新装版 竜馬がゆく (8) (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105747

感想・レビュー・書評

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  • ぶれない生き方やね

  • ついに、徳川慶喜によって竜馬が構想した大政奉還が実現。岩倉具視によって計画された倒幕の詔勅が朝廷から出たのは慶喜の決断のわずか数時間後であった。300年の歴史を自ら終わらせた慶喜の決断に、竜馬は胸を打たれる。
    一方で戦争を起こして幕府を倒すため燃え上がっていた薩摩と長州は肩透かしをくらう形に。竜馬は新政府をすぐに樹立せねば戦争が起き国がバラバラになってしまう、として、新政府の構想を西郷へ持っていく。新政府の人員も、薩摩、長州を中心としたメンバー。そこに土佐からは後藤象二郎のみ。山内容堂もいない。そして、坂本竜馬の名前もない。不審がる西郷に竜馬は「世界の海援隊でもやりましょうかな」と。

    世に生を得るは、事をなすにあり。まさに竜馬は言葉通り、大事をなしてから、この世を去った、、。

    なぜ、小中高で日本史を勉強していて、坂本竜馬の名前が出てこなかったのか。なぜ今日まで坂本竜馬という人間をよく知らなかったのか。それはきっと、竜馬が人の良さを引き出し、操る達人であり、自分は黒子に徹していたからでは。今回竜馬がゆくを読んで、今日の日本は竜馬の構想がベースにあるという事を知り、感動を覚えた。私欲のなさ、大局観、交渉術。とても普通の人が真似できるものじゃない。一体彼は何者だったのだろう…。

    大好きなのは陸援隊の章に出てくる、幕臣の永井尚志に仙人として話をシーン。

    「おれは日本を生まれ変わらせたかっただけで、生まれ変わった日本で栄達するつもりはない」「仕事というものは、全部やってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道であり、あとの二分は誰でも出来る。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。そうでなければ大事業というものはできない」

  • 大政奉還を軸とした最終巻。ノンフィクション、フィクションを問わず、この展開はあまりにも劇的であり、その演出者である竜馬の所業は人間業ではない。あくまで無血で日本を救済、栄えさせる大儀を持ち、私心を去って自分をむなしくすることで人を集め、知恵と力を集結する手法はどんな仕事に関わらず見習うべきものと感じます。人の説得法についても、感情に流されずに「利害」を論述とすることも要点ですね。
    出版社の都合により、作者が命名した巻毎のごとのサブタイトルの削除と、あとがきがまとめて最終巻に寄せられているのは残念。あとがき五は竜馬暗殺の真相解明や後日談が中心となっており、読み応えがある。後の海軍や、三菱の前身を興す等、後年に多大な影響を与え、「世界の海援隊でもやる」「自分は役人になるために幕府を倒したのではない」とスケールの大きな構想の一端をみせつつ夭折した竜馬。もう少し生きていれば鳥羽伏見の戦いも徳川慶喜始め徳川家の悲しき顛末も無かったろうし、もう少し日本の現在も変わっていただろうとむなしく夢想してしまいます。
    歴史から多くのことを学ぶ以上に歴史上の人物からはそれ以上に生き方を学べると深く感じ入った作品です。愛読書に数えたいですね。

  • 竜馬の奔走により、ついに大政奉還が実現した。薩長同盟の時もそうだったが、竜馬の交渉術には心底感心する。持ち前の性格を活かしたアイスブレイクに始まり、相手の立場や思想、性質に細かく配慮した話の運び方、考えさせる間の取り方等、学びが非常に多い。また、竜馬は大政奉還が成立した後、すぐに新政権のための組織体系と人員配置の案を出す。薩長の中心人物でさえ、倒幕が目的であり、その後の構想を持っていなかった者がほとんどである中、竜馬にとって倒幕は手段でしかなく、その後の新政権で日本を変えていくことに目を向けていた。さらに、新政権では有能な人物を適材適所に任命し、自らは外れて既に世界を舞台にしようとしていた。人より広い視点を持ち、人より何歩も先を見据えられる人間は強く、ブレないと思い知らされた。最後に、「世に生を得るは事を為すにあり」竜馬が一生を通じて伝えたこの教えを心に留めて生きようと思う。

  • 時運に任せてどっしりと構え、成すべき事に血の最後の一滴まで注ぎ込み、回天を成し遂げた坂本竜馬。
    先見の明という言葉では言い表せない程の大局観を持った、まさしく英雄。

  • 全八巻を読み終えて軽い喪失感を感じている。
    なんて人だ、竜馬は。
    もうしばらく竜馬に想いを馳せたい。

  • 最初から最後まで最高に面白かった!
    確かに「天に意思がある」としか思えない最期に感動した。

    学生時代に読めてよかったと思う。

    • yuu1960さん
      天命を終えて、すぐに去っていった人物に司馬遼太郎さんは思い入れがあるようですね。

      僕の息子も中3ですが、漫画とゲームばかりです。よりこ...
      天命を終えて、すぐに去っていった人物に司馬遼太郎さんは思い入れがあるようですね。

      僕の息子も中3ですが、漫画とゲームばかりです。よりこさんを見習って欲しいとつくづく思います。
      大変でしょうけれど、テストも頑張ってくださいね。
      2014/12/03
  • 2014年28冊目「竜馬がゆく〈8〉」読了。

    大政奉還を実行するため、薩長を抑え、土佐を動かし、幕府をも動かした巻。まさに竜馬の集大成。

    きっとこの本を読んだ人たちはずっと、(竜馬が生きていたら…)と思いながら読んだろうし、読み終わってからも、(もしあの時こうだったら…)と考えてしまうのだろう。

    私もそういう人の一人。

    特に、副関白に徳川慶喜…が実現していたら、どうなっていたのか?が気になるところ。

    本巻にはさまざま良いシーンがあるが、

    「海の仕事がやれるためには統一国家をつくらねばならなかった」

    「海の仕事をしようとする竜馬にとっては、ときに革命は片手間の仕事であった」

    「世界の海援隊でもやろうかのう」

    などなど。もうこれだけで竜馬の偉大さがわかる。何かを成す人は無私なのだろうなと。全8巻。非常に面白かった。

  • やっと終わった。終わってしまった。あとがき集を読んで、いつか現地に行くべきだと思った。
    竜馬の案が受け入れられ、涙を流すところは、7巻分ずっと追いかけてきただけにこちらも感動した。
    ラストのラストでは泣きたくなったよ…。
    竜馬が昇天するところは、何ともいえない気持ちでした。

  • おそらく今年最高の収穫!読んでよかったと深く思える本。

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著者プロフィール

1923年大阪市生まれ。大阪外国語学校蒙古語学科卒業後、産経新聞社に入社。59年「梟の城」で直木賞受賞。独自の史観を駆使し、戦後の歴史小説に新風を吹き込んだ。代表作は『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『翔ぶがごとく』など。93年に文化勲章を受章。96年に72歳で死去。

「2008年 『豊臣家の人々 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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