の紀行文は本当に読んでいて楽しい。
し、彼らが現地でどんなものを見てどう感じたかなど
知れる機会となるこの本が発行されて良かったと思う。 -
井上靖・司馬遼太郎 両氏の対談本 西域をゆく 読了
古代だけじゃなく70年代頃の新疆ウイグル自治区や中国の空気感をつたえてくれる
両氏の博識ぶりと個性がよく出ていて読み応え十分
当時に比べて移動手段は上がったのに政治情勢が悪化してるのが残念ですね -
井上靖さんと司馬遼太郎さんが西域を訪問したのちの対談集。この本にもあるが少し前に陳舜臣さんが訪れている。たぶんその時の本が「シルクロードの旅」。この本が漢代から唐代を主に話題にしているのに対し、陳さんは清末以降の近代を主に話題にしていたと思う。中国人の陳さんと日本人との違いか。陳さんの本は当時の「解放された中国」にについても、好意的に紙幅をさいているのに対して、この本にはあまり書かれていない。中国人の陳さんとの違いか。対談集という形式もあるのだろうが。
-
新疆ウイグル自治区をめぐる対談集。
シルクロードの東の果ては京都、という言い方があるが、井上靖と司馬遼太郎の両氏が西域に並々ならぬこだわりを持つ理由も、古代日本との無視できない関わりによっての事だろう。
・蝶はいつから美的対象とされたのか
・日本と朝鮮で進んだ金細工が中国で発展しなかったわけ
・砂漠は衛生的で暮らしやすい
・西域の遺跡が保存された理由は恐怖スポットゆえ?
・国際都市「唐」の都のバーで遣唐使が見たもの
等々。学びの多い一冊。 -
今から41年前に、井上靖と司馬遼太郎が共に旅した西域、今で言う新疆ウイグル自治区や甘粛省を対談形式で語っている。これを2018年の今読み直すというのは、今の中国に対する理解を一歩引いて見直す良いきっかけになる。元々両者と中国との関わりや当時の日中友好ムードの気配も感じられるし差し引いて考えるべきものも少なく無いが、それにしてもここ10年での中国の変わりようにも気付く。中国人にこそ読んでもらいたい対談でもある。
-
1977年に、中国は新疆ウイグル自治区を旅した井上、司馬両氏の対談を中心に纏められた本。
井上氏の西域に対する並々ならぬ情熱に圧倒される。
小説「敦煌」では、経典を戦禍から守るために石窟に埋めたストーリーになっていたが、本書で藤枝氏は「…ちょうどあの頃、印刷技術がはじまって、一切経が新しい型の本になった。すると、いままでの手書きの巻物の処置に困るわけです。神聖なお経だから、捨てるわけにもいかず、焼くのはもったいないし、鄭重に石窟のなかに葬ったわけですね。」と、ロマンティックでない解説をしている。西夏と宋の戦乱の中で、奇しくも、タイムカプセルに入れられるようにして敦煌の石窟に保存された、というのは井上氏の創作だったのか。それともう一つ。「敦煌」は現地を見ずに執筆された、とのこと。文献をくまなく調べたのではあろうが、井上氏の想像力の逞しさは半端ないなぁ。 -
新疆ウイグル自治区「オアシスの都」についての説明(参照P125~)山には猛獣、ばい菌がいる。オアシスには猛獣はもちろん、ばい菌も毒虫もいないらしい。作物を栽培しても害虫の心配はない。南は伝染病が発生しやすいので逆に住みずらいのだとか、発想の転換。そうすると中国圏に伝わる風水とか意味が無さそう。北東方向は鬼門、日当たり悪し水回りに菌が繁殖しやすいのでいつも清潔にするべしってオアシス都市には関係ない。
-
井上靖と司馬遼太郎の対談。西域について。来週から旅の空なのだが、残念ながら、西域(新疆)には時間がなく、行けない。だが、甘粛には行く事になる。
井上靖、みなさん敦煌へ行く目的は莫高窟であると思いますが、僕ももちろん莫高窟が目的ですと言った時は、井上大先生でも庶民と変わらないんだなと苦笑してしまった。
敦煌には行く予定なのだが、莫高窟に行ったことあるので今回はいいかと思っていたが、この本を読んでやはり行ったほうがいいかと思いを新たにした。 -
西域というのは、何とロマンのある響きなのだろう。
この名称は、中国北西部。現在は新橿ウイグル自治区となっている地方。タクラマカン砂漠や天山山脈という人間を圧倒する厳しい自然。シルクロードの中継地点としても栄えたこの地は独自の文化を育んできた。
長年この地に憧れていた作家・司馬遼太郎氏と井上靖氏が夢を実現。西域を自らの足で訪れたその感動を語り尽くす。
敦煌の古い都の情景、行き交う交易商人の足音が聞こえてくるようだ。前漢の武将、カク・キョヘイ(漢字が出てこない・・・)の事績など、歴史の勉強にもなった。
僕はこの本を読んだ次の日に文教堂で井上靖氏の『敦煌』を買ってきた。 -
私は、西域に対して、
どういうわけか、興味がある。
それは、幼い頃に、井上靖の敦煌を読んだことが、
影響していると思う。
井上靖が、敦煌(1951年1月から5月群像連載)
に行かないで、敦煌の物語を書いたことには、
その想像力のたくましさに驚く。
1978年5月に敦煌に行く。
日本人は、蝶々をいつから美しいと感じたのか?
万葉集には、蝶々はない。
万葉時代(約350年から759年)
蝶々が文様化されるのは、
安土桃山時代。(1573年から1600年)
中国では、「胡蝶の夢」を見たのは、
壮子(前369から286年)である。
大谷探検隊 日本の浄土真宗西本願寺22代の
宗主大谷光端、仏教遺跡調査の名目で、
中央アジアに派遣した探検隊。
第1回1902年~04年。
本田恵隆、井上弘円、渡辺哲信、堀賢雄の4人
をつれて、ヨーロッパからパミールを越えて、
カシュガル、ヤールカンドをとおって、インドに入った。
第2回1908~09年
橘瑞超、野村栄三郎のふたりが、
トルファン、ロブ・ノール、クチャ、ホータンなどを調査。
第3回は、1910~14年に
橘、吉川小一郎が敦煌を始め中央アジアを調査。
「西域考古図譜」「新西域記」
スタイン イギリスの探検家
Mark Aurel Stein 1862-1943
ベズクリクの千仏洞 トルファン 東方50キロ -
井上靖と司馬遼太郎が西域について語ってる豪華な一冊。
それも平山郁夫画伯の表紙付き。
皆、西域好きな人たち。
知識量が半端じゃなく、マニアックすぎて話しについていけないという部分もあるのだけど、さすが本格派の小説家の口から出る言葉で、西域のロマンや魅力が十分伝わってくる。
井上氏は、西域が日本人やアジア人にとって、文化の源のようにとらえていて、私たちが西域を懐かしく感じたり、憧れたりするのはそのせいだ、と考えているようだ。
うんうん、そうかもしれない、何か郷愁じみたものを感じるもの。
崑崙山は、西域にあって、中国からインドへの道なのだけど、神さびた山のように思われていて、実際神聖な気が満ちているのだとか。
風水などでは、ここを龍脈の根源としているし、地磁気エネルギーの源でもあるらしい。
西域っていうのは、いろんな意味で、私たちにとって大切なところのようだ。
ロマンだなぁ。
著者プロフィール
井上靖の作品
本棚登録 :
感想 :
