昭和史発掘 (11) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1978年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167106416

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  • 1978(底本1971)年刊行。
    「占拠と戒厳令」「奉勅命令」「崩壊」
    という、二・二六事件開始後、特に翌日の関係者の右往左往、毀誉褒貶ぶりと、賊軍と化す過程を解説していく。


     著者は言う。「青年将校は軍隊という閉鎖社会で暮らしてきたために視野が狭く…『軍人精神』的な無知」と。
     これは、他の事件参加者との比較で述べられた部分だが、他の事件参加者も五十歩百歩である。
     近視眼的か否かの違いはあれど、外から見れば、あるいは時代を離れてみれば大して差異はない。
     決して愚鈍とは言い難い彼らをこのような狭窄に陥らせたのは何か。教育なのか?。
     「何故」。あるいは「本当はどうか」。
     こういう問いを忘れた者たち。
     教育者や既存の権威に対し(彼らで見れば天皇も含む)、あるいは、真意・真相の確認の意義を問われなかった(問うことが許されなかった)ことによるのだろうか?。
     換言すれば、多数の利益衡量の意味は勿論、他者の尊厳に無思慮なのだ。
     一方で、武具を備えた者はそれだけで強者で、持たぬ者とは対等ではないということに無自覚なのか。

     さて、香椎、真崎など保身で青年将校を切り捨てたと著者は見ている者は勿論、本事件を火事場泥棒的に利用しようと画策したと見る石原へも、著者は軽侮の眼差しか。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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