ムツゴロウの無人島記 〔正〕 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167108076

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  • 訃報に接して再読したくなり、図書館から借りてきた。
    小学生時代に買った本は手元にないし、なぜかKindle版もなく、古書は高値がついていた。

    約半世紀ぶりの再読だったのに、文章のディテールまで覚えていて、自分でビックリした。10代前半に読んだものって、強烈に記憶に焼き付くのだな。

    畑正憲は北杜夫を尊敬していた人なので、エッセイにも「どくとるマンボウ」シリーズからの濃厚な影響が見て取れる。

    『ムツゴロウの無人島記』は、あの「ムツゴロウの動物王国」ができる以前、嶮暮帰島(けんぼっきとう)という北海道の無人島に移住した時期の話だ。

    この「無人島記」で畑正憲を知った世代にとって、動物王国でTVスターになって以降には、やや違和感がある。何だか、ピュアだった人がだんだんコマーシャリズムに染まっていったような気がしてしまうのだ。
    (まあ、それはこっちの勝手な思い込みで、畑正憲という人はよくも悪くも変わらなかったのかもしれないが)。

    ちなみに、この『無人島記』、『少年チャンピオン』でマンガ化もされた。
    https://metabou2525.livedoor.blog/archives/9340048.html

    マンガ版のタイトルは「ムツゴロウの箱舟」。私はリアルタイムで連載を読んでいた。
    てゆーか、私はこのマンガを読んで興味を抱いて原作エッセイを買ったのだったかも(記憶があいまい)。

    それにしても、このマンガ版、作画は山本まさはる+矢代まさこ (!)だったのだな。コミックスにすらなっていないようだし、どこかで書籍化してほしい。

  • 著者が横浜から北海道に動物と暮らす地を探し、浜中町の無人島に居を定め、地元民からの心無い仕打ちを受けてもめげずにヒトとイヌ、ネコ、ウマ、タヌキ、ヒグマ、カラスとの生活が始まった。この文春のシリーズは、角川『どんべえ物語』で書かれたヒグマとの冒険的・実験的生活以外の部分を作品にした感があり、悲壮感を前面に出さず、牧歌的な雰囲気を伝えようとしているようだ。島の周囲の豊富な海の幸が羨ましいとも思った。鉛色の海面に飛ぶウサギ(荒れた海の波頭)は、太平洋に面した街に住む自分にも判る。

  • 若さの勢いか、すこし散文なところはあるけれど、こんな生き方をしている人がいるというだけで、励まされる。

  • 晩年はうさんくさくなってしまった感もあるムツゴロウさんだけど、小生の北の大地へ想いの原点は、ムツゴロウさん。これも何十回も読み返したバイブルのひとつ。

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著者プロフィール

1935年、福岡県生まれ。「ムツゴロウさん」の愛称で親しまれる。その純真無垢にして豊かな感性での動物・自然とのかかわりは大きな支持を得ている。1968年、「われら動物みな兄弟」で、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。1977年、環境の文学で菊池寛賞受賞。2008年、『ムツゴロウの東京物語』(柏艪舎)を出版。

「2009年 『ムツゴロウのニッポン物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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