手紙 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 2862
  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110116

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読みました。
    犯罪を犯した加害者の家族の話。

     日々、多くの殺人事件が起きる現実社会において、自分は関係ないと思い暮らしています。でもその事件の数だけ、被害者が居て加害者がいる。同じくその家族も。

     マスコミ的に事件の内容や動機、推理をすることは可能ですが、当事者の家族を題材に書かれることはあまりない。

     刑務所に入り、閉鎖された空間で過ごす加害者よりも、社会の中でむき出しにされ、虐げられながらも生きなければならない加害者の家族の苦悩を描いています。

    家族に罪は無いと思いながらも、関わりたくないと言う感情も良く分かる。

    普段の趣とは大きく視点を変えた、静かな苦悩の物語でした。
    「さまよう刃」の対極にあるかと思いましたが、そう単純ではないですね。

  • 犯罪加害者の家族が抱える苦悩、偏見、ラベル貼り、差別。道徳や綺麗事では済まされないスティグマを背負い、世間という牢獄の中で生きていくということ。直貴は平野や緒方の中の父性を求めていたのだろうか。
    最後はちょっとあっけない。結局は血のつながりなのか。

  • 東野さん、泣ける系?名作。
    殺人犯の弟ということで、結婚も就職も友達付き合いも上手くいかなくて、どうか救われてくれ、いい人に会ってくれ…願いながら読んでいた。
    こんな弟想いのお兄ちゃんがいたら、もう憎めないし疎めないよな…と思う。

  • ☆3 犯罪者の家族の苦悩を描く作品。ミステリーではない。最後まで苦しい話が続く。差別、偏見を考えさせられる。無意識の差別や偏見は自分も持っているかもしれないと感じた。 最後の3ページは読んでいて鳥肌がたった。 テーマは重いが、軽快なテンポで話が進んでいくため読みづらくはない。ただエンターテイメントを求めている人には不向きかも。

  • ミステリーという感じではない。

  • 泣いた。映画の方が泣いたけど、重い小説

  • 差別はなくならない。そんな本。
    貧しさゆえに、強盗殺人を犯してしまった兄を持つ、唯一の身内の弟が背負わなければならなかった不幸のお話し。

  • 「理不尽な世の中だなぁ」と読書後に非常に腹を立てたり、嗚咽したり、ぼんやりと思ったり、少なからず何かを感じると思いますが、その不条理な世の中を作ってしまっているのは詰まる所我々ですから気分が悪くなります。殺人者の家族を持った不運な主人公という一般的に馴染みがない者へ読者の共感を得る為、その世間が極端に悪に描かれることは小説の常套手段ですが今作は違います。見て見ぬ振り、差別していない振りのリアルさに胸くそ悪くなります。兄が裁かれるべき存在だということは揺るぎませんが、弟が差別されることが間違いであることも揺るがないことです。殺人者の家族が近所にいることは極めて珍しいことですが、国籍、身体など差別の材料となることは至る所腐る程あります。差別はなくならないよねぇと悟った気でいるより先ず自分から差別はやめんといかんと叱られた気になりました。東野圭吾の諦観にも似た怒りを感じました。

  • 犯罪者の周りの人はこんなこと考えてるのか、また犯罪者は、こう思われるだろうな と思いながら罪を償う、とか、、言ってることが意味わからないかもしれませんが、私にとったらすごく新鮮だった。
    泣けるといわれているので読み始めましたがさほど泣ける訳ではなかったです。しかし!最後のシーンは言葉がでない。

  • 殺人犯と弟の間でやりとりされた手紙を通じて社会の矛盾が描かれた話しですが、前向きに強く生きていくことの光を結末に見ること以外にとても残酷な現実を迫る内容で読み終わってもしばらく辛い気分だったです。解説にもあるように読み手にも突きつけられる感じも救いのような酷なような気持ちになりました。

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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