イヌの仇討 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1992年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784167111175

みんなの感想まとめ

忠臣蔵の物語を新たな視点から描いた作品で、吉良上野介の心情に焦点を当てています。従来の赤穂義士の美談とは異なり、敵役としての上野介の立場から物語が進行し、読者は彼の内面に共感を覚えることでしょう。作品...

感想・レビュー・書評

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  • 忠臣蔵も、年々受け取り方が変わって来ている。最近は、史実はどうだった、という視点が強くなっている。昔のようにひたすら赤穂義士びいきの人ばかりではない。吉良上野介に武を持たせる人もいる。この「イヌの仇討」は、1988年9月、紀伊国屋ホールで開演している。井上ひさしは、そのころから上野介の心に思いを馳せていたわけです。
    イヌというのは吉良上野介、大石とともにお上に仇討をするのだ。
    御隠居さまは、末代まで仇役として憎まれつづけることなりますよ、言われるが、上野介は言う。
    「憎たらしい悪役なしにで、いい話は
    成り立つまいが。(ずっと遠い未来を見て)それにいつかだれかが上野介の、いまの心を読みとってくれるかもしれぬ。」

  • 忠臣蔵、赤穂浪士の仇討ち美談に比して、敵役となり果てた吉良上野介の側に立つ物語。読むと忠臣蔵の見方が必ず変わる説得力がある。戯曲だけど、読み物として読みやすい。台詞の流れをみると、日本語独特のリズム感が研究し尽くされてるのがよくわかる。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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