新装版 坂の上の雲 (7) (文春文庫) (文春文庫 し 1-82)

著者 :
  • 文藝春秋
3.96
  • (548)
  • (441)
  • (537)
  • (25)
  • (7)
本棚登録 : 5090
感想 : 232
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105822

作品紹介・あらすじ

各地の会戦できわどい勝利を得はしたものの、日本の戦闘能力は目にみえて衰えていった。補充すべき兵は底をついている。そのとぼしい兵力をかき集めて、ロシア軍が腰をすえる奉天を包囲撃滅しようと、日本軍は捨て身の大攻勢に転じた。だが、果然、逆襲されて日本軍は処々で寸断され、時には敗走するという苦況に陥った。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • まずは、6巻まで文字が小さくて読むのに苦労した。この7巻だけは新装版なので文字も大きく読みやすい。8巻はまた字が小さい(;_;)
    (坂の上の雲。義父から借りもののため)

    バルチック艦隊がようやく日本海付近にやってきた。クライマックスに向けて盛り上がってきた。
    それにしてもバルチック艦隊のロジェストヴェンスキーって司令長官にふさわしくないなぁ。

  • ▼奉天の戦い〜日本海海戦前夜。▼「坂の上の雲」の、「小説的ではない西洋歴史一般文章部分」を抜いたら、この上なく面白いのでは。なんだかんだ、外交のファクトを確認していくと、白人至上主義や各国の自国エゴが(当たり前だけれど)浮かび上がる。▼また、ロシアもドイツも結局は「遅れてきた新参者」だったから無理をする。日本も日露戦争で一応勝つことで「帝国主義的侵略者の新参者」として、なんというか、「一部リーグに昇格」することになる。講和が匂い立つこの巻あたり、そんな雰囲気が横溢。正義がどうこうではなくて、各自のエゴの問題です。善悪でもない。戦争だけではなくて人生万事その観点で、己と周りを客観視したいものです。▼この小説はまごうかたなき「戦争について」の小説でもあるわけですが、司馬さんは執拗に「モノ、技術」について語ります。それを無視して精神主義になってはあかんというように。これもまた戦争だけではなくて人生万事、その観点で己と周りを客観視したいものです。

  • 筆者のバイアスはあるにせよロシアという国の素情を理解できた気がする。あくまでこの小説から読み取るロシアは掠奪の歴史であり、小村寿太郎がはっきりと「ロシアの建国精神は土地掠奪である」と言い切っているのもなかなかの衝撃だった。
    ただしあくまで小説であり、別の書物からもロシアの歴史や日露戦争を公平な目で学んでみたい。

  • 陸軍は奉天会戦にて勝利し、いよいよ海軍はバルチック艦隊との海戦に。

    それにしても、シバリョウの偏った歴史観というか、語り口というか。。。
    う~ん。。。

    この人は推敲とかしないんだろうか。
    間違った文章や誤字脱字があるわけではないので、第三者の校正、校閲は受けていると思うんだけど、伝えるべき内容をグチャグチャにして書いてるんだなぁ。
    そこ、この物語に必要?
    な部分ばかり。
    もう読みづらいったらありゃしない。

  • 大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
    長くかかったことだけを覚えている。
    文庫本は実家にあるか、売却した。
    そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
    秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
    読むのにとても時間がかかった。
    その後3回目を読んだ。
    バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
    いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
    ※売却済み

  • 奉天会戦のクライマックスが描かれている。
    ロシア帝政の腐敗、官僚制の腐敗の根深さがクロパトキンの愚かさを象徴として描かれている。日本自体の国力がほとんど尽きている中、勝てたのはまさにこのことが大きいと思った。
    また、日本の外交下手は昔かららしく海戦で勝負を決すことになるが、ロジェストウェンスキーの描写もまたその頃のロシアを端的に表していると思った。
    最後に、バルチック艦隊が日本に迫ってきた時の宮古島の描写があるが、その頃の日本人の純朴さや一体感が感じることができ興味深いと思った。

  • 秋山真之の作戦がどうでるのか、、、8巻が楽しみ!!

  • とても面白かった。
    ロシアという国がなんとなく分かった気がする。
    当時の日本の雰囲気もよく想像できた。

  • 日露戦争が話題になるときは、203高地での攻防や
    日本海海戦など軍人たちのことが多く挙がるが、
    敵のバルチック艦隊を最初に見つけた沖縄の人々の話は初めて聞いた。「敵艦見ゆ」という公文書を島の役人から石垣島の郵便局まで伝えに行った、漁期の漁夫たちが個人の刹那的な損得よりも社会に貢献してお上・国家から懸賞されることが重要だと考えたところに、近代の田園的な社会に、懐古的な良さを感じた。
    コロナ禍で人々がそれぞれ感染対策を徹底しなければならないという現代にいるからこそ、余計に感じた。

  • 奉天会戦での賭博じみた作戦と、あまりに拙く見えるクロパトキンの指示、その上での勝利。その後の講和にむけた各外交。ロジェストウェンスキー、または本国指示含めたバルチック艦隊の拙い運用。終盤に向けて盛り上がりの巻。あっという間に読めました。

全232件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×