新装版 坂の上の雲 (6) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 212
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105815

作品紹介・あらすじ

作戦の転換が効を奏して、旅順は陥落した。だが兵力の消耗は日々深刻であった。北で警鐘が鳴る。満州の野でかろうじて持ちこたえ冬ごもりしている日本軍に対し、凍てつく大地を轟かせ、ロシアの攻勢が始まった。左翼を守備する秋山好古支隊に巨大な圧力がのしかかった。やせ細った防御陣地は蹂躪され、壊滅の危機が迫った。

感想・レビュー・書評

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  •  なんだか戦況がだんだんよく分からなくなってきました(苦笑)。戦況の話はなぜか頭にはいらないのに日・ロの政治体制とかの話や、ロシアの艦隊のグズグズっぷりの方がスッと頭に入るのは、
    権力者のそうしたグズグズさの方が面白く感じる自分の性格の悪さのせいでしょうか。

     この巻で面白かったのは諜報員の明石源次郎。
     諜報員なのに偽名を使わず時に体当たりでスパイ活動をする何とも型破りな人物。その活動の根底にあったのが作者の語るように、国のために死んだとしてもスパイだと名前が残らないことに対する抵抗だったのかは分かりませんが、もしそうならなんだかとても人間臭い人物だな、と思いました。

     ロシアの革命の機運や欧米の動きも書かれていて、それもまた興味深く面白かったです。読めば読むほど日本が日露戦争で負けなかったのは、当時のロシアの国内混乱や革命気運のおかげだったのだな、としみじみと感じます。

     司馬遼太郎が作中で日露戦争後、日本がロシアの敗因を分析していれば、神風の信仰もなくその後の無理な太平洋戦争に突き進むこともなかっただろう、と書いているのですが、
    それが非常に的を得ているな、と感じました。大国ロシアに対して奇跡的に負けなかったのもきっと、奇跡なんかではなく様々な要因が積み重なった必然で、それを見誤ると大変なことになるのは、国家でも個人でもきっとあまり変わりはないのでしょうね。

  • どうも長い。勧める人は多いけど。全体で2冊ぐらいになりそうな。

  • 外交の圧力で燃料補給もままならないまま、アフリカ大陸をぐるっと回ってマダガスカル島のノシベで駐留するバルチック艦隊。

    外交でロシアの内側から揺さぶりをかける明石。ロシアに蹂躙されていたポーランド、フィンランドの反ロシア派を巻き込んでじわじわとロシア国内の政情を不安定に。

    厳冬の中、北進し本隊に合流するも疫病神扱いの乃木軍。

    戦争の多面的な要素が此の巻で読み取れる。

    いままさに北朝鮮とアメリカで舌戦が繰り広げられているが、北朝鮮の外務省がロシアに接触したニュースなんかは、調停の依頼をしているのか?とか、この本と現実が重なって見えて… 良いのか悪いのか…







  • やっと…やっと六巻終了!


    切ない、バルチック艦隊が切ない…!!!




    冬場の太平洋の荒波、船中26時間で死にそうだった私には、とても艦隊勤務は無理だと思ったのですが、六巻のバルチック艦隊…そりゃ発狂もしますよ…!!!

  • ロシア軍反転攻勢による黒溝台会戦。全軍壊滅の危機の中で見せる秋山好古の豪胆さに明治時代の日本人の気骨を感じます。(砲弾飛び交う司令部でブランデー片手にニヤリと笑うシーン)。
    ロシア革命を煽動させる明石元二郎の欧州での暗躍も描かれ、世界史の中での日露戦争の位置付けも見えてきます。

  • 6巻目。
    いよいよバルチック艦隊がやってくる。
    陸軍・海軍共に奮闘している様子に感動した。
    続きが早く読みたい。

  • 率直な本巻の感想…つなぎの巻という感じ。少し一息。明石元二郎の大諜報の貢を重く置きあとは今までの経過を延ばしたという印象。

    日本の不慮によっておこった黒溝台会戦からこの巻は描かれる。秋山好古の孤軍奮闘の様子と本部の無能ぶりが対照的であった。現場第一主義を身を以て感じた。

    今回もロジェストウエンスキーについて長く触れられていた。未だ05年1月からマダガスカルから石炭が確保できないために足止めをくらい、旅順艦隊壊滅の知らせ、本国の革命勢力がいよいよ強くなってきたという知らせを受け取りながら、ロシアに戻るのかウラジオへ向かうのかという精神の葛藤の中で大艦隊の指揮をこなしてきたことにおいてはとてつもない精神力なのだと思った。最終的に日本海まで全艦隊を引き連れていく事に成功するのだから。指揮官としては司馬さんの述べているように適当ではないかもしれないが。

    明石の活動に関しては
    「明石の仕事はこういう気流を洞察するところから始まり、それにうまく乗り、気流のままに舞い上がることによって一個人がやったとは到底おもえないほどの巨大な業績をあげたというべきであり、そういう意味では、戦略者としての日本のどの将軍たちよりも卓越しておりー君の業績は数個師団に相当する。と、戦後先輩からいわれた言葉は、まだまだ評価が過小であった。」に要約されているのではないかと思う。

    奉天会戦にむけて各軍司令部がはじめて結集し、最終作戦について松川参謀の左翼:能乃木軍、右翼:鴨緑江軍で誘導させ中央突破するという案の確認を行うところで本巻は終わる。

  • 日露戦争と同時期にロシア国内および周辺国で行われた諜報業務が描かれており、前線の生々しい描写とは異質なもので新鮮だった。この「大諜報」の章では”ウラジオストック”という地名がロシア語では”東を征服せよ”という攻撃的な名前であることを知った。

  • 閑話休題。今回は物語りはあまり進みません。日本の政治家はこの頃から、周りの空気や私情に流されていたんですね。

  • 亀だけどなんとか6巻まで読破!大諜報の章が個人的には面白かった。中学、高校の時に世界史で読んだ事件が何故起こったのか?が丁寧に解説されていて、面白い。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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