新装版 坂の上の雲 (2) (文春文庫) (文春文庫 し 1-77)
- 文藝春秋 (1999年1月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167105778
作品紹介・あらすじ
戦争が勃発した…。世界を吹き荒れる帝国主義の嵐は、維新からわずか二十数年の小国を根底からゆさぶり、日本は朝鮮をめぐって大国「清」と交戦状態に突入する。陸軍少佐秋山好古は騎兵を率い、海軍少尉真之も洋上に出撃した。一方正岡子規は胸を病みながらも近代短歌・俳句を確立しようと、旧弊な勢力との対決を決意する。
感想・レビュー・書評
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【あらすじ】
戦争が勃発した…。
世界を吹き荒れる帝国主義の嵐は、維新からわずか二十数年の小国を根底からゆさぶり、日本は朝鮮をめぐって大国「清」と交戦状態に突入する。
陸軍少佐秋山好古は騎兵を率い、海軍少尉真之も洋上に出撃した。
一方正岡子規は胸を病みながらも近代短歌・俳句を確立しようと、旧弊な勢力との対決を決意する
【内容まとめ】
1.日清戦争の詳細と、日露戦争勃発までの経路
2.現在軽視している中国は、日清戦争まではむしろ敬うべき存在であった
3.
【感想】
うーん・・・
世界史、特にヨーロッパ史を見直す必要がある。
何故こんなにも栄えているのか、いつから差がついたのかが単純に興味有り。
内容の感想として、主人公は好古・真之・正岡のみではなく、この時代のあらゆる人物に焦点が当てられている。
「竜馬がゆく」や「燃えよ剣」と異なり、東郷平八郎、伊藤博文などなど、明治時代の多数の人物にスポットが当てられる
だからなのか、話の脱線はえげつないほど多く、読むのに時間がかかってしまう・・・
好古や真之が一向に出てこない。笑
まぁこの方がより深くこの時代の事について詳しく分かり勉強になるが、もっと短縮できるのでは?と読んでて少し疲れてしまう。
【引用】
p27
・日清戦争とは、なにか?
「日清戦争は、天皇制日本の帝国主義による最初の植民地獲得戦争である。」
あるいは、
「朝鮮と中国に対し、長期に準備された天皇制国家の侵略政策の結末である。」
また、好古・真之コンビの成長が著しすぎてついて行けない。
好古はまだ分かるが、真之こんなにヤバかったっけ?
カッコイイけど、それまでの経緯が分からない。
昔からこんなに凄かったっけ?いつこんなに成長したの?と、疑問に思う。
とまぁツッコミどころは満載だが、単純に物語としては面白い!!
日露戦争終結まであと6巻、物語の脱線具合も非常に見所ですな!
p41
・小村寿太郎
中国赴任の外交官
国外からはねずみ公使と軽視されていた。、
中国を深く観察し、分析したことで日清戦争勝利の大きな立役者となった。
p96
軍人になると、国家は彼にヨーロッパ風の騎兵の育成者として期待し、彼もそのような自分であるべく努力した。
彼は自己教育の結果、「豪傑」になったのであろう。
戦に勝つについてのあらゆる努力を惜しまなかったが、しかし彼自身の個人動作としてその右手で血刀を振るい、敵の肉を刺し、骨を断つようなことはひそかに避けようとしていたのではないか。
勇気あるいは固有のものではなく、彼の自己教育の所産であったように思われる。
p104
好古「戦は、たれにとっても怖い」
「そういう自然の怯えを押さえつけて悠々と仕事をさせてゆくものは義務感だけであり、この義務感こそ人間が動物とは異なる高貴な点だ。」
p164
清国を破った後の、伊東による清国への明治維新のすすめ
清国 丁汝昌の降伏時の人民・兵への配慮
昔の戦争の終わり方
毒殺した丁汝昌への敬意
p230~
・真之の考え方
物事の要点が何かを考える
不要不急のものは切り捨てるという大胆さ
得た知識を分解して自分で編成し直し、自分なりの原理原則を打ち立てる。
p396
『俺の一生の主眼はひとつだ』
好古は、自分の人生は簡単明瞭でありたいと思っている。 -
ロシアの成り立ち、ロシアに関連する人の説明がメインでした。日露戦争がなぜおこったのか背景が丁寧に説明されている。
一転正岡子規の章は松山のお国言葉なども交じりあたたかい気持ちになった。 -
歴史と世界と人間が好きになる。よく観察されている。
100年くらい前の人も、国境は異なれど今と同じような世界地図を見ていたんだな…と、当たり前のことに気づいた。
勉強したくなる本。
秋山真之さんの、過去の膨大な書物に触れて要点を抜き出すスタイルに感銘を受けた。 -
日清戦争の海戦の臨場感がいい。この時代は本当に興味深い
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▼2巻は好古・真之・子規を追いつつ、日清戦争勃発。▼結局、秋山兄弟は貧乏のために軍人になる。正岡子規は貧乏とは言えない。なので軍人にはならぬ。単に出世を目指すが落ちこぼれて文学を目指す。その際に「"初めて世代"は良いなあ。大したことなくても世に出れた」と、嘆き羨む。これはほぼ、「西洋化」の第一世代か。▼結局、正岡子規は、アメリカ開拓時代終盤の移民者が必死に空き土地を探すかのように、自分の居場所を探して俳句・短歌の文学評論にたどり着く。▼このあたりの心情は、デジタル化という現今の変化でも、似たようなことがあるんだろうなあ。
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日清戦争勃発。真之の純粋、真面目な勤勉姿勢や正岡子規の死を意識した中での俳句への情熱。今とあまり変わらないロシアの思想、時代の世相を表した街の雰囲気。躍動的な時代を感じます。
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この章の最後にある 司馬遼太郎の言葉に「日露戦争に勝って、舞い上がった気持ちが、昭和の戦争につながり原爆を落とされてしまったかも知れない。」
という意味が少しだけ理解できました。 この戦争は英雄達というが、市民の実情が描かれていないので、実際はかなりひもじい時期が長く続いたのではとも著書を読んで思う所です。 -
日清戦争での勝利、真之のアメリカでの留学の様子、子規の文学活動、三国干渉、義和団事件を経て日露戦争の足音が聞こえてくるまで。
山川の日本史教科書では「日本軍は、清国軍を朝鮮から駆逐するとさらに遼東半島を占領し、清国の北洋艦隊を黄海海戦で撃破し、根拠地の威海衛を占領した」と一行で記述されている箇所に150ページ近くを費やして詳細に描写している。 -
明治中期(日露戦争の手前)俳句の正岡子規、陸海軍人である秋山兄弟、それぞれが己の進路を見定めた。これからがむしゃらに走る。
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明治時代に興味がなかったせいで、時折出てくる偉人の名前が分からず、Googleで検索しながら読み進めた。
いつもの倍の時間がかかったが、更に先が気になる。 -
続編。日清戦争〜日露戦争前まで。世界情勢の把握。どちらかと言うと真之の視点が多め。真之の海軍での成長をメキメキと感じた。真之の得意な効率の良さ、瞬時に物事の根幹を読み取る能力を参考にしたい。
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面白かった!
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大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
長くかかったことだけを覚えている。
文庫本は実家にあるか、売却した。
そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
読むのにとても時間がかかった。
その後3回目を読んだ。
バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
※売却済み -
司馬遼太郎さんの本で一番好きな本。
日本人であることに誇りが持てる。 -
好古、真之、子規。
それぞれが猛烈なスピードで成熟していく様がとても面白い。
3人に共通しているのは、物質的に不自由な環境下で、精神的に充実しているということ。
自身の目標を明確にし、覚悟を持ってその達成に邁進している姿は、率直に言って妬ましい。
覚悟の裏にあるのは責任感。
前巻では功名心に猛っていた3人の変わり様も鮮やか。 -
どうも長い。勧める人は多いけど。全体で2冊ぐらいになりそうな。
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人間の頭に上下などはない。要点を掴むという能力と、不要不急のものは切り捨てるという大胆さだけが問題だ。
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歴史の勉強にもなるし小説としても面白い。関心があるとここまで情報を突き詰められるものかと、人間の底力まで感じてしまうスケール感がある
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日清戦争、正岡子規の、真之さねゆきとマハン
日本とは悲痛な国よ〜で始まる真之の感想。国力は農業以外に大した産業を持っていないのに、超一流の軍艦を揃えたがると、そして、その原動力の一つは、恐怖、外国から侵されるかも知れぬという恐怖が明治維新をおこし〜 は、今でも日本人の根底にあるのだろうなと思う。
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少し急ぎ目で読んでも、かなり時間がかかった。日清戰争、日露戰争に向かう過程を「ふんふん」と読んで堪能したつもりでいるが、いざ読み終わってみるとなんだかわからなくなっている。色んな国の思惑があり、同じ国の中でも色んな人がいて、おそらく忠実に描いているだけに複雑。著者も日清戰争の理由について触れるとき「歴史科学は善玉と悪玉に分けようとする性質があるが、歴史にそのような区分をつけると見誤る」というような趣旨の事を言っていて、その通りだなと思う。
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日本史の中でも、あまり興味なかった、日清戰争〜北清事変。真之の米国調査中に発生する米西戰争。帝国主義真っ盛りの欧米列強国から見たアジア、アメリカ。また、ロシアの極東侵略。何故日本がロシアと戦うことになったのか…
正岡子規の病床でのホトトギスの執筆。病状悪化。写生主義を貫くその精神が人を集めるのか…
好古の人生哲学に共感。 -
日本人すごい。
日本人は努力する、日本人は頭がいい
と外国におるとよくいわれる。
世界中に日本車の車や電子機器がいっぱい出回っとるのが所以やと思う。
でも、そこに行きつくまでには日本人の民族性があったからこそやとすごく感じさせられた。
そこまで作り上げてきた日本人に対して、本当に敬意を感じる。
それを伝えてくれる司馬遼太郎にも敬意を感じまくっている。 -
近代日本初の対外戦争となる日清戦争と、近代短歌確立のため旧弊勢力への論証を仕掛ける正岡子規。共に鍵となるのが規制概念に対する新しい思考を貫こうとする意思の強さ。旧態依然の体質で衰退する清国やスペインが象徴的。目標に向け一途に邁進する明治日本人の姿勢が実に眩しい。
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平易な表現で書いてあり、読みやすく面白い。
日本やアメリカが新興国であった頃。16世紀に無敵艦隊を誇ったスペインはイギリスにとってかわられ、清やロシアはその国家体制が古びてほころんでいたころ。
海軍も幹部候補生を留学に送り出したようだが、その人材の育て様は、おおらかであった分、本人たちに裁量権があったようで、やりがいがあったに違いない。
一方、この時代にも固定観念にとらわれた「かきがら」はいたはずで、維新の功労者たる彼らは、その後どういう処遇に生きたのか。 -
この巻は日清戦争とその後の三国干渉を経て、日露衝突が近くなるまでが内容。
後の日本軍部の大物が、この戦争では現場で指揮官やってたり、清国側の政治構造と軍の関係、黄海海戦の動きなど、詳細な情報を知れて、全体的に深められた。
正岡子規は病床の中、俳句短歌の革新に本格的に乗り出していく。
自らの生命が短いことを自覚し、その運命に苦しみながらも、熱い思いで革新の動きをしていくのは、まじで格好いい。
激動の明治世代でも、この時期の人達のアツさには感化されずにはいられないな -
長所も短所も含めた登場人物たちの姿が描かれており、読みやすい。ただ、戦争の描写が淡々とし過ぎてややリアリティに欠ける。
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明治27年(1894)子規の退学と「日本」入社、日清戦争〜明治36年(1903)ベゾブラゾフの宮廷工作、ニコライ2世の保養海外旅行。
ついに戦争が起こった。一巻とはうってかわって世界がぐんと広がった。日清戦争ではテレビでは扱われなかった、海上での具体的作戦を知る事ができたし、なにより清国側の腐敗、丁汝昌の悲劇ぶりが凄まじかった。これは小説にしか取り上げられてないので原作の特典のひとつ。米西戦争のセルベラ少将も同様に悲劇的であった。
また、軍事色が濃くなる2巻だからこそ、子規の生活、くだりが一巻以上に際立って面白く感じた。
これはドラマの中での子規の台詞ー
「こうして世間と戦っておると、その反面、のどかなという風な趣に強くひかれるときがある」という言葉にも凝縮されているように、この小説では戦いと日常お互いを引き立てるために相互が本当にうまく化学反応を起こしていると思う。
また、原作にはないドラマのよかったところは多美との結婚するときのくだり。好古のドラマでのプロポーズがなんともいえない心地よさでした。
司馬さんの小説は土地勘の強いものが多く、その点においてもドラマと重複して読む事でイメージがつきやすくなる相乗効果を生み出していると思う。
まとまらないけどもあとはやはり人物の個性の豊かさに感情移入してしまう。子規、小村寿太郎、ウィッテ等々。
ドラマの第二部に突入!!
正岡子規って本当にユーモアあふれる繊細ですよね
この本ですっかり正岡子規に魅了されてしまいました(笑)
正岡子規って本当にユーモアあふれる繊細ですよね
この本ですっかり正岡子規に魅了されてしまいました(笑)
ハイジさんはもう、「坂の上の雲」読まれたんですね。私は、プレバトの夏井...
ハイジさんはもう、「坂の上の雲」読まれたんですね。私は、プレバトの夏井いつき先生の「子規365日」って本から、この本にきました。もう一回、さっきの本がよみたくなってます(笑)。さらっ俳句を読み流しただけだったんですけど、本人知って、また味わってみたくなりました。
「歌よみに与ふる書」ちょっと覗いてみてますが、痛烈ですね(>_<)。ホントに魅力的な人ですねー。