強き蟻 (文春文庫 ま 1-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 95
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167106041

作品紹介・あらすじ

脂ぎった中年の女、三十歳年上の夫の遺産を狙う沢田伊佐子のまわりには欲望にとりつかれた“蟻”たちがいる。男女入り乱れ、欲望が犯罪を生み出すスリラー長篇。(権田萬治)

感想・レビュー・書評

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  • 三十歳上の男と結婚した伊佐子の狙いは金と自由。老いていく夫に愛想を尽かしつつ、表面上は優しく、裏では歳下の若い恋人と逢瀬を重ね…

    ありがちな設定、ありがちな展開。
    欲は怖いですね。なかなかしたたかな女のお話。

  • 清張の描くファムファタール、沢田伊佐子。
    複数のストーリーが同時進行していくのですが、その中心にあって強力な存在感を放つ伊佐子の周りをくるくると巡り、最後は綺麗に昇華されました。
    純粋に自己中心的なのに、なぜか憎めない、伊佐子のアンバランスなキャラクターの自然さは造形美と言っていい程、見事です。
    今から50年近く前に発刊されたのにも関わらず、未だに読み応えがあるのは、どこまでも“人間”を描く清張の筆さばき故だとつくづく感じました。

  • 何かが始まりそうで始まらない感じがずっと続いた序盤、中盤。もどかしすぎて、読むスピードがなかなか進まなかった。中盤から後半にかけて、やっとペースをつかめた。人間の欲が生々しく描かれていて、そういう話が好きな人にはお勧め。相変わらず、昭和の世相がよくにじみ出ている。

    清張氏作品では、あまり好きな部類ではないかな。。。

  •  
    ── 松本 清張《強き蟻 19740825 文春文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4167106043
     
    (20160817)

  • この人の多くの作品に共通しているけれど、女の欲望って怖い。
    松本清張には珍しく中年女性が主人公。
    最後月末自体はすごかったけどもうちょっと描写があればなぁと物足りなさを若干感じました。

  • 60代の旦那を持つ30代女の話。浮気相手の若い男が事件を起こし、それに巻きこまれないように画策するが、最期には運に見離され、自分がまいた種によって全てを失う。

  • 登場人物が全員腹黒い。主人公でさえ。人間の欲望の深さや、昭和な雰囲気なんかにぐんぐん引き込まれる。善悪を根本的に考えさせられる松本清張らしいお話。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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