手紙 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 29794
レビュー : 2868
  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110116

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾はミステリー作家だと思っていたので、敬遠していたが、ずっと気になってたので読んでみた。
    ミステリーだけではなく、こういった作品も書くことに驚いたと同時にすごい作家さんだなぁと思った。

    涙が読まらなかった。
    犯罪者は家族の人生をも大きく狂わせる、そのことを覚悟しなければいけない。自分が刑を受ければいいだけの問題じゃない。それを認識しないといけない。

    私が会社に採用された際、身辺調査をするといわれた。身内に犯罪者はいないかなどの軽い審査だと言われた。その時、審査には問題なかったが、ざらっとした嫌な気持ちになったのを覚えている。身内に犯罪者がいたら内定取り消しになるってことだ。
    わたしは、犯罪者の家族についてあまり深く考えたことがなかった。突如人生が狂わされるのだろう。
    犯罪者の家族についてもっとメディアで取り上げたり、子供のうちから常識として意識に強く訴えられたら犯罪抑制力になるのではないか。この本を読んで強く思った。
    --(あらすじ)------------------
    たった一人の家族、弟・直貴を大学に行かせるためにお金が欲しくて盗みに入った家で、殺人をおかしてしまった、兄、剛志。強盗殺人の罪で服役中している兄から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。

  • 図書館。今まで加害者の家族の事なんて考えてもみなかった。被害者の家族ばかり考えてたが、それと同じぐらいつらい目に会うことが良くわかった。犯罪者と同じ血が流れている。それだけで偏見差別の嵐のなか生きていかなければならない。そして、そうさせてしまった加害者本人の罪は、裁判で課せられた罪以上に重い。
    悪いことしたら、自分ひとりが罪をかぶるんじゃない。家族にも罪をかぶせてしまうって事に気づいただけでも、この本を読んでよかったと思う。

  • 図書館にて借りました。
    映画も観ました。

    何回読んでも自分の中の答えが確定できない、読後にもやもやしてしまう(いい意味で)作品です。

    差別とは、偏見とは、綺麗ごとでは幾らでも答えは出るが、本音を追求された気分です。
    しかし、被害者にも加害者にも残された家族がいる現実を教えてくれた作品です。

  • 電車で読んでいて、唖然とする展開に思わず乗り過ごしてしまう始末。深いテーマを淡々と語り継ぐ名作。きっと答えは出ないだろうが何度も読むべき一冊。

  • 被害者や遺族も苦しいけど、
    加害者もその家族も悩まされているという
    心境を表しているのに感嘆しました。
    自分のために強盗殺人を犯した兄を持つ弟の話。
    学校、音楽活動、結婚、就職、人生のいろいろな場面で、
    犯罪者の家族ということが主人公を苦しめます。
    重くて、考えさせられる内容でした。
    どれが正しくて、
    間違ってるかなんて誰にも分からないし、決められない。
    でもどの人も、必死に、真摯に、
    自分が良かれと思った方向に精いっぱい
    向かっていたように思いました。
    終わりの方で、
    事件現場に赴いた直貴に対する遺族の言葉には
    非常に感動しました。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。

  • 正義や倫理や道徳を頭で理解していることとそれを真に内在化し実行することはまったく別のことである。

    読み手は犯罪を犯した兄の事情、兄弟の置かれた環境などを「真実」として知っているから、「犯罪者の家族」というだけで冷たく接する世間を時に酷いと思うことがあるかもしれない。
    でも、それは自分が物語の外側にいるからそう感じるのだということに途中で気づかされる。
    物語の内側に入ったとき、果たして自分はどうするのか…

    いろいろなことを考えさせられるとともに主人公が経験する真綿で首を絞められるような苦しみによって、犯罪を犯すことがもたらす恐ろしさを痛感させられた。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「物語の内側に入ったとき」
      世の中は傍観者で居たら、どれだけ楽か。それを知っただけでも、これからの考え方が変ってゆくでしょう、、、しんどくて...
      「物語の内側に入ったとき」
      世の中は傍観者で居たら、どれだけ楽か。それを知っただけでも、これからの考え方が変ってゆくでしょう、、、しんどくても流されない自分自身を作るコトが、自分自身や大切な人を守る力になると思います。。。
      2013/02/26
  • 久しぶりに小説で泣きました。

    「差別や偏見のない社会」なんて綺麗事なんだと考えさせられました。
    誰もが自分を一番大切に思うのは当たり前で、そのためには差別があることも仕方がない。
    道徳的に正しいことが、現実を生きていく上でも正しいとは限らない。
    理想や私情を挟まないメッセージに納得せざるを得ませんでした。

    すごく重い内容でしたが、リアルな人間関係や社会について考えさせられました。

  • 身内に犯罪者がいるという事の重さ
    幸せをつかもうとするたびに過酷な現実が綺麗ごとでは済まされない事実
    絶縁したけれど...兄弟の絆は....感動です!

  • 涙で読めない

    BGMはSIONの12月で

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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