手紙 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110116

作品紹介・あらすじ

強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 私が初めて読んだ東野圭吾さんの本です。この本をきっかけに好きになって東野圭吾さんの本を50冊以上読み、今も読み続けています。私にとって記念すべき一冊です。

    • 深雪美冬さん
      コメントありがとうございます!
      初めて、コメントされた数に一件と表示されていて舞い上がっております(笑)
      すごい偶然ですね!私もこの本をきっ...
      コメントありがとうございます!
      初めて、コメントされた数に一件と表示されていて舞い上がっております(笑)
      すごい偶然ですね!私もこの本をきっかけに読書自体を始めたものでして…。
      こんな出会いがあるなんて、ブクログに登録してよかったです^^
      こちらこそ、レビュー読ませていただきます!
      ありがとうございました。
      2012/09/15
  • 加害者家族に焦点を当てた作品という事で読んでみたが、読んでいてとても辛かった。

    子供の不始末は親の責任とか、親の躾が悪いからとか、耳にする事があるが、親ならば多少なりとも責任はあるのだろう。

    では未成年の弟に、兄の犯した罪の責任はあるのだろうか・・・

    責任は無いと思っていても、強盗殺人犯と関係がある人と関わりを持ちたくない、怖い、と思ってしまうのは、ごく普通の考えだろう。


    実際に罪を犯した剛志よりも、何の罪もない直貴の方が苦しんでいる。
    剛志は、塀で守られ、衣食住を与えられ、病気をすれば医者に診てもらえ、仕事も与えられる。
    逆に直貴は、世間の冷たい目に晒されながら、必死にもがき苦しみ生きている。

    剛志から届くお気楽な手紙が、直貴の辛く苦しい人生を更に際立たせているように感じた。

    直貴の最後の手紙。剛志の最後の手紙。直貴の目に映る、剛志の最後の姿。
    何もかもが辛くて。。。。悲しくて。。。。涙が流れた。

    出所して、塀という守られた世界から出た時、剛志は初めて直貴の苦しみを理解することになるだろう。
    その時の剛志を思うと心が痛む。
    罪の償いに終わりはないのかもしれない。

  • 主人公直貴の兄は弟を大学に入れる金欲しさに強盗殺人を犯してしまう。
    その後、直貴は「殺人者の弟」のレッテルを貼られ、就職、結婚、バンド仲間、あらゆる所から見えない差別を受け社会から追われてゆく。
    昼間の大学を卒業し過去を隠してやっと就職した電器屋の量販店でも、店に窃盗がありその事によって過去が明らかにされてしまった。
    彼はその事で職場を配置換えになる。
    差別に苦しむ彼の前にそこの電器屋の社長が現れ、「差別は当然の事だ。それが世間だ」と言い放つ。
    差別は幼いわが子にまで及び、とうとう直貴は兄との縁を完全に断ち切ってしまう。

    甘えを全然許さないストーリー。
    差別、偏見は当然の事、それを正々堂々と世間に隠さないという事すら許さない差別。
    それが社会だという事を私自身改めて考えさせられた。

  • 強盗殺人の罪を犯した兄を持つ直貴が進学、恋愛、就職、夢をつかもうとするたびに犯罪者の弟という運命を突きつけられる。人の絆や贖罪をテーマにした作品。
    自分が直貴の立場だったら、直貴の周囲の人間の立場だったらと登場人物に自分を置き換えた場合に、自分はどんな行動、態度をとれるだろうかなどいろいろ考えさせられる作品でした。

  • 小説も映画も気になってたけど、どちらも観ないままだったと気づいて。
    大ヒットした作品だから今さらながら、という感じだけど。

    端的に言うと、強盗殺人事件を起こした兄を持つ青年・直貴を主軸とした物語。
    獄中の兄から毎月届く手紙と、その手紙を巡る人間模様。
    自分は何も悪いことはしていなくても、そういう兄弟を持ってしまったことで、就職、恋愛、結婚、夢、あらゆることがうまくいかなかったり、差別を受けることになってしまう。とても重くて、辛い内容。

    読みながら、秋葉原の無差別殺傷事件のことを思い出した。その事件自体ではなくて、事件の後、犯人の弟が自殺してしまったということを。
    犯人が隣の市出身だから、たまに知ってる人がいたりして、少し話を聞くこともあって…こう言ってはあれだけど、事件を起こした人間はその後すぐに社会には戻らないで刑期を過ごすなり死刑になるなりするけれど、そういう家族を持った人間は変わらず社会の中にいて、もしかしたら受刑者よりも苦しい思いをするのではないかと思う。

    この小説もそうで、いつまで経っても兄の起こした事件が直貴につきまとう。それは理不尽に思えることばかり。
    でもこれは直貴にスポットを当てているからそう感じるだけで、もし実際近くに直貴のような人がいることが分かったら、自分だって小説に出てくる多数の人間のような振舞いをしてしまうのかもしれないと思う。露骨に避けはしなくても、腫れ物に触るような扱いをしてしまうかもしれない。それも無意識に。
    だからそういう差別はけして特別なことではないということ。
    私自身は法に触れるわけでもないことで差別されたことがあるくらいだから、世の中にはそういうことって溢れてるんだと思う。悲しいけれど、当たり前に。

    一度重大な過ちを犯してしまったら、それまでどれだけ真面目に生きてこようが、どれだけ優しい人間であろうが、そんなことは全く関係なくなってしまう。外から見ている人間の大半は、起きた事実にしか目を向けない。
    「本当は悪い人じゃないのに」って身近な人間が思ったとしても、罪を犯してしまえばみんな一様に「悪い人」にされてしまう。それも当然のこと。

    それぞれ色んな思いがあって起こってしまったことだからこそ悲しくて、どうにかして防げなかったのかと辛くなった。
    ほんの少しの気の迷いで周りの人間の人生までめちゃくちゃにしてしまう可能性がある。それは常に心に留めておかなければならない。

    東野圭吾さんの小説って数冊しか読んだことなかったけど、すごく読みやすくて、どんどん進む面白さがあった。売れてる理由が分かりました。

  • 考えてみると、東野さんからはいつも
    (答えの出ない問題から目を背けるな。)
    と、言うメッセージを発信されているような気がする。

    日々のNEWSで度々目にする痛ましい殺人事件。
    (ひどい事するね)
    (他人の命奪う権利が、一体誰にあるっていうのよ!)

    犯人への怒りは収まらないが、
    フト、
    家族へのインタビューが始まると、複雑な気分になってしまう。

    私は
    彼らにも責任がある、とか
    同じ血が流れている事をおぞましい、とか
    思った事はない。

    むしろ気の毒だな・・・と、同情はするが、
    果たしてその感情は、どこまでが本心なんだろう?

    (身に降りかかる災いは避けようよ…)
    心の裏側から聞こえた薄暗い声が、自分のものである事に気付いて、
    ゾッとしてしまった。

    こんな、
    こんな自分の本音を聞きたくはなかった。

    物語内で殺人を犯してしまった兄だが、
    両親を早くに亡くし、(自分はいくら苦労しても構わないから、弟だけは大学に行かせてやりたい。)
    と、残忍な凶行に及んでしまったのは、実は弟を思いやる優しい気持が原因であった。

    殺人も突発的であり、同情の余地のある犯行…
    いや、でも、殺されてしまった家族にとっては犯人の事情なんて全く関係ないよな。

    弟の思いも複雑だ。

    思いっきり恨めればむしろ、すっきりするだろうに、
    自分の人生を蔑ろにしてまで弟の為に犯罪者になってしまった兄を心の底から憎むことが出来ない。

    …が、
    世間はやはり非情であった。

    犯罪者の家族、と貼られたレッテルは
    彼から全ての未来を奪って行った。

    夢も希望も愛する人も。

    人を信じる事が出来ないつらさ。まるで生きる事を剥奪されかけている弟には、一体どれ程の罪があると言うのだろう。

    はじめて
    東野さんの作品を
    (早く、読み終えたい…)と、思ってしまった。

    それは
    東野さんなら、答えを出してくれるのかも知れない。
    もしかしたら
    この後、彼に一筋の光を与える言葉を見つけてくれるかも知れない。

    でも、私は・・・
    私のなかで、その光を見つけ出せないのだ。

    一気に読み終え、
    ラストの光景を目にした私は、
    (救い)と言う意味の本当の意味を知った…様な気になった。

    温かい思いで心を満たしたい、と誰もが思うが、
    それだけが全てじゃない。

    犯罪者には決して届かない光を求めるから(苦しみ)は生まれるんだ。

    上手くは説明出来ないけど

    救われたいと願うから救われないのかも。

    全篇を通して流れる『イマジン』が
    差別と偏見のない世界を歌う。

    今も歌い継がれてる、今も聞く人の胸に響くと言うことは
    決して無くなってはいないからかもなぁ、とぼんやり思った。

    • 円軌道の外さん

      う〜ん
      難しい問題ですよね(>_<)

      自分は闘うことを止めてしまった
      ビートルズは嫌いやったけど、
      血を流して闘う
      スト...

      う〜ん
      難しい問題ですよね(>_<)

      自分は闘うことを止めてしまった
      ビートルズは嫌いやったけど、
      血を流して闘う
      ストーンズや
      ジョン・レノンは好きでした。



      今の世界を取り巻く状況は深刻で
      様々な環境問題や
      絶えることのない争いや犯罪…。


      ジョンの願った世界からは
      まだまだ程遠い現状だけど、


      だからこそ
      希望や光を内包する

      諦めない、
      信じることを教えてくれる
      音楽のチカラを
      自分は信じていたいって思うのです。


      人間の心を揺り動かす力を
      音楽は充分に持ちえてるし。



      イマジンなんて
      そんなの理想じゃないかと
      笑う人もいるけど、

      理想を語れなくなったら
      人は終わりやと思います。



      悪意の拡散を防ぎ
      抑止する
      『Imagine』を
      誰の胸にも持ち続けていって欲しいし、


      争うことは無意味で、

      人をゆるすことができなきゃ
      自分自身ゆるされることなんて
      一生ないんだと
      この歳になって
      最近思うんですよね(^_^;)




      「手紙」は
      読もう読もうと思いつつ
      もう何年も
      「読みたいリスト」入りしたまんまやったんで、
      近々自分も
      読んでみたいと思います(^_^)v


      2013/02/18
    • MOTOさん
      円軌道の外さんへ

      コメントありがとうございます!
      とても考えさせられるコメントに、しばし、うんうん、と沈思黙考しておりました。^^;

      差...
      円軌道の外さんへ

      コメントありがとうございます!
      とても考えさせられるコメントに、しばし、うんうん、と沈思黙考しておりました。^^;

      差別と偏見のない世の中…。
      ほんと、そうなったら理想ですよね!
      そんな世界ならきっと犯罪も起こらないだろうに。
      人は最低のサイクルを繰り返しているんじゃないかな?
      差別と偏見だらけの世界に、耐えられなくなった
      人間が犯罪を犯す。

      そんな人間に対して、まともな人達は一線を引いてしまう。
      同じ人間として見る事すらしなくなってしまう。

      全てを悟り、何もかも許す事など人には決して出来ないそうですね。
      それが出来たのは唯一お釈迦様だけ、だったとか。
      円軌道の外さんの様に

      人をゆるすことができなきゃ自分自身ゆるされることなんて一生ない。

      事に気付く人が増えたなら、
      この生きにくい世の中もほんの少しだけ、
      優しい世界に変われそうな気がするのですが。

      いつか、
      円軌道の外さんの「手紙」の感想も読んでみたいですね。^^♪
      2013/02/19
  • 実に重い。東野圭吾らしい作品ですねぇ。
    弟の大学進学資金欲しさのあまり空き巣に入り、強盗殺人を犯してしまう、兄剛志。

    まず、この時点で大馬鹿野郎ですよ。
    弟直貴は頭いいんだから、奨学金とかさぁ、なんか他に手段ないの?なんで空き巣なん?
    そして、空き巣に入ってお金盗んで、なんでソファーでくつろぐの?

    序章から飛ばしてくれます。

    その後は服役した兄からの手紙に苦しめられる直貴。
    獄中からくる手紙がやたら呑気に見え、強盗殺人犯の弟というレッテルを貼られて差別に苦しめられるのが嫌で嫌でたまらなくなる。

    重いよね。
    作中にもありますが、たいていの人は強盗殺人犯とは無縁の世界で生きている。
    なので、その身内ってのが近くにいたら無意識に排除してしまう。同情はするけど仲間にはなりたくない。
    運よく、身内に強盗殺人犯がいないのでリアルに心境を掴み取ることができないものの想像すると空恐ろしくて身震いする。
    一瞬にして自分の人生も終わってしまうんだから。

    主人公直貴も事件当時は高校生でアパートも追いやられるところから始まり、兄のことを隠して生きていくものの兄からの手紙でいつも境遇がばれてしまい、バイトも辞め、職場もバンドでメジャーデビューって夢も潰えてしまう。
    正々堂々と生きようと思ってもやはり兄の影が重く垂れこみ、娘や嫁がいじめにあう。

    本当にこの立場の人はどう生きればいいのでしょうか。
    職場の平野社長が何度かアドバイスくれます。
    差別について、逆差別について。
    でもねぇ、読んでもやっぱり私にもわからない。どうすればいいのか。

    直貴は最後に兄が被害者家族に送った最後の手紙を読んで悟ったような感じですが、私は読んでも悟れなかった。

    まだまだ未熟ですわ、私。

  • 自分の現実にはない出来事。
    でも、この現実を受け入れなければいけない人がいるのも事実。
    なにかコメントしても、その現実を知っている人にあまりに失礼な気がして。

    なんでだろう。
    愛があるのに。

    • 9nanokaさん
      深いです…
      感動したとか言っちゃわないところがさすがkomoroさんだと思いました。
      深いです…
      感動したとか言っちゃわないところがさすがkomoroさんだと思いました。
      2016/03/22
  • 一気に読みました。
    犯罪を犯した加害者の家族の話。

     日々、多くの殺人事件が起きる現実社会において、自分は関係ないと思い暮らしています。でもその事件の数だけ、被害者が居て加害者がいる。同じくその家族も。

     マスコミ的に事件の内容や動機、推理をすることは可能ですが、当事者の家族を題材に書かれることはあまりない。

     刑務所に入り、閉鎖された空間で過ごす加害者よりも、社会の中でむき出しにされ、虐げられながらも生きなければならない加害者の家族の苦悩を描いています。

    家族に罪は無いと思いながらも、関わりたくないと言う感情も良く分かる。

    普段の趣とは大きく視点を変えた、静かな苦悩の物語でした。
    「さまよう刃」の対極にあるかと思いましたが、そう単純ではないですね。

  • 東野圭吾の世界に私を飛び込ませてくれた作品。
    本を読んで涙を流したのは初めてで、それ程自分が中に入り込めた。

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プロフィール

東野 圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。
テレビドラマ・映画化された作品が多い。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画『手紙』『ラプラスの魔女』。2018年11月『人魚の眠る家』、2019年木村拓哉主演で『マスカレード・ホテル』、同年に玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演で『パラレルワールド・ラブストーリー』についてそれぞれ映画化が決まっている。

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