考えるヒント (3) (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167107031

作品紹介・あらすじ

事物の核心を衝く鋭い感性と深い思索の小林秀雄講演集。生と死、美を求める心、喋ることと書くこと、政治と文学、悲劇について、表現について、など十二篇を収録。(江藤淳)

感想・レビュー・書評

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  • 死はそれを感じ、経験することで初めて言葉にできる。
     
    美しいモノを前にした時、言葉は目の邪魔になる。

    言葉は人間の理解と行動のための道具にしかすぎない。
    感動は消えてしまう。
    美しさを感じるために知る。



    耳を澄ますとは、音楽の明示する音を絶対的な正確さで捉えること。

    私の人生から割出した結論。

    自分を受け入れる、過去現在を。

    自分なりの文体を持つ。

    働くことが平和なのである。

  • 「2」に完敗した。いやまるでその難解さに歯が立たなかった。悔しさと劣等感とで仕返しのように流して読んでやろうと、再度齧り始めたら驚きの咀嚼易さだった。しかも今まで読んできたどの文化評論よりも内容が濃く、今まで触れてきたあらゆる言説を網羅していた。
     現在までの文化批評なんざ、およそ小林秀雄の焼き直しに過ぎないということがわかってしまった。
    軽いのも、重いのも、わかりやすいのも、難しいのも。

  • 「夢もまた人生に必要ではないか、と。しかし、夢とは、覚めてみればこその夢なのではないか。日常の通念の世界でわれに還るからこそ、あれは美しい夢だったと言うのではないか。そして、通念とは万人の夢ではないのでしょうか。」(私の人生観)

    考えるヒントは私にとって、food for thought(思考の糧)であり、とてもすべてを理解したとは言い難いが、それでもなお率直な語りに刺激を受け、開眼させられることが多い。氏の文章を読むにつれ、もう一度日本の歴史を、中でも文学の歴史を、万葉集、西行、芭蕉、本居宣長と辿ってみたくなった。

  • 何度も何度も読み返している。

    小林秀雄の凄いところは、一旦小林秀雄を離れて周遊し、別のジャンルで知見を得た後に、再び小林秀雄に戻った時に感じる。新たな発見がその都度出てくるのだ。

  • 「読書力」おすすめリスト
    3.味のある人の話を聴く
    →「人形」は必読。

  • 講演などを書き下ろしたものが多くなり、前巻よりは読みやすい。
    戦争で旦那さんを無くした婦人が、旦那さんが死ぬ瞬間を夢で見たというエピソードに対するベルグソンの態度を書いているが、そのことをあるがままに受け入れるといった内容に感銘を受けた。
    でも、やはり難しい一冊である。

  • 私が秀雄信者なのは、何もイケメンだからだけではないのですよwwww ジブリ風に言えば「カッコいいとはこういうことさ」

  • やっと読了!昭和15年から49年までの講演集。「ドストエフスキイ七十五年祭に於ける講演」ロシア社会革命と文学者の話が興味深かった。
    このシリーズの4は中也がテーマなんだよなー。面白そう。

  • 3から読んだから

  •  論理とはまた異なる、別のものがあるのではないか。そんなものを思わせる本であった。小林秀雄は、読めば読むほど奥深く、鋭いものだ。

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著者プロフィール

小林秀雄
一九〇二(明治三五)年、東京生まれ。文芸評論家。東京帝国大学仏文科卒業。二九(昭和四)年、雑誌『改造』の懸賞評論に「様々なる意匠」が二席入選し、批評活動に入る。第二次大戦中は古典に関する随想を執筆。七七年、大作『本居宣長』(日本文学大賞)を刊行。その他の著書に『無常といふ事』『モオツァルト』『ゴッホの手紙』『近代絵画』(野間文芸賞)など。六七年、文化勲章受章。八三(昭和五八)年、死去。

「2022年 『戦争について』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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