真夏の方程式 (文春文庫 ひ 13-10)

著者 :
  • 文藝春秋
3.90
  • (967)
  • (1975)
  • (1101)
  • (115)
  • (15)
本棚登録 : 17805
感想 : 1123
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110154

作品紹介・あらすじ

映画公開を前に、ガリレオ最新長編待望の文庫化!夏休みに美しい海辺の町にやってきた少年。そこで起きた事件は事故か殺人か。湯川が気づいてしまった真実は? 6月末映画公開決定!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 安心のガリレオシリーズ。
    こちらは六作目になるのかな。
    図書館で借りて読んでみました。

    ※探偵ガリレオ
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110075#comment

    ※予知夢
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110083#comment

    ※容疑者Xの献身
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110121#comment

    ※聖女の救済
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110148#comment

    「容疑者Xの献身」「聖女の救済」に続く
    長編ミステリーの三作目ということで、
    今回は犯人が最後まで分からない展開に
    ハラハラドキドキというよりは、
    「一体、どーなってんの?」という疑問(??)が
    頭の中でグルグルしながら、進んでいくストーリー。
    最後の最後まで一体全体どうなっているのか、
    自分には全然分かりませんでした。。
    よくもまぁこんなに複雑な関係性を考え付くなぁ…
    というのが正直なところですが、
    それがプロのミステリー作家というものなんですよね。

    これまで比較的、天才物理学者である湯川教授が
    クールで頭が切れる感じで描かれていたのが、
    今回はちょっと人間味あふれる気遣いのできる人物になっていて、
    ちょっとじーんときました。

    これまでの長編二作は、
    どちらかというとトリック感が強いように思えたのですが、
    今回は物理要素も入っていて、
    湯川教授だからこそ解決できた事件に感じることができました。
    面白かったです!

  • ガリレオシリーズ 6

    経済産業省の資源エネルギー調査会が「玻璃ケ浦から数十キロ南方の海域が海底熱水鉱床開発の商業化を目指す試験候補地として極めて有望である」とのレポートを発表した。
    世界中で不足しがちなレアメタルを採算が取れる状態で採掘できるとなれば、日本は一躍資源大国となれる。
    政府はこの分野の技術開発に力を入れる。
    一方で、海を荒らされるのを恐れる人々は、反対の態度を見せる。

    そこで、経済産業省は、鉱床に関わる住民達に対して、説明会を開くことになった。

    電磁探索についての説明の依頼を受けた、湯川学は、玻璃ケ浦を訪れた。
    が、湯川が訪れた初日に、同宿であった塚原正次が、行方不明になり、翌日、海岸で、遺体でみつかった。

    新幹線で偶然会った少年・柄崎恭平と湯川の交流が、悲しい事件である筈のストーリーを、暖かくしている。

    悩む恭平少年に、湯川は「君が何らかの答えを出せる日まで、私は君と一緒に同じ問題を抱え、悩み続けよう。君は、一人ぼっちじゃない」と言う。

    切ない結末ではあったが「実に面白い」作品であった。

  •  東野圭吾作品の中で確実に上位入りする名作だと思った。

     「大切な人を守る為、自分が犠牲になる」信じられない程の勇気と覚悟。そして忍耐力を持った人達が描かれていた。

     ミステリーではあるが、人を大切に想う気持ちがリアルに伝わってきて、胸が一杯になった。

     読んで良かった。

  • このガリレオシリーズは湯川と少年の物語。
    訪れた土地、宿。そこに関わる人達の様々な過去など。
    事件を追うにつれ明らかになる真相。
    そして最終に進むにつれての衝撃の事実。
    「容疑者Xの献身」を思い起させる想いがまたそこにありました。
    結論は各々がいいかたちで落ち着いたように思えます。
    いい作品でした。

  • 容疑者Xの献身に次ぐ大好きな作品

    東野圭吾の慈愛を感じる。
    人は過ちを犯す
    それを償わずに嘘で固めるところに
    また罪を重ねる。人は愚かだ〜
    どんなに辛くても
    真実を前にして罪をつぐなわないといけない。

    ここまで人を愛し身代わりになれるものなのか?
    例え親子であっても。親の愛とは。
    ずいぶん初期に読んだ作品
    ガリレオ好きだー。ガリレオは子供が嫌いで?
    本当は
    だけど子供に対する真の愛情はある。
    物理化学科学数学は騙せない。
    悲しすぎる。

    しかしどんなに辛くても真実は明らかにしなければいけない。
    いつもガリレオは教えてくれる。

  • 後半一気読み!

    何故事件が起こったのか?
    何故人を殺す選択をしてしまったのか?

    人が生きてきた歴史の中での出来事が、
    今の自分を作っているんだと思う。

    それにしても、ガリレオシリーズの長編は
    どれも素晴らしいね!

  • 海底資源探査のため、寂れたビーチリゾートに滞在中の湯川先生。宿泊中の宿で、宿泊客の1人が海に転落死した。死んだのは警視庁の元刑事だった。事故として片付けようとする地元警察に対し、事件性を感じ取った警視庁管理官は、遺体を司法解剖し、草繋に捜査を命じる。

    いつになく事件に積極的に関与する湯川先生。「ある人物の人生がねじ曲げられる恐れがあるから」と思わせ振りなセリフ。そして、次第に明らかとなっていく過去の冤罪事件。"献身" がキーワードだ。

    東京とリゾート地で同時並行して進む捜査。悲惨な出来事もあっさりと描かれていてそれほど重たくならない。そして納得の結末。爽やかな読後感だった。

    夏休みで宿に滞在する親戚の少年との交流が、読んでいて微笑ましかった。

  • 面白いではなく良かった、良い物語だった。

    物語は、
    美しい海を誇る町・玻璃ヶ浦で発見された男の変死体。当初単純な事故と思われたものが、やがて16年前のある事件との関係が浮かび上がってくる...

    湯川が少年 恭平や玻璃ヶ浦を守る成実に語りかけていく。
    とても深い愛情が巻末になればなるほど伝わってきた。
    湯川の一言一言がとても良かった。

    ガリレオシリーズは「容疑者Xの献身」しか読んでいない。
    「真夏の方程式」を読んで、湯川をもっと知りたくなった。

  • ガリレオシリーズの長編。
    ミステリーとしてももちろん面白いけど、東野さんの描く人間模様がなんとも切なく、胸がきゅうっとなります。
    恭平君のこれからの人生が気になります。

  • ガリレオシリーズ第六弾。海の綺麗な田舎町で死体が発見された。その人物は元刑事。たまたまそこに泊まっていた湯川が事件に興味を持ち、陰ながら捜査に協力し、奔走する。その事件に隠された真相に気付いたガリレオ。そこに隠されていた悲しい真相とは。

    「忘れないで欲しい、君は一人じゃない」

    映画化もされていた作品。ついに手に取る機会が訪れました。

    子供嫌いの湯川と少年の関わり方が心地良い。湯川先生のやさしさに触れることができる。本作は事件のトリックを楽しむもののはもちろんだが、事件の背景にある人間ドラマ。その真相に引き込まれます。

    ガリレオシリーズのテーマは、きっと「献身」なんだろうな、って改めて感じることのできた作品でした。

    読んだことのある方も多い作品だと思いますが、まだという方はぜひ、手に取ってみてくださいね。

全1123件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×