昭和史発掘 (7) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1978年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167106379

みんなの感想まとめ

昭和の歴史を深く掘り下げた作品で、著者が昭和という時代と真摯に向き合い、数々の事件や疑獄を追求する姿が印象的です。資料の膨大さや同じ論点の繰り返しに圧倒されつつも、その重さを受け入れることで、昭和を単...

感想・レビュー・書評

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  • 実家に帰ったらあったシリーズです。
    父の書棚に入っていて、思わず手に取り、そのまま2週間ほどかけて読み切りました。
    資料の山を前に、著者が1人で昭和と格闘している姿が浮かぶようでした。
    事件や疑獄の掘り起こしは執念深く、読み進めるほど「なぜここまで書いたのか」とこちらが問われる感覚になります。
    権力と責任の所在を曖昧にしたまま進んだ時代の空気が、生々しく立ち上がってくるのは圧巻でした。
    情報量は膨大で、同じ論点を繰り返す箇所もあり、正直かなり体力を削られましたが、それでも、この重さを引き受けて読むことで、昭和を“物語”ではなく“検証対象”として見る視点を得られ、読後に残るのは爽快感ではなく、重たい問いでした。
    ただそれこそが、このシリーズを読む意味なのだと深く思いました。

  • 1978年刊。◆相沢事件(永田鉄山惨殺事件)、軍閥の暗闘(二.二六事件前史)。

     両編を通じ陸軍の軍閥の相克・毀誉褒貶・合従連衡が描かれる。
     が、
    ① 単純に皇道派・統制派という色分けは不可。
    ② ある一つの事件で皇道派や統制派が陸軍権力を掌握したというものではない。陸軍の組織運営の円滑化には双方に目配せを要。
    ③ 皇道派・統制派といっても陸軍内部での主導権争いに過ぎず、海軍・政府・政党・財界・宮中に対しては、陸軍という立場を重視し事に当たる(ただし一枚岩というわけでもない)。

     補足
    ① 天皇機関説事件は枢密院内の権力闘争。
    ② 陸軍からの報道干渉・規制があったことを、関係者の各日記から伺い得る。
    ③ 天皇機関説排撃がS10年10月以降、ピタッと報道されなくなり、一方、陸軍内部の後継内閣を巡る政治暗闘が始まる時期と軌を一にする等。
    ④ 当時においては、在郷軍人会の圧力団体としての意味に注目する必要あり。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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