昭和史発掘 (9) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1978年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167106393

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  • 1978年刊。
     「安藤大尉と山口大尉」「二月二十五日夜」の2本。何れも二・二六事件前史。しかも直前史。
     従前の「昭和史発掘」と同様密度の濃さは相変わらず。文献や証言のクロスリファレンスと反対の立場にも目配せする叙述姿勢は非常に好ましい。

     とはいえ、著者の好みが出るのかな。
     安藤を除く首魁一派の革命実現の稚拙さ(将官クラスの皇道派への無邪気な信頼を含む)や、青年将校を政治的・出世目的で利用した皇道派の将官・左官クラスの心根への軽侮は徹底。
     逆に、安藤輝三大尉をあたかも関ヶ原合戦の大谷刑部吉継に準えるような叙述も。
     冷徹な筆致の中の、著者の浪花節的な感情が見え隠れするようで興味深い。


     補足。
     2.26事件は、革命はもとより、社会変革の手法としても稚拙。
    ① 社会変革であっても君側の奸を除くとのスローガンを含むようでは駄目。
    ② 玉を掌中に収めるか(明治維新)、できなければ、玉を破壊する気概(露革命)必要。
    ③ 軍=組織的暴力・実力集団の決定権限の掌握無し。
     軍の上層部の把握・制御の不備。能天気とも言えそう。
    ④ 大衆運動で政権打倒(仏革命)をなすには前衛にすぎ、かつ遊離し過ぎ。農民の共産主義運動を利用・悪用するくらいでも。新聞?。他地域との連携。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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