真夏の方程式 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2013年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784167110154

作品紹介・あらすじ

夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう一人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは――。

みんなの感想まとめ

人の愛情や優しさが、時には嘘や罪を生むことを描いた物語が展開されます。夏の美しい玻璃ヶ浦で、少年と湯川が出会い、元刑事の遺体発見をきっかけに事件が動き出します。湯川は少年に算数を教えたり、共に悩むこと...

感想・レビュー・書評

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  • 大切な誰かを守るため、人は嘘をつき罪を犯す。
    深い愛情が切なく胸を打つ物語だった。


    夏の玻璃ヶ浦の美しい海。
    そこで見つかった元刑事の遺体。
    事故か?事件か?
    亡くなった彼は、16年前の殺人事件で玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕した経験があるという。
    二つの事件に関連はあるのか?


    真相に近づくほど悲しい真実が見えてくる。
    仕事で現地に滞在していた湯川は真相に気付いてしまうが、その湯川の優しさが胸に沁みる。
    これは著者の優しさでもあるのかな。


    湯川は、夏休みを玻璃ヶ浦にある叔母一家経営の旅館で過ごす少年と出会う。
    算数のドリルや自由研究など、はかどらない宿題を抱えた少年を湯川が手助けするのだが、こんなふうに教えてもらえたら算数も楽しいだろうなと思う。
    私も子供の頃に出会いたかったな(*´ ˘ `*)
    自由研究はペットボトルロケット!
    私も参加したいっ!

    でもこの少年、しっかり事件に巻き込まれちゃう…


    湯川が少年に言った最後の言葉
    「今回のことで君が何らかの答えを出せる日まで、私は君と一緒に同じ問題を抱え、悩み続けよう。忘れないでほしい。君は一人ぼっちじゃない」
    この言葉が少年を救う。
    うわぁ~
    思わず涙が込み上げてしまう。
    きっと君なら大丈夫だよ。⁠:゚⁠(⁠;⁠´⁠∩⁠`⁠;⁠)゚⁠:⁠。

    • aoi-soraさん
      まきさん、いっぱい本読んでるから忘れて当然ですよ
      私なんか、自分のレビュー読んでも思い出せないのが沢山あります…
      この本は面白かったです(*...
      まきさん、いっぱい本読んでるから忘れて当然ですよ
      私なんか、自分のレビュー読んでも思い出せないのが沢山あります…
      この本は面白かったです(*´ェ`*)
      2025/05/28
    • aoi-soraさん
      シンタロウさん
      ちょっとセリフが違うんですね!
      でも、それらの事も言ってますよ
      3つくらいに分けて湯川が言ってます!
      文庫化する時に、見直す...
      シンタロウさん
      ちょっとセリフが違うんですね!
      でも、それらの事も言ってますよ
      3つくらいに分けて湯川が言ってます!
      文庫化する時に、見直すんですね
      知らなかった(⁠☉⁠。⁠☉⁠)⁠!
      2025/05/28
    • shintak5555さん
      なるほど!
      なるほど!
      2025/05/28
  • 方程式の未知数はわからない方がいい時もある。そして少年の最適解は?一体なんだろう。全てを知ることが必ずしも幸せではない。そしてこの話もまた献身だ。この未知数の答えを出した時、どんな気持ちになるのか?

  • 夏休みを叔母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平と、仕事で同じ宿に滞在することになった湯川。
    翌朝もう1人の宿泊客が死体で見つかる。
    これは事故か、殺人か…。

    ギリギリ夏の気配が残るうちに読了することが出来ました。
    本作は苦手な子供と触れ合う湯川先生と、海の環境保護について科学者としてどんなスタンスを持つのか、これまでにはない湯川先生の新たな一面が見られます。
    そして最初から事件を把握するポジションに就き、早い段階で真相に辿り着いていました。
    お馴染みの草薙さんと内海さんも捜査に駆り出され、どんどん複雑になっていく人間模様に、ミステリーよりも人間ドラマを追っているような感覚でした。
    様々な実験や夏休みの宿題に取り組む恭平くんが愛おしくなる一方、不穏な空気に包まれる後半は読み進めるのが辛かったです。

    正直なところ、結末はこれでよかったの…?と釈然としない部分もあります。
    死ぬまで秘密を守り切る人と、それによって運命を変えられた人。
    真実を全て明らかにすることが必ずしも正しいとは限らない。
    愛する人への「献身」を知った湯川先生だからこそ、心を救うための最適解を求めたはず…。
    最後の恭平くんとのやり取りに、ひと夏で生まれた信頼関係が窺えてグッときました。

    恭平くんがこの先どんな答えを導くのか、読者にとっても"今すぐには答えを出せない問題"となってずっと心に残るのだろうと思いました。

  • 素晴らしい作品。久しぶりにガリレオシリーズを手にしましたがやはり面白い。ガリレオシリーズの中では容疑者Xの次に好きな作品となったかもしれません。年代や場所、遠く離れた様々な点と点が徐々に一箇所に集約されていく、そんな構成が相変わらずとても良く出来ています。秀逸。読んでいて惹き込まれますし、真相についても見事。とある事故事件がキッカケとされるミステリーではありますが、犯人=悪、犯人は誰で謎をどう解くか、的な単純めいたものでは決してなく、人間関係、人の想いや揺さぶられる様々な感情が背景にはあって、至った経緯も含め物語としての深さがしっかりと感じられる作品だと思いました。何よりやっぱ読みやすい。未読ガリレオシリーズが2冊かな?ありますので、引き続き読んでいきたいと思います。

  • 高校生の息子のおススメ。感想を話し合いたいから早く読んで~と言われて読んでみました。

    少年が電車の旅で男の人と喋るところから始まります。その男の人が湯川学であることがわかったところで、出た~~っと、ワクワクしました。
    推理しているシーンでは「献身」という言葉がさらっと出てきて、さりげないシリーズ感に好感が持てました。

    あっと驚くほどのエンディングではないけれど、犯人は凄い怒りを抱えていたのでは、と心情を考えると胸が締め付けられます。

    ところで、今回、図書館から借りて読んだのですが、ページが欠落して紛失したのか、最後の16ページがコピーしたものを上手く糊付け補修したものでした。あまりにも上手くて、息子は補修したものだとは気づかなかったそうです。図書館員さん…完全犯罪できるんじゃないかしら。

    エンディングの素晴らしさと、図書館員の技術の素晴らしさが重なって、本に携わる人の技術ってすごいなぁと思いました。

  • 映画は観たことがあったけど、本で読みたい&夏らしい一冊!ということで手に取りました。

    夏休みを玻璃ヶ浦の伯母の旅館で過ごす少年と、仕事で訪れた湯川が事件に遭遇する物語。

    湯川が少年に勉強を教えたり、一緒に実験したり。交流を通して信頼関係が生まれるのが印象的。

    「今回のことで君が何らかの答えをだせる日まで、私は君と一緒に同じ問題を抱え、悩み続けよう。忘れないでほしい。君は一人ぼっちじゃない」

    少年に寄り添い、一緒に悩み続けると言う湯川の温かさがたまらない。ジーンときて。

    読み応えがあった。
    本で読むことができてよかった。
    私の夏の一冊になった。

  • 優しさとは何なのかと考えさせられた。それぞれの気持ちが交差して悲しい事件になったのだな…。湯川と恭平の関係が凄く良かったが恭平が大人になった時に自分がしてしまった事実を受け止められるのか…ただただ心配。

  • ガリレオシリーズ6作目。今回も長編もの。ガリレオは長編の方が好きですね。

    夏休みの港町での事件。今回の事件は様々なポジションの登場人物が入り乱れ、玻璃ヶ浦と東京の異なる舞台があり、過去のエピソードも重要なウエイトありの中、それぞれに色んな伏線や謎が散らばっててるので、頭の整理が少し大変でした。

    謎がしっかりと解けてストーリーが繋がった時はとてもスッキリしましたね。終わり方もガリレオっぽい所が好きでした。

  • 「家族を守る」という純粋な動機が、結果として取り返しのつかない罪を招いてしまう。
    善悪では割り切れない、東野作品らしい重厚な人間ドラマだった。

    子供嫌いの湯川が少年に科学の楽しさを説く場面があるからこそ、その裏に潜む悲劇の残酷さがより一層際立つ。

    ガリレオシリーズ特有の科学的アプローチを軸にしつつも、人間の感情や家族の絆が濃密に描かれており、ミステリーとしての面白さはもちろん、一冊の人間ドラマとして深く心に刻まれる作品だと思った。

  • 東野圭吾氏のガリレオシリーズ第六弾。草薙・内海コンビより先に事件に遭遇し、独自に調査を始める湯川博士。真犯人は予想もしなかった人物。湯川博士は最初から、この結末がわかっていたのだろうか。

  • 安心のガリレオシリーズ。
    こちらは六作目になるのかな。
    図書館で借りて読んでみました。

    ※探偵ガリレオ
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110075#comment

    ※予知夢
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110083#comment

    ※容疑者Xの献身
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110121#comment

    ※聖女の救済
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110148#comment

    「容疑者Xの献身」「聖女の救済」に続く
    長編ミステリーの三作目ということで、
    今回は犯人が最後まで分からない展開に
    ハラハラドキドキというよりは、
    「一体、どーなってんの?」という疑問(??)が
    頭の中でグルグルしながら、進んでいくストーリー。
    最後の最後まで一体全体どうなっているのか、
    自分には全然分かりませんでした。。
    よくもまぁこんなに複雑な関係性を考え付くなぁ…
    というのが正直なところですが、
    それがプロのミステリー作家というものなんですよね。

    これまで比較的、天才物理学者である湯川教授が
    クールで頭が切れる感じで描かれていたのが、
    今回はちょっと人間味あふれる気遣いのできる人物になっていて、
    ちょっとじーんときました。

    これまでの長編二作は、
    どちらかというとトリック感が強いように思えたのですが、
    今回は物理要素も入っていて、
    湯川教授だからこそ解決できた事件に感じることができました。
    面白かったです!

  • ガリレオシリーズ 6

    経済産業省の資源エネルギー調査会が「玻璃ケ浦から数十キロ南方の海域が海底熱水鉱床開発の商業化を目指す試験候補地として極めて有望である」とのレポートを発表した。
    世界中で不足しがちなレアメタルを採算が取れる状態で採掘できるとなれば、日本は一躍資源大国となれる。
    政府はこの分野の技術開発に力を入れる。
    一方で、海を荒らされるのを恐れる人々は、反対の態度を見せる。

    そこで、経済産業省は、鉱床に関わる住民達に対して、説明会を開くことになった。

    電磁探索についての説明の依頼を受けた、湯川学は、玻璃ケ浦を訪れた。
    が、湯川が訪れた初日に、同宿であった塚原正次が、行方不明になり、翌日、海岸で、遺体でみつかった。

    新幹線で偶然会った少年・柄崎恭平と湯川の交流が、悲しい事件である筈のストーリーを、暖かくしている。

    悩む恭平少年に、湯川は「君が何らかの答えを出せる日まで、私は君と一緒に同じ問題を抱え、悩み続けよう。君は、一人ぼっちじゃない」と言う。

    切ない結末ではあったが「実に面白い」作品であった。

  • あなたにとって素晴らしいと思える本のタイトルはなんだろうか
    僕は長編のタイトルとても大事派である
    多くの人は本を閉じ、本棚へと収納する
    その時に必ずもう一度目にするのだ。タイトルを

    たまにその所作を経てタイトルをもう一度目にした時、あぁいいタイトルだなと軽い走馬灯のように駆け抜けることがある
    僕にとってこの本はそれである

    タイトルが物語を抱擁している
    そして描かれていない部分を優しく演出している
    子供が成長するのはいつだって、親が知らない時なのだ

    何か綺麗な青空が広がり、波の音が聞こえる
    気がする
    温かい気持ちになり良いタイトルだなあ
    と思うのだが今は冬であり外の気温は4℃
    あれっ、もうさむいなあ


  • ガリレオシリーズ。
    めちゃくちゃ読みやすい。昔の事件と今回の事件、そして容疑者との関連が方程式のようにするりと解明されていく。湯川の人間性が際立ったし、切ない読後感も最高。

  • ひと夏のせつないミステリの一冊。

    オススメの声を聴き読んで良かった。
    最後にまんまと涙一粒、やられた。

    チラみせチラ匂わせが本当に巧い。
    たぶんチラチラのこれが、あの人が…と、わかっている。
    でもそれがどう繋がるのか…このもつれほぐす組み立てにはやっぱり感心しかない。

    湯川先生と少年のひと夏の交流も良かった。

    時々、理系嫌いの自分もお説教されてる気分になったけど。

    最近、湯川先生の人となりを知れたおかげで親しみも感じられたな。

    とてつもない苦しみと背負う未来を描きながらもせつなさプラス優しさの着地がいい。

    これぞ去り行く夏。

  • 今日も読み終えました。

    こちら……読後物凄い虚無感というか
    脱力感というか…その前に
    東野圭吾さんて天才か!
    良い意味での余韻がすごいです。

    そして、、いつの間にか湯川さん
    子供と対等にお話できてる!のはやはり
    あの事がきっかけだったのかなぁ…

    何はともあれ素晴らしい作品でした!

  • 【ガリレオシリーズ6】
    架空の土地、海がとても美しい玻璃ヶ浦(はりがうら)。海底資源開発事業に物理学の見識者として招かれた湯川。
    そこで親戚が経営している宿を訪れた小5の恭平と出会う。
    翌朝、もう1人の宿泊客:塚原という男が岩場で死んでいた。不慮の事故なのか⁈

    ジリジリした太陽と美しい海、寂れていく元観光地とそこで暮らす人々。海を守りたい者と海底開発に期待する者。

    子ども嫌いのはずの湯川と恭平の友情の絡めながら真相へ…。

    夏休みが終わるもの悲しさを思い出した。恭平の成長を湯川とともに見守る気持ちと切なさで読了。

  • とある少年の夏休みが思いもよらない方へと進んでいってしまう。ガリレオとの出会いが少年よ夏休みひいては人生の出発地点になったのではないかという。
    事件の内容のミステリー要素だけでなく、人間味に触れる読んでいて強く引き込まれる作品であった。

  • このガリレオシリーズは湯川と少年の物語。
    訪れた土地、宿。そこに関わる人達の様々な過去など。
    事件を追うにつれ明らかになる真相。
    そして最終に進むにつれての衝撃の事実。
    「容疑者Xの献身」を思い起させる想いがまたそこにありました。
    結論は各々がいいかたちで落ち着いたように思えます。
    いい作品でした。

  • 久しぶりの湯川シリーズです。
    今回は珍しく事実が公にならずにクローズするパターンで終わるストーリーですが、こういうのも良いかも…と思える内容なのは流石でした。
    しっかり意表をついた展開も用意され、そのドンデン返しに絡む人間ドラマも『まさか?』の連続でした。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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