新装版 翔ぶが如く (5) (文春文庫)

著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (2002年4月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105983

作品紹介・あらすじ

征台の気運が高まる明治七年、大久保利通は政府内の反対を押し切り清国へ渡る。実権を握る李鴻章を故意に無視して北京へ入った大久保は、五十日に及ぶ滞在の末、ついに平和的解決の糸口をつかむ。一方西郷従道率いる三千人の征台部隊は清との戦闘開始を待ち望んでいた。大久保の処置は兵士達の失望と不満を生む。

新装版 翔ぶが如く (5) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 大久保の粘り勝ち。
    こういうお客さんいるわ

  • 台湾出兵の後始末から撤兵、民権運動の興り。

    余談の多さ、重複のしつこさ、変わらず。
    ただ、やっぱり微妙な文章表現は刮目すべき所多々あり。
    また中江兆民が非常に魅力的だ。聖俗合わせもち、かつ無垢であるところが。

  • 大久保利通が北京に談判に行くところから宮崎八郎が評論新聞社に入社するまでの第5巻。相変わらず進行が遅く娯楽読み物というより歴史教科書といった体です。
    前半の大久保外交は交渉力が凄いですね。ことを優位にすすめるには多弁にならず我慢する駆け引きも大事なのかな。胆力がかなり必要で常人には出来かねるでしょうけど。
    宮崎八郎の話は余談かと思って読み進めるとルソーの民役論と中江兆民に繋がるのでもはや新展開の様相で、西郷隆盛は出番なし。
    専制政治、共和制政治、元老院、三権分立と、終盤は政治の勉強モードとなりしんどく感じられたが、読後感は知的好奇心を満たして悪くないです。

  • 征台論の機運の高まりのなか、大久保利通は清国へ渡る、李鴻章との交渉を行わずに平和的解決を模索するが・・・。

  • 前半は日清間の外交交渉が主に描かれる。5巻は大久保メインで西郷はほとんど登場しない。清国のプライドの高さは今も昔も同じ。西郷の征韓論をつぶした大久保が奇しくも同様の外征策にうってでることになる。後半はルソーに感化された壮士たちが、新聞社や学校を根城にして反政府組織になっていく過程が描かれていく。江戸幕府を倒して、とりあえず作ってみました的な太政官政府の不安定さ、少しの刺激でくずれてしまうような危なげな感じがよく描かれていると思った。新しい国を作るというのはこんな感じなのか。

  • この巻のキーワード、台湾出兵・大久保利通と清国との交渉、宮崎平八郎・熊本に帰省・東京へ陳情のために出て海老原、千絵との出会い。話があちらこちらに飛んで非常に読みにくいのだが、歴史の出来事の過程が事細やかに詳しく書かれているのでタメになる。大久保利通の台湾出兵→清国との交渉は、国内事情はどうあれ、因縁をつけてお金を巻き上げるという風にしかとらえることが出来ない。読んでいて複雑な気分になる。国内は三条・岩倉・大久保寡占政府に反対する勢力が色々と出てき始める風潮。これからどうなるのか?。感想はこんなところです。

  • 大久保の執拗さときたらw 宮崎八郎にはあまり興味を持てないな。。。

  • 一部のノリの良い下級武士出身者がフィーリングで運営していた明治政府がいかに適当であったかがわかる本。

    一例を挙げると、各地に贅を尽くした高そうなお庭を作りまくった長州の山縣有朋さんは、やっぱり汚職しまくってるし、権力主義の成りあがりだったっぽい。

    この巻は、西郷隆盛さんが征韓論で下野したあとに不平士族を慰安すべく台湾に乗り出した顛末記でした。

    なので、西郷さんは全然出てきません。
    メインは大久保利通さんの巻でした。

    西郷隆盛さんの征韓論は潰したくせに、その弟の従道さんをトップに台湾に押し入る(名目は遭難した琉球人が台湾の高砂族に殺されたことに対する報復)だなんて、支離滅裂な政権運営がよくわかる巻だったよ。

    日本は対外的には国際常識を知らない粗暴なガキの国だと思われ、対内的には不平士族の不満が今回の征台論の顛末でますます膨れ上がり、まさに「内憂外患幕末よりヒドいんじゃない?」状態になっていました。

    まぁ、司馬史観に関してはいろいろ言う人もいるけれど、資料を精査しても一説と考えれば良いと思います。

    九州に石高の大きい大名が多いのは薩摩島津を押さえるためで、特に隣国の熊本はそのために54万石だったとか(それでなければ熊本城もなし?)

    世界の紛争種まき国家のイギリスが、征韓論に関しても自分たちの利権がある清に手を出されたくないので協力するよとススメてきたとか…。

    いろいろお勉強になるなぁ!

  • 16/1/2読了

  • 在野の不平分子を考慮した事実上大義のない征台を実施する。
    しかし撤兵するためには、この征台を義のあったものと清国側に認めさせ、しかも派兵のための賠償金を清国側から出させるという力技をもってして外交に臨んだ大久保は、ある程度満足のいくかたちで終結させた。力技を建前上だけでも成功裡に導いた執拗さと周到さは見事といってよいだろう。
    この明治がはじまって十年と経たない頃は、果たして維新の本来の目的は何だったのだろうかとも思わせられる時代だ。
    国家が大きく動こうとするとき、大きく進歩しようとするときの舵取りは後の時代になってみないと正解は分からないのかも知れない。いや、もしかすると後の時代になっても分からないのかも知れない。

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