新装版 坂の上の雲 (3) (文春文庫) (文春文庫 し 1-78)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105785

感想・レビュー・書評

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  • 子規の死と日露開戦。物語も終盤に向かっていく。

  • おすすめ度:90点

    NHK大河ドラマ第2部とリンクしている。
    大河ドラマでは「日英同盟」「子規、逝く」「日露開戦」「広瀬、死す」に相当する。

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  • 2010/11/27

  • 【メモ】
    179ページ
    太平洋戦争における米国側の対日感情への洞察。
    欧米(白人)がアジアの国々(黄色人種)に抱く蔑視が、実験的試みとしての原爆投下の根底にあるという点。

    「日本でなく、ヨーロッパのどこかの白人国であったとすれば、その外交政略はたとえおなじでも、嗜虐的なにおいだけはなかったに違いない。文明社会に頭をもたげてきた黄色人種たちの小面憎さというものは、白人国家の側からみなければわからないものであるに違いない。」~のくだり。

    【概要】
    正岡子規は、高浜虚子および河東碧梧桐ら後進を遺して逝く。ロシアは満州を配下に収め朝鮮半島へと進出。ロシアの南下が進めば、日本を蹂躙し領土の一部を剥奪されることが容易に想像できた。外交上、ロシアとの協議策(伊藤博文の単独行動に近い)と日英路線の二つに分かれるが、後者が実現(英国もまたボーア戦争に手を焼く一方で、極東でのロシアの南下を脅威と見ていた)。同盟成立後、ロシアに満州での既得権と朝鮮への不可侵を約束するよう打診するが無碍に却下され、開戦へ(時の内閣は桂太郎)。ただし、緒戦勝利して講和へ持ち込むことが大前提である。
    陸軍の参謀総長は大山巌、次長は児玉源太郎。第一軍(黒木軍)が鴨緑請江付近で勝利し、金州・南山へと進む。
    海軍の統裁は山本権兵衛、総司令官は東郷平八郎。東郷の連合艦隊により、ロシアの極東艦隊、本国艦隊を順次殲滅する戦略。
    ところが、ロシアの極東艦隊が本国艦隊の到着を旅順港で待機したため膠着。封鎖を試みるも不完全に終わる(広瀬武雄戦死)。魚雷によりロシアのマカロフの旗艦を撃破するが、東郷の艦隊の兵力の3割が魚雷その他のために失われ、戦局は厳しくなる。

  • オフィス樋口Booksの記事と重複しています。記事のアドレスは次の通りです。
    http://books-officehiguchi.com/archives/3927704.html

    日露戦争が始まった。戦争直前では、戦費調達で苦労する政府、戦争が始まると旅順港の閉塞作戦を行ったが失敗に終わり、広瀬武夫が戦死するまでのあらすじである。

    この本を読んで、戦費調達、国力の面でかなり不利な日本がなぜロシアに勝つことができたのかという疑問が出てくる。『坂の上の雲4』以降を読むと同時に、日本の戦史の研究を進めたい。

  • かなり丁寧に史実を検証して、書かれているな~
    読んでいて、情景がもの凄く想像できて、ぞくぞくした


    それにしても秋山兄弟って破天荒だな~

  • 三国干渉以降、いよいよ勢いを増すロシアの強硬的なアジアにおける利権拡大。満州での利権を認める引き換えに、朝鮮での日本の利権を認めるよう外交交渉を探るも、露骨ともいえる帝国主義的姿勢で臨むロシアに対し、国の存続を賭けての戦は止むなしとの声が国内での趨勢となる。日露戦争が本巻でついに開戦となった。

  • 2010年12月5日から始まるスペシャルドラマ「坂の上の雲」第2部が楽しみです。

  • ・4/7 忙しいのにかまけてこれも書く時間がなかった.ただ例によって読書だけは進んでいて、もう3巻目も半分が終わってしまった.帰りが遅くてTAXYが多かったから、通常よりも読む時間がなく進み具合も遅い筈だが、面白いせいか結構なペースで読んでいるようだ.特に前巻の日清戦争の部分や、この巻の子規が亡くなる場面、日露戦争へと入っていく件が臨場感を持って実に生々と書かれているところが、登場人物の多さがさほど苦にならないほど面白い.まだ5巻も残して、終わりまでは果たしてどのような話の流れになるのか、楽しみになってきた.

  • 坂之上の雲〈1〉にレビューを書きました。

  • 今の時代思い出さないといけないことが多く感じる。情熱とか必死さとか。非常に驚いたのは真之はその当時の現代戦術だけでなく古代の兵法の勉強をしており、かなりの勉強家だったということ。
    また、植民地にされるか、持つかという情勢では、戦争をやってはいけないことではないということを感じさせられた。

  • 日露戦争の序盤の巻。
    この小説を通してのテーマだと思うが、当時の日本人のメンタリティは、現代の日本人が取り戻さなければならないと思う。
    登場人物すべてに正しく「危機感」が共有されていると思う。

    続きが早く読みたい。

  • まだ3巻を読み終えたところです。この先どうなってくのか楽しみです。

    江戸時代が終わって、明治の新しい社会がすごい勢いで作られていくところ、とても面白かったです。こんな時代はきっとほかにないよね。考えてみればものすごい社会の変化です。そんな中で生きてる好古も真之も子規も、みんな志に燃えて生き生きしています。そして、ものすごく勉強をしています。

    3巻では日露戦争が遂に始まりました。この先どうなるんだろう。

    この小説、登場人物の9割以上が男性です。この時代の女性たちの話も読みたいなと思うのですが。

  • 正岡子規が死んだ
    歴史上の死ってのは、スゲー淡白だ

  • マカロフのリーダーシップ。

  • 正岡子規が亡くなってしまいます。

    『日清戦争から十年-じりじりと南下する
    巨大な軍事国家ロシアの脅威に、日本は恐れおののいた。
    「戦争はありえない。なぜならば私が欲しないから」
    とロシア皇帝ニコライ二世はいった。
    しかし、両国の激突はもはや避けえない。」

    正岡子規という人物がすごい。
    病床でもすごいアグレッシブに生きていて
    読み進めていて病気にさえならなければきっといろいろなことを成し得ていたのではないかと思った。
    3巻では子規が亡くなってしまいます。

    戦闘が激しくなって後半はたくさん人が戦死していき
    ちょっと悲しくなりました。

  • 開戦

  • 広瀬さんとロシア人女性の関係がよかった

  • 歴史の授業とで聞いた日露戦争はロシアは相手にしてなかったけれど、日本が勝った。という何とも漠然とした不完全な印象だったけれど、沢山の人が関わって、ロシア、日本がそれぞれが考え行動した結果なんだということがリアルに見えてくると、急に戦争が恐くなってきた。単純に戦争はよくない、と一言では言えなくなるような。そういう三巻だった。

  • 情報科教員MTのBlog(『坂の上の雲・3』を読了!!)
    https://willpwr.blog.jp/archives/50995943.html

  • <本の紹介>
    日清戦争から十年―じりじりと南下する巨大な軍事国家ロシアの脅威に、日本は恐れおののいた。「戦争はありえない。なぜならば私が欲しないから」とロシア皇帝ニコライ二世はいった。しかし、両国の激突はもはや避けえない。病の床で数々の偉業をなしとげた正岡子規は戦争の足音を聞きつつ燃えつきるようにして、逝った。
    -----

    この本で一番「なるほど」と思ったのがこの一節でした。
    「敵に対しては見つけしだい、攻撃すべきである。この場合、彼我の兵力を考慮すべきではない。」
    確かに、その通りかもしれない。先手必勝、兵力が同程度であれば先に攻撃をしかけた方が良いに決まってる。サッカーだって先取点を取るべきだ。はじめは守って、なんて、それが囮作戦でないなら勝とうと思ってんのかって内部で思う人が出てくる。士気が下がる。
    兵力がこっちの方が大きいならなおさらだ。戦うときは、圧倒的な戦力で相手の分散された戦力を叩いて、局地の勝ちを積み上げていくのが正攻法。勝てるときに勝負しないなんてありえない。勝っておくべきだ。相手を殲滅しておくべきだ。
    兵力が少なくとも、完全な逃げ一手はその師団、旅団全体の士気を落とす。それ以降の戦闘の結果を左右しかねない。攻撃しながら退却すべきだ。それをしなかったのがこの巻でのロシアだったんだけど。

    ちょっとこれを読んで、抑止力としての自衛隊のあり方ってどうなんだろうって思いました。
    「専守防衛」って、他国から見たら「攻撃されない」ってわかってる戦艦や戦闘機が近寄ってきても、なめてかかるだけじゃないかな。俺なら、なめる。領空、領海を平気で犯しそうな気がします。そこで砲撃することは、ある意味当然のことだ。自分の権利を侵されているのに、相手の言い分をそのまま聞く必要はない。受け入れる必要はない。お互いの言い分を聞いた上で定めた条約や決められたルールを先に破ってんのはそっちだろって話なだけだ。
    第2次世界大戦に負けて、原爆を落とされて、デキレースの東京裁判の判決を受諾して、かつてはあった上みたいな考え方を捨てて、一番安心したのは多分日本の国民じゃない。日本を脅威に思ってた人たち、国たちだ。
    よっぽど、この本の時代の日本の方が列強と伍していく強さを持っていたように思います。だから逆に、明治維新からわずか数年でそこまでの進化を遂げた有色人種がいることに、今まで有色人種の国は植民地にするもんだと思ってた欧米列強は脅威を感じたってのが歴史の筋なんだろう。そして、この作品が日本人に支持される理由なんだろう。「いい思い出を反芻する」ってのは、新しいことをする以上に気持ちよくなれるって側面もあるから。
    (注:深~い知識があるわけでも有識者なわけでもないんで個人的な感想です。)

    自分たちは、過去の日本人が「次代の為に」って考えに考えを重ねて、議論に議論を重ねて、失敗もあったろうけどそこから学んだこともあったはずで、そうやってやってきたその上に今いる。
    その中で培ってきたものが、全て受け継がれてるかと言えばそうでもないと思うけど、なるたけ汲み取りながら、自分たちの次の世代に気持ちよく引き継いでいけるような何かを築いていけるといいのかな、とか思います。

  • 若い頃に読んでおくべきだった。

  • 日露戦争開戦。
    好古の騎馬隊、真之の艦隊それぞれの戦場へ。

  • 99.3.20

  • 正岡子規が死んでから、日露戦争の話一色に。
    子規の死以前と以後では小説の印象がだいぶちがう。
    以前は若者の人生や、青春の情熱が印象的。以後は戦争小説というかんじ。作戦や戦闘のようすが主。

  • 戦略と戦術が戦争においていかに大事だったか理解できた。
    そして、明治中期の日本人はロジカルな思考力を携えて、
    強大なロシアに立ち向かっていったのだが、江戸時代より以前から
    続く武士道と連なり、オリジナルな精神性を築いていたことが汲み取れた。

    これまで特に興味を持っていなかった時代が、
    自分の中で色鮮やかに想像できる実感が心地よい。

  • まぁ、大河ドラマにもなった有名な話。世界の列強と肩をならべる明治日本の近代化の話。なんというのかな、ナショナリズムの発露っちゅうか、清国、露西亜なにするものぞっ、てなる本。個人的には主人公の秋山兄弟の活躍に血湧き肉踊る。途中で時折だりーな、って思っちゃうんだけど、最後のカタルシスっつーのかアレがやっぱスゴい。3巻。

  • 明治初期の政治家は、命懸けで日本を守ろうとしていた。
    今と違い、私利私欲な人間が少なかったとことと思う。
    当時の日本人の美しい姿に感動した。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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