- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167105815
作品紹介・あらすじ
作戦の転換が効を奏して、旅順は陥落した。だが兵力の消耗は日々深刻であった。北で警鐘が鳴る。満州の野でかろうじて持ちこたえ冬ごもりしている日本軍に対し、凍てつく大地を轟かせ、ロシアの攻勢が始まった。左翼を守備する秋山好古支隊に巨大な圧力がのしかかった。やせ細った防御陣地は蹂躪され、壊滅の危機が迫った。
感想・レビュー・書評
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日露戦争の陸軍のジリジリとした展開からいよいよ佳境に入ってきました。
攻防が手に汗にぎる感じが伝わります。
次巻に期待。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
黒溝台付近の会戦から、バルチック艦隊のマダガスカルでの長期碇泊、奉天会戦への流れ、壮大です。
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なんだか戦況がだんだんよく分からなくなってきました(苦笑)。戦況の話はなぜか頭にはいらないのに日・ロの政治体制とかの話や、ロシアの艦隊のグズグズっぷりの方がスッと頭に入るのは、
権力者のそうしたグズグズさの方が面白く感じる自分の性格の悪さのせいでしょうか。
この巻で面白かったのは諜報員の明石源次郎。
諜報員なのに偽名を使わず時に体当たりでスパイ活動をする何とも型破りな人物。その活動の根底にあったのが作者の語るように、国のために死んだとしてもスパイだと名前が残らないことに対する抵抗だったのかは分かりませんが、もしそうならなんだかとても人間臭い人物だな、と思いました。
ロシアの革命の機運や欧米の動きも書かれていて、それもまた興味深く面白かったです。読めば読むほど日本が日露戦争で負けなかったのは、当時のロシアの国内混乱や革命気運のおかげだったのだな、としみじみと感じます。
司馬遼太郎が作中で日露戦争後、日本がロシアの敗因を分析していれば、神風の信仰もなくその後の無理な太平洋戦争に突き進むこともなかっただろう、と書いているのですが、
それが非常に的を得ているな、と感じました。大国ロシアに対して奇跡的に負けなかったのもきっと、奇跡なんかではなく様々な要因が積み重なった必然で、それを見誤ると大変なことになるのは、国家でも個人でもきっとあまり変わりはないのでしょうね。 -
とても面白かった。
ロシアという国がなんとなく分かった気がする。
当時の日本の雰囲気もよく想像できた。 -
展開が進まず、じりじりとした雰囲気が伝わってくるようでした。巻の終盤で、漸く物語が動き出します。次巻が楽しみです。
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大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
長くかかったことだけを覚えている。
文庫本は実家にあるか、売却した。
そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
読むのにとても時間がかかった。
その後3回目を読んだ。
バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
※売却済み -
どうも長い。勧める人は多いけど。全体で2冊ぐらいになりそうな。
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外交の圧力で燃料補給もままならないまま、アフリカ大陸をぐるっと回ってマダガスカル島のノシベで駐留するバルチック艦隊。
外交でロシアの内側から揺さぶりをかける明石。ロシアに蹂躙されていたポーランド、フィンランドの反ロシア派を巻き込んでじわじわとロシア国内の政情を不安定に。
厳冬の中、北進し本隊に合流するも疫病神扱いの乃木軍。
戦争の多面的な要素が此の巻で読み取れる。
いままさに北朝鮮とアメリカで舌戦が繰り広げられているが、北朝鮮の外務省がロシアに接触したニュースなんかは、調停の依頼をしているのか?とか、この本と現実が重なって見えて… 良いのか悪いのか…
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やっと…やっと六巻終了!
切ない、バルチック艦隊が切ない…!!!
冬場の太平洋の荒波、船中26時間で死にそうだった私には、とても艦隊勤務は無理だと思ったのですが、六巻のバルチック艦隊…そりゃ発狂もしますよ…!!! -
ロシア軍反転攻勢による黒溝台会戦。全軍壊滅の危機の中で見せる秋山好古の豪胆さに明治時代の日本人の気骨を感じます。(砲弾飛び交う司令部でブランデー片手にニヤリと笑うシーン)。
ロシア革命を煽動させる明石元二郎の欧州での暗躍も描かれ、世界史の中での日露戦争の位置付けも見えてきます。
著者プロフィール
司馬遼太郎の作品






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