十万分の一の偶然 (文春文庫 ま-1-66)

  • 文藝春秋 (1984年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784167106669

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

報道写真を巡る病理がテーマとなっており、現代のSNS文化にも通じる欲望が描かれています。物語は、高速道路でのやらせ事故を巡るカメラマンの行動から始まり、その結果として復讐が展開されます。男性キャラクタ...

感想・レビュー・書評

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  • 70代の母が貸してくれた。松本清張読むの初めてかも。
    A新聞社の公募写真大賞に選ばれた、凄惨な重複玉突き事故の写真。「十万分の一の偶然」でシャッターチャンスに立ち会ったというのは真実か?
    推理小説かと思って読んだので、そのあたりの展開が早くて驚いた。どちらかと言えば社会派小説か。全体に、うまく事が運び過ぎではと思うところはあった。

    物語に男性しかいなったり喫煙がよく出てきたり、時代の記録的なものを感じる。
    唐突に、大麻のWiki的章が始まるのもびっくり。話の腰が折れるし何だろうと思ったけど、こういう普段聞かない話題の教養を得られるのは、インターネットのない時代は良かったのかも。

    この本を読んでる最中に、朝日新聞の地域写真コンテストの受賞作が、生成AI写真をさらに盗用したものだったと発覚したニュースがあった。
    応募者は地域の写真愛好家で、受賞歴も多々あったそう。この小説とのシンクロを感じた。
    50年前は過大な労力と犠牲の上にあった「十万分の一の偶然」に、今は自宅で座ったまま遭遇できる。虚栄心には誘惑の多い時代だと思う。

  • フーダニットはほぼ無し、ハウダニットは一応途中まで伏せられているけどポイントでは無し、ホワイダニットが当たるような当たらないような。謎解きではなく、報道写真を巡る病理が読みどころ。
    凄い写真を撮って有名になりたいという欲望自体は、SNSの発達した現代にも通じる。むしろ現代の方が同じ病に冒されやすい土壌を持つのかもしれない。
    男性の登場人物が当然のように煙草を勧めあう風景に、時代の違いを感じる。

  • 高速道路でやらせの事故を謀り、ニュース写真年間最高賞を受賞したカメラマン。そのやらせの事故によって死んだ女性の婚約者による復讐。

    さすが、松本清張おもしろかった。終わり方も復讐の成就でなかなか良かった。

  • トリックを暴くものでなく、どのようにして犯人に辿り着けるのか。
    そして、復讐と。
    とても、丁寧に作られた作品だと思いました。

  •  年末年始の休みに読もうと、納戸の本棚から引っ張り出してきたのが本書です。
     選んだのは、今から30数年前に買った松本清張さんのミステリー小説。
     本の性格上、引用等は控えますが、珍しいプロットの作品ですね。清張氏の筆力もって描く登場人物の心理描写が読みどころです。

  • トリックを暴くミステリーと思いきや執念深い復讐劇へと転換する。あれれ、どういう展開するの?と先行きが見えなくなってしまう構成が見事。

  • 復讐のために審査委員長まで殺すとは・・・。

  • 壮絶なる復讐劇。
    フィアンセを亡くした男が生きる希望をなくし、ただ復讐することのみを目的として生きてゆく。

  • 最も感動した作品です。
    ”愛と社会”を深く追求する傑作の一つと思います。

  • 特に捻りの有るサスペンスとかじゃないが、清張独特の、文献から紐解く資料的要素満点の作品ですね。
    火曜サスペンスの原点。

  • 2010.11.19 O氏よりレンタル)

  • 元新聞記者として報道写真を公募して賞品を与えるということについて何か許せないものがあったのでしょう。

  • 購入:08/12/30
    読了:09/01/02

  • 時間があれば。

  • すごい執念。
    おそるべき復讐。
    一気読みした。

  • 煙焔天に漲る高速道路、闇夜を真っ赤に染める焔は生き物のように車の姿を飲み込む。生きながらに業火に焼かれ、もがき、叫ぶ人間の声が今にもきこえてきそうな…写真。高速道路で多重衝突現場起こった『瞬間』という『十万分の一の偶然』に居合わせて、現場を激写したカメラマンがいた。惨劇を写した写真は、新聞社の投稿懸賞写真で年間の最高賞に輝いた。写真を挟んで飛び交う意見は様々なところで波紋を呼び、また事故で婚約者を失った男の心にも小さくはない疑問を残した。『十万分の一の偶然』は本当に有り得たのか?男は独断で調べ始めた。松本清張の描く淡々とした語り口にぴたりと物語の雰囲気が合致して、不の感情をよりリアルに心へ響かせる。この小説を読んだのは中学生のときで、その前にも同作家の小説を何冊か読んだことはあったが、中でも比較的気に入っている。早い時点でトリックに気付ける『推理モノ』としては?甘い?この小説はしかし、それだけで説明を終えられないもう一つの要素が込められているだろう。ひやりと冷たい水が皮膚の下を伝う感覚を持たせ、『人間』が持つ空恐ろしさを実感させられる小説だ。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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