火と汐 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (1976年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167106133

作品紹介・あらすじ

夏の京都で、男と大文字見物を楽しんでいた人妻が失踪した。その日、夫は、三宅島へのヨットレースに挑んでいたが……。本格推理の醍醐味。「火と汐」「証言の森」「種族同盟」「山」収録。

みんなの感想まとめ

多様な視点から描かれる人間の欲望と真実が交錯する短編集です。特に「証言の森」では、現代の事件にも通じる複雑な動機が巧みに描かれており、読者に深い印象を残します。また、「火と汐」や「種族同盟」では、アリ...

感想・レビュー・書評

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  • 「松本清張」の推理小説集『火と汐』を読みました。

    『神と野獣の日』、『疑惑』に続き「松本清張」作品です。

    -----story-------------
    夏の京都で、男と大文字見物を楽しんでいた人妻が失踪した。
    その日、夫は、三宅島へのヨットレースに挑んでいたが……。
    本格推理の醍醐味。
    『火と汐』、『証言の森』、『種族同盟』、『山』収録。
    -----------------------

    「松本清張」作品って、次々と読みたくなる魅力を備えていますよね。

    本書には以下の四篇が収録されています。

     ■火と汐
     ■証言の森
     ■種族同盟
     ■山


    『火と汐』は、アリバイ崩しモノ。

    「美弥子」は、夫の三宅島ヨットレース参加中に、夫の大学時代の友人「曾根晋吉」と京都で大文字見物を楽しんでいたが、突然失踪、、、

    その後、東京の「曾根晋吉」自宅近辺の雑木林から絞殺死体として発見された。

    当然、「曾根晋吉」が容疑者として浮かぶが、彼の行動は、犯人としては不自然な点があり、刑事の「神代(くましろ)」と「東」は完璧なアリバイのある夫「芝村」に容疑を向ける、、、

    「芝村」は、ヨットレース中にパートナーを事故で失っており、その事故にも不審な点があることから、益々疑惑が強まり… 二人の刑事の地道な捜査により、真相が明らかになります。


    『証言の森』は、昭和13年の東京(中野?)を舞台に、夫の留守中に自宅で絞殺された妻の死の真相に迫る物語。

    当初から警察は夫「青座村次」を容疑者と決めつけて捜査を進め、物的証拠が少ない中、自白による解決を目指しますが、取調べでの「青座村次」の証言は二転三転… 何が真実なのか、何が嘘なのか、最後の最後までわかりませんでした。

    他にも殺害の機会があった人物もありましたが、結果的には状況証拠と本人の犯行自供により有罪… 戦時下にあって、懲役を科せられることは徴兵を免れるということ、、、

    当時は複雑な状況にあっただけに、偽証により有罪になるということも、選択肢として考えてしまうかもしれませんよね。

    そんな時代は嫌ですねぇ。


    『種族同盟』は、強盗・強姦・殺人事件の容疑者を冤罪から救った(はずの)弁護士の活躍と、その後の悲劇を綴った物語。

    国選弁護士の大活躍により、容疑者を無罪放免にする… という展開が、先日読了した『疑惑』と似通っていましたね。

    その後、無罪となった容疑者「阿仁連平」を、雑役夫として弁護士事務所に雇い入れるのですが、次第にその本性が明らかになり、本人の口から事件の真相が語られ… そして、怖ろしい結末が待っていました。

    内容は全く異なりますが、正義感に溢れ、人助けをしたはずの弁護士の身が危うくなるところも『疑惑』と似通っていましたね。

    こちらもこわ~いエンディングでした。


    『山』は、会社の金を使い込みして逃亡中の男が、潜伏(逗留?)先の温泉近くの山中で資産家の秘密を知ったことから、運命が変わる物語。

    ただし、あまりに身勝手な行動から、上手くはいかないんですけどね。



    昭和42年から昭和43年にかけて発表された作品ですが、現在でも面白く読めますねぇ。

    背景は昭和の匂いをプンプン感じさせますが、内容は現代にも通じる感じです… 読んでいると、人間不信になりそうですけどね。

  • 松本清張の本領発揮な短編集。特に現実の事件をノベライズしたような「証言の森」は地味ながら、その後の清朝の方向性を決めたような作品。

    京都の大文字を見ている最中に行方不明になった不倫相手は、何故か自宅近くで死体となって発見される。一体誰が真実を語っているのか、というトラベルミステリ。今となっては凡作感あり。

    見た目有罪の事件の被疑者、真実は最後に明らかになるのか?という「証言の森」「種族同盟」は、この2作だけ読むだけにこの本を買ってもいいほどの出来。したがって、もう一作は評価はいいや。

    冤罪と有罪の境目をフラフラし、挙句の果てに被疑者に弱みを握られるという、現代でも通用しそうなストーリー展開で、事件の背景が古い以外は全く色あせていない。

    最近の作家では、こういうコンパクトで重いテーマって無理なんでしょうかね。

  • 読み直しています。

  • 再読。
    「種族同盟」をテレビで見て再読。
    テレビでは容疑者は女性(小川真由美)だったが、原作は男性で、それが新鮮だった。

    「証言の森」殺人を容認したり否認したりする容疑者や関係者。現代では思いもよらぬ動機が意外に面白かった。

    「火と汐」「山」アリバイ崩しはいささか退屈。

    2014.2.23
    「火と汐」「証言の森」「種族同盟」「山」収録。
    ・刑事の執念によるアリバイ崩し「火と汐」
    ・現代においては思いもよらぬ動機の「証言の森」
    ・弁護士を主人公とする「種族同盟」、予想がつく内容ではあるが好きなタイプの話
    ・科学的捜査に慣れた現代では、こんなので犯人を特定してしまうのかと新鮮に感じる「山」
    内容もさることながら、昔風の表現も面白かった。

  • こういうブラックな話はわりと好きです。

  • 短篇集.

  •  
     種族同盟 ~ 清張造語 ~
     
    ── 松本 清張《火と汐/証言の森/種族同盟/山 19760225 文春文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4167106132
     
    ── 松本 清張《種族同盟 19670300 オール讀物》
    ── 渡辺 祐介・監督《黒の奔流 19720909 松竹》
    ── 井上 昭・監督《松本清張の種族同盟・湖上の偽装殺人事件 19790526 テレビ朝日》
     
    …… 種族(しゅぞく)は、知性を持つ生物の種が複数存在するファン
    タジーの世界観における種の分類。神話や民話などの伝説・伝承上の生
    物に由来する種族(エルフ、ドワーフ)、黎明期のファンタジー作品や、
    また指輪物語等に登場する中つ国の種族(ホビットなどの種族)に由来
    する種族等が、後年のファンタジー作品、特にテーブルトークRPGや
    コンピュータRPGに登場する。生物にとどまらず、ロボット・アンドロイド
    や生物兵器といった類を種族と見なす世界観も存在する[1]。多くの場合、
    知性を持ち社会を形成する生物を種族と呼び、野生動物の類が種族と呼
    ばれることは稀である。── 種族(ファンタジー)Wikipedia
     
    (20101205)(20170216)
     

  • 「火と汐」
    「証言の森」
    「種族同盟」
    「山」

    ドラマ「火と汐」を見た。その後、この原作を読むが、やはり内容が少し違っていた。ラストは原作のほうが良かった。
    だが、四作品とも後味の悪い内容。爽快感はない。
    とくに「証言の森」は、動機は違うとしても、最近の事件にも通じるものがあるなあと思った。結局、犯人は一体誰だったんだろう。

  • 松本清張の短編推理もの。
    表題作は京都の大文字送り火を見物中、忽然と姿を消した女が、東京で死体となって発見された謎を解く物語。
    読んでいる途中で、トリックがわかってしまうが、つまらなくはない。
    通勤・通学の電車でヒマをつぶすには最適だろう。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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