新装版 竜馬がゆく (7) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 202
  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105730

作品紹介・あらすじ

同盟した薩摩と長州は着々と討幕の態勢を整えてゆく。が、竜馬はこの薩長に土佐等を加えた軍事力を背景に、思い切った奇手を案出した。大政奉還-幕府のもつ政権をおだやかに朝廷に返させようというものである。これによって内乱を避け、外国に侵食する暇を与えず、京で一挙に新政府を樹立する-無血革命方式であった。

感想・レビュー・書評

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  • この時代に船中八策をまとめ上げたことは、現代人がいくら時代背景を想像して賞賛しても足りないレベルの偉業だと思う。
    あと、山内容堂について今まで漠然と立派な人だという印象を持っていたのですが、本書での書かれっぷりは決して好意的ではない。どういう人だったのか自分なりの見解を持つために、別の立場からの書物を読んでみたくなりました。

  • 再読中。幕府の第二次長州征伐が始まるも、長州のトリックスター高杉晋作の活躍で長州側が勝利を得る。その後、将軍家茂が亡くなり、さらに天皇でありながら最大の佐幕家だった孝明天皇の崩御で、時代は勤王派に有利な流れに。

    長崎でくすぶっていた竜馬に、土佐藩の後藤象二郎が接近。亀山社中は土佐藩の付属となり海援隊と名を改める。蒸気船「いろは丸」を手に入れて意気揚々と初航海・・・のはずが、紀州藩の船に激突されてあえなく沈没、溺死者こそなかったものの、船と積み荷はお陀仏、まったく悪いと思っていない紀州藩の態度に竜馬ブチギレ、他藩を巻き込んでの騒動に。(余談ですがこのいろは丸、およそ120年後の1988年に海底に沈んでいるのが発見されて色々詳しい調査が進んだ模様。http://www.tomonoura.jp/tomo/irohamaru.html

    竜馬が船のあれこれに追われてる間、政治的なあれこれは中岡慎太郎が奔走中。土佐藩内ではかつて敵対していた乾退助(のちの板垣退助)と仲直りして藩を動かし、一方で朝廷工作のために岩倉具視を引っ張り出す。

    大浦お慶の男妾になる陸奥など笑える要素もちらほら。海援隊士はがぜん池内蔵太と陸奥びいきだけれど、中島作太郎も可愛いな。ところで中島作太郎信行といえば、1986年のドラマ『白虎隊』などでも、会津藩家老の西郷頼母一家の女性たちが籠城戦の前に全員自刃したときに、死にきれていなかった16才の娘を発見し、娘(ドラマでは伊藤つかさだった)が「お味方ですか」と尋ねたのに、安心させるために「そうだ」と答えた(娘はその後すぐ息絶える)というエピソードが有名でしたが、現在では中島は会津戦には参加しておらず、よく似た名前の別人説が確定らしい。

  • 竜馬がひとつずつ仕事を終えていく。
    その度に、結末だけを知りすぎている身としては、終わりが近いなって感じてしまう。
    しかし、その分、これからを担う人たちとの関わりも増えているんだなと感じる。
    それにしても、また船なくなっちゃいましたね。
    竜馬の悲願なのに、とことん船に恵まれない…。

  • 西原さんが言うように、後年の坂本龍馬人気は司馬センセの影響かと私も思う。そりゃこんだけ魅力的に描かれちゃあね

  • ついに時代が動きまくるところに突入。歴史が変わり、今の時代がつくられたのはこのことがあったからかと感慨深い。

  • 竜馬の出番が少なくこれまでの盛り上がりがなかったので物足りない7巻でした。8巻に期待です。

  • 前巻で薩長同盟が成立したせいか、薩長二国の人物よりも、中岡慎太郎、後藤象二郎、岩崎弥太郎といった土佐の人間が主要な登場人物となるこの1冊。あと1冊。ようやくここまで来た。

  • 佐幕派の孝明帝が崩御、幼い天皇が擁立される。このサポートとして徳川が力をつけてしまえばあと100年は安泰となってしまう。そう考えた志士たちは今こそ倒幕の時だと奮い立つ。中岡慎太郎は四列侯会議を促し、薩摩長州主導のクーデターを計画するも、土佐の山内容堂は徳川への恩もあり薩摩と長州に流されて倒幕に加担するのはいやだと国へ帰ってしまう。そのころ容堂に呼ばれた長崎滞在中の後藤象二郎は龍馬の連れて京へ。その船の中で龍馬は『船中八策』、大政奉還することを提案する。これは結果的に容堂の板挟みを助ける策でもあった。後藤象二郎は容堂に進言。これが土佐藩命となる。
    後藤は龍馬に人生で一度でいいから土佐を助けてくれ、と懇願して同行を求めるが、龍馬は土佐を助けるつもりはない。あくまでもこの国唯一の日本人として行動している。薩摩や長州が政権を握ってしまうことになれば、また争いの絶えない世の中になる。そうではなく、平らな世の中をつくり、日本という一つの塊で世界に対抗しなければならないと。ついに明治維新の主人公たちによって国が大きく動く。

    おもしろき、こともない世を、おもしろく
    すみなしものは心なりけり。

  • 薩長同盟成立、幕長戦争での長州の勝利により時勢は倒幕に傾く。土佐も巻き込み、薩長土の武力を集結させいざ倒幕という時に、竜馬が大政奉還という奇策を提示する。幕府の持つ政権を自ら朝廷に返させるという無血革命方式である。この大政奉還という奇策は竜馬が思いついたものではなく、3年も前に勝、大久保の2人から聞いていた案だった。「批評は頭脳のしごとである。その施すべき時機を見つけるのが実行者のかんである。」と言うのがまさにその通りである。常に時機を鋭く読んで行動していた竜馬だからこそ、いざという時に記憶を頭の片隅から引き出せ、藩や個人の思想に捉われず、常に「日本」という広い視点で物事を捉えていたからこそ提示できた策である。日頃から何事も全て自らの蓄えとし、それを必要な時に組み合わせてアウトプットする。人よりも一歩引いた広い視点を持って物事を捉える。本件に限らず、一貫して竜馬から学んでいることである。

  • 徳川家茂の死去から幕末が急速に回転し始める第7巻。後藤象ニ郎や岩崎弥太郎、中岡慎太郎の活躍を経て、いよいよ竜馬による船中八策の起草に至り、維新に関わる人物達の凄さを思い知りました。その中においてやはり竜馬は猪突していますね。
    船中八策はあまりに妙案で、その内容は既に今日の日本の正に基礎と言える凄い内容であり、知らずが恥も言えるものですね。
    踏まえて、最終巻を噛みしめながら読みます。

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著者プロフィール

1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語学科卒業後、産経新聞社に入社。59年「梟の城」で直木賞受賞。独自の史観を駆使し、戦後の歴史小説に新風を吹き込んだ。代表作は『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『翔ぶがごとく』など。93年に文化勲章を受章。96年に72歳で死去。

「2008年 『豊臣家の人々 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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