新装版 竜馬がゆく (8) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 284
  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105747

作品紹介・あらすじ

慶応三年十月十三日、京は二条城の大広間で、十五代将軍徳川慶喜は大政を奉還すると表明した。ここに幕府の三百年近い政権は幕を閉じた。-時勢はこの後、坂を転げるように維新にたどりつく。しかし竜馬はそれを見とどけることもなく、歴史の扉を未来へ押しあけたまま、流星のように…。巻末に「あとがき集」を収む。

感想・レビュー・書評

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  • 8巻を1ヶ月ちょっとで読み切りました。
    数年前に大河ドラマ「龍馬伝」を見ていたので
    基本的に登場人物はその時の雰囲気で頭に思い描いていました。
    しっくりくるような来ないような。
    饅頭屋は大泉洋だったと思うので見た目と一番ギャップが
    あったように感じましたかね。

    昔氷川清話という勝海舟の語った話をまとめた本を
    読んだのですが、その時は坂本竜馬はあまり出てこず
    西郷南州がとにかく凄かったみたいな語り口だったので
    実際のところ途中で暗殺されたが故に竜馬は実際以上に
    持ち上げられたのではなど色々考えていたのですが
    この長編物語を読む限り坂本竜馬は幕末で唯一無二の存在ですね。
    幕府だ藩だと小さい議論しかしていなかった人々の中で
    一人日本という国のことを考えてずっと行動し続けていた
    というところに素直に感動しました。
    また、よく竜馬が心の中で語る言葉に勝ち過ぎは良くない
    というのがあり、議論などで相手を完膚なきまでに叩き伏せることを
    ついついしがちですがそんなことをしても建設的ではない
    というようなニュアンスでした。
    常に大局を見て結論を出そうとする人柄がよく現れていると感じました。

    物語の終盤はいつ殺されるかこちらがヒヤヒヤしながら
    読んでいたのですが、江戸時代を終わらせるための
    仕事はやり切った上で暗殺されていたのだなと改めて思いました。

  • ☆は5つ!

    最終巻だというのに、作者はどうにも土佐びいきのようで甚だ平等感に欠ける。竜馬本人以外のことはもうここまで来たらどうでもいいような気がするのに。司馬遼先生、一生懸命に取材旅行などするうちに土皿鉢料のファンにでもなってしまったのだろうか。気になるので今度『・・・街道を行く』シリーズに探りを入れてみよう。『土佐街道を行く』って有ったかなぁ。ま、いっか。

    さて司馬遼『竜馬がゆく』。思えばなんとも宴会場面の多い小説であった。剣を交えて戦っているより、お酒を飲んで宴を張っている場面の方が圧倒的に多かった。
    聞けば作家という生業は偉くなると出版社の編集長や担当編集者達と銀座界隈で宴会をするのがその習性になると言うが、司馬遼先生もそおであったのだろうな。いやこれは坂本竜馬とは直接関係はないがこの小説のキモであると思ってしまったのでつい書いた。すまぬ。

    しかし、竜馬最後の場面を描く最終の何枚かは、心が打ち震えるものがある。やはり名作である。

  • 遂に大政奉還が成った。薩摩や長州が倒幕戦をしようとしている中で、竜馬だけが無血革命の方針を打ち立て、成功させた。大政奉還が成された後、慶喜の心中を思い、「この公のためには一命を捨てん」と言ったその言葉が竜馬らしいと思った。対立していた相手のことを理解するなんてなかなかできることではない。
    また、ここまで事を成し遂げ、維新後の構想を明確に持っていたのは竜馬ぐらいだったにもかかわらず、第一線からは退き、政治には参加せず、世界の海援隊をやると言った竜馬の生き方はやっぱりかっこいい。ただ、これから自分の好きなことがやれるというときに暗殺されたのが残念でならない。

  • 竜馬の人柄と器の大きさ、そして思考力のすごさに圧倒されて全編通しておもしろかった。こんなにもひとを隔てなく、そして決して奢らず、万物をみているのがすごい。今の日本があるのも竜馬のおかげだなと思った。

  • 第1巻を買ったのが1997年。それから2、3冊読んでは挫折し、しばらく経ってからまた1巻から読み直し、また挫折する。そんなこんなで読破するのに20年以上もかかってしまった。でも、読破するだけの価値のある作品だった。

    1回しか読まないのはもったいないし、またいつか読み返そう、読み返すべきとは思ってるけど、通読するのには相当の覚悟が必要だろうなぁ。他に読みたい本もいっぱいあるし。

  • 色んな坂本龍馬の本を読んで来たけど、
    やっぱこの小説のラストが一番好きです。

  • ぶれない生き方やね

  • ついに、徳川慶喜によって竜馬が構想した大政奉還が実現。岩倉具視によって計画された倒幕の詔勅が朝廷から出たのは慶喜の決断のわずか数時間後であった。300年の歴史を自ら終わらせた慶喜の決断に、竜馬は胸を打たれる。
    一方で戦争を起こして幕府を倒すため燃え上がっていた薩摩と長州は肩透かしをくらう形に。竜馬は新政府をすぐに樹立せねば戦争が起き国がバラバラになってしまう、として、新政府の構想を西郷へ持っていく。新政府の人員も、薩摩、長州を中心としたメンバー。そこに土佐からは後藤象二郎のみ。山内容堂もいない。そして、坂本竜馬の名前もない。不審がる西郷に竜馬は「世界の海援隊でもやりましょうかな」と。

    世に生を得るは、事をなすにあり。まさに竜馬は言葉通り、大事をなしてから、この世を去った、、。

    なぜ、小中高で日本史を勉強していて、坂本竜馬の名前が出てこなかったのか。なぜ今日まで坂本竜馬という人間をよく知らなかったのか。それはきっと、竜馬が人の良さを引き出し、操る達人であり、自分は黒子に徹していたからでは。今回竜馬がゆくを読んで、今日の日本は竜馬の構想がベースにあるという事を知り、感動を覚えた。私欲のなさ、大局観、交渉術。とても普通の人が真似できるものじゃない。一体彼は何者だったのだろう…。

    大好きなのは陸援隊の章に出てくる、幕臣の永井尚志に仙人として話をシーン。

    「おれは日本を生まれ変わらせたかっただけで、生まれ変わった日本で栄達するつもりはない」「仕事というものは、全部やってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道であり、あとの二分は誰でも出来る。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。そうでなければ大事業というものはできない」

  • 大政奉還を軸とした最終巻。ノンフィクション、フィクションを問わず、この展開はあまりにも劇的であり、その演出者である竜馬の所業は人間業ではない。あくまで無血で日本を救済、栄えさせる大儀を持ち、私心を去って自分をむなしくすることで人を集め、知恵と力を集結する手法はどんな仕事に関わらず見習うべきものと感じます。人の説得法についても、感情に流されずに「利害」を論述とすることも要点ですね。
    出版社の都合により、作者が命名した巻毎のごとのサブタイトルの削除と、あとがきがまとめて最終巻に寄せられているのは残念。あとがき五は竜馬暗殺の真相解明や後日談が中心となっており、読み応えがある。後の海軍や、三菱の前身を興す等、後年に多大な影響を与え、「世界の海援隊でもやる」「自分は役人になるために幕府を倒したのではない」とスケールの大きな構想の一端をみせつつ夭折した竜馬。もう少し生きていれば鳥羽伏見の戦いも徳川慶喜始め徳川家の悲しき顛末も無かったろうし、もう少し日本の現在も変わっていただろうとむなしく夢想してしまいます。
    歴史から多くのことを学ぶ以上に歴史上の人物からはそれ以上に生き方を学べると深く感じ入った作品です。愛読書に数えたいですね。

  • 竜馬の奔走により、ついに大政奉還が実現した。薩長同盟の時もそうだったが、竜馬の交渉術には心底感心する。持ち前の性格を活かしたアイスブレイクに始まり、相手の立場や思想、性質に細かく配慮した話の運び方、考えさせる間の取り方等、学びが非常に多い。また、竜馬は大政奉還が成立した後、すぐに新政権のための組織体系と人員配置の案を出す。薩長の中心人物でさえ、倒幕が目的であり、その後の構想を持っていなかった者がほとんどである中、竜馬にとって倒幕は手段でしかなく、その後の新政権で日本を変えていくことに目を向けていた。さらに、新政権では有能な人物を適材適所に任命し、自らは外れて既に世界を舞台にしようとしていた。人より広い視点を持ち、人より何歩も先を見据えられる人間は強く、ブレないと思い知らされた。最後に、「世に生を得るは事を為すにあり」竜馬が一生を通じて伝えたこの教えを心に留めて生きようと思う。

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著者プロフィール

司馬遼太郎は、1923年、大阪市生まれの日本の歴史小説家・エッセイストである。故人。
本名、福田 定一(ふくだ ていいち)。大阪府大阪市生まれ。筆名の由来は「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)」から来ている。
特に歴史小説の大家として知られ、代表作は「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」「燃えよ剣」「新撰組血風録」「菜の花の沖」「花神」「世に棲む日日」「梟の城」「関が原」「功名が辻」「国盗り物語」「街道をゆく」「十一番目の志士」「城をとる話」「風神の門」「二十一世紀に生きる君たちへ」他多数。その多くが大河ドラマ化、テレビドラマ化、映画化、コミック化などの形でマルチメディア展開されている。

司馬遼太郎は産経新聞社記者として在職中の1960年に、『梟の城』で直木賞を受賞。
1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。
戦国・幕末・明治を扱った作品が多い。
1996年2月に72歳で逝去。
2001年には、東大阪市の自宅隣に司馬遼太郎記念館が開館。

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