新装版 考えるヒント (3) (文春文庫) (文春文庫 こ 1-10)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167107147

作品紹介・あらすじ

「知の巨人」の思索がたどり着いた到達点現代知識人の盲点を鋭くついた歴史的名講演「信ずることと知ること」ほかの講演を収録、「知の巨人」の到達点を知るシリーズ第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • たまたま波長が合ったときなのかもしれないが、1や2よりも印象に残る話が多かった。

    感覚的に美しさを感じることの不思議。

    それは音楽であり、詩であった。
    どちらも人の持つ音の運動から成った。

    けれど、言葉が無秩序であるがゆえに、詩は詩でさえなくなる危険性を孕む。
    そして、いつしか散文が主流になっていく。
    感覚的な、体感的な美というよりも、言葉が機能的になっていった、ということだろうか。

    読んでいくと、ああ!もう無理!ってなることもあるんだけど、手触りだけが妙に分かるような(気がしているだけかもしれないが)時もあって、やっぱり楽しい。

  • 田山花袋と柳田國男についての逸話が面白い。

  • 講演内容を書き起こす際にずいぶん推敲するそうで、さもありなんという文章です。戦争直前のきな臭い時期に歯にきぬ着せぬ意見を述べてるのが印象的。2024.2.25

  • この本でベルクソンを知ったのだと思う。他にも柳田国男、ゴッホ、西行などこの本で興味を持った。
    読み返すたび言わんとしていることはよりわかってくるが、結局話題にしている内容(遠野物語、ゴッホの絵、仏教など)の知識がネックになっている。後は抽象的な話についていけるか。「物質と記憶」は前半まで何とか読んだのでベルクソン関連は読みやすかった。
    講演を起こした本なのだが「本当に言いたいことは講演では現せない」そうなので、書いたものも読んでみたい。

  • 小林秀雄 「 考えるヒント 3 」講演録。死生観、芸術論、文学論の随筆。心に残る言葉が多い。3 が一番良かった

    生と死について
    *兼好〜生が終わって死が来るのではない、死は常に生の中に在って 知らぬ間に 実現する
    *死を目標とした生しか 私達には与えられていない〜それを納得した者にとって、よく生きる事は よく死ぬこと
    *獅子文六の絶筆「牡丹」死を得る工夫〜牡丹の花に従う

    美を求める心=物の美しい姿を求める心
    *美=物の美しい姿
    *美しい姿を求める能力は 養い育てないと衰弱する
    *見ること→慣れてくれば わかる→見ることは喋ることではない〜美には人を沈黙させる力がある
    *歌は 感じる言葉の姿、意味のわかる言葉ではない
    *ゴッホの絵は 絵というより精神

    喋ることと書くこと
    *本を読む人は 自分の自由な読書の時間を持っている〜読者は聴衆のような集団心理を経験しない
    *作家は 自分の裡に 理想的読者を持つ

    悲劇について
    *悲劇は 人生肯定の最高の形式〜悲劇は 人間に何かが足りないから起こるのではなく、ありすぎるから起こる

    歴史と文学について
    *歴史は決して二度と繰り返しはしない。だから僕等は過去を惜しむのである
    *歴史とは 人類の巨大な恨みに似ている
    *いい文学がいい歴史とは限らないが、いい歴史は必ず いい文学である

    文学と自分について
    *文学者は 思想を行う人でなく 思想を語る人だ
    *文学は〜平和な仕事だ、将来の平和のための戦でさえない、仕事そのものが平和な営みなのである

  • 12個あるテーマのうち「美を求める心」がなんだか好きです。

  • 【「知の巨人」の思索がたどり着いた到達点】現代知識人の盲点を鋭くついた歴史的名講演「信ずることと知ること」ほかの講演を収録、「知の巨人」の到達点を知るシリーズ第三弾。

  • 文字の大きい新装版1ー3買い直した。座右の本にはこの活字の大きさがいいかも(´ー`)

  • 前から気になっていた柳田國男著の遠野物語について紹介されており、
    こちらも読んでみようと思う。濫読します。たくさん。ここで紹介されているものは、知る価値ありだと思う。

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著者プロフィール

小林秀雄
一九〇二(明治三五)年、東京生まれ。文芸評論家。東京帝国大学仏文科卒業。二九(昭和四)年、雑誌『改造』の懸賞評論に「様々なる意匠」が二席入選し、批評活動に入る。第二次大戦中は古典に関する随想を執筆。七七年、大作『本居宣長』(日本文学大賞)を刊行。その他の著書に『無常といふ事』『モオツァルト』『ゴッホの手紙』『近代絵画』(野間文芸賞)など。六七年、文化勲章受章。八三(昭和五八)年、死去。

「2022年 『戦争について』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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